電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

「上海13」発売に見る今後の動向など

2012-09-16 00:00:00 | その他・研究

11月に「上海13」(原題:『上海灘十三太保』)国内版DVDが発売されるそうです。(情報提供はリバーズさん)
これはジミー・ウォングやチェン・カンタイ、ティ・ロンなど邵氏スターが多数出演している張徹監督の映画ですね。

アンディ・ラウの『投名状』インタビュー訳のページを見つけました。
(張徹の話が少し出てますね)こちら

私はVHSや英語DVDでしか見たことがありませんが、トリミングしたサイズだったと思いますので今回発売のDVDは16:9と表記されているので是非リマスター化されたクリアーな映像を拝見したいところです。(「上海13」の記事はまたご要望があれば来月あたりにでも・・・)。

この映画の権利元を調べてみると、星光聯盟影業という香港の会社がそうみたいです。
そして、こちらの会社が権利を持っているタイトルには、1979年版『洪拳大師』や『迷蹤霍元甲』(1980)、『大武士與小[金票]客』(1977)など、カンフー映画ファンなら聞き慣れているタイトルがあるのですよね。

ということは、将来これらのタイトルが国内で発売される可能性も出てくるでしょう。

こう考えると、どの様なアクションを見たいと思っての動きなのか。ちょっと考えてみると・・・。

やはり足技が鮮やかで豪快なキックで魅了するキッカーがやはり人気の的なんでしょうね。
上記のタイトルがもしリリースされるなら看板となりうるのが、当然日本でもよく知られているウォン・チェンリーですね。
以前の「非情のハイキック~黄正利の足技地獄」の時のようにまたちょっとしたブームが訪れるのかも知れません。

 

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呉思遠『七百萬元大劫案』

2012-09-14 00:00:00 | 呉思遠と思遠影業

呉監督が初期のころに撮った犯罪映画(1976)。

モデルとなった恒生銀行

75年の強奪事件をモチーフに刑事、犯人たちの人間模様を描いてます。

700萬元っていくらかな。えっ、米ドル札?? 

この時期の現代劇にはお約束のカーチェイスはもちろんあります。

主演はラム・マンワイ(林文偉)。彼が犯人グループの主犯格。
右:林文偉(左は劉鶴年)

「プロジェクトA2」に出演してたこちらの警官を覚えている方もいらっしゃると思います。

こちら↓

 わかりますか?

そして、ちょっと若いリー・ホイサン(李海生)がごく普通の刑事役。この時期の現代劇は珍しい。(当時はアクションも無いこんな役も演じた。)
リー・ホイサン


犯人グループのメンバーには大細眼(やっぱりこの人!)や、劉鶴年、そして若い若いチャン・ウーロンも登場してます。

チンピラ役のゴローちゃん。若いな。

75、6年は呉思遠が新しい映画を撮ろうとしていた時期で、この映画に出演と言われていたブルース・リャンは出演していません。リャンや倉田保昭の映画から離れる格好になると思います。どんな心境の変化があったんでしょうか。
世間を騒がせた事件を映画の題材にするという映画監督らしい読みがあったのかも知れませんよね。

本当の事件の方は解決したのかどうか分かりませんけど、最後は逮捕されてジ・エンド。
時代を感じるドラマでした。

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ヤングマスターBDソフト購入話

2012-09-13 23:29:56 | ソフト情報

前回のつづきです。

BD版「ヤンマス」早速見てみました!

…とその前に、「ヤンマス」のソフトには過去、苦い思い出がありました。そう、あれは忘れもしないオープニングにとんでもない不良箇所があったDVDの事ですね。(かなりのダメージを受けましたが、まぁでもここは日本だからね。)アメリカ人だったら返品の山とかとんでもない事になってたんじゃないでしょうか。
でも、そんなことがあってもすぐ忘れてしまう便利な性格だったりします(笑)。

で、ここから本題に入りますが、ここ最近ずっと気になっていた復刻版について。
他のタイトルと同じように日本語吹替版とオリジナル英語音声の2種類が特典として収録されてました。

まずは英語音声の方をみてみると、フロントロウのDVDをそのまんま再生したような画質ですが、ラストなどは編集してちゃんと長くしてありますね。これはこれでいいかもね。(だけどラストはさらに画質が落ちて・・、おまけになぜかピッチが早くなっていた。くっつけるとこうなっちゃうんだねぇー。) TVサイズばかり見てたせいでしょうけど 、これに日本語を被せたら違和感さえ感じてしまった。(まぁこんなもんか。)
画質に関しては期待しすぎてガッカリする人もいるかなぁ。。。
復刻版については今回玉手箱を開けてしまったようで(爆、こりゃ今晩夢見ちゃうかな。(英語で喋るシー・キエンに追い回されるとか(笑)。

で、よく見て欲しいのはジャッキーの英語インタビューですよ。(もちろん字幕つき)。
何かに収録されてたヤツかも知れませんが、私は今回初めて見ました!  
それで何が凄いかと言えばところどころにウォン・インシックとのラストの場面が出てきて、これがスッゴクきれい!!(フィルムのキズまで見えちゃう。)
これはイイモノ見ちゃったかなぁ~。

ジャッキー本人が「ヤンマス」に関しての話をしていますから聞いていると、うんうんと頷いてしまう。とっても良い話。撮影は大変だったとか、プラチナかなんかのプレートとチェーンをレイモンド・チョウからヤンマスヒットの記念にもらったという様なエピソードを紹介してました。(実際にその実物も見せてくれます)
「ヤンマス」に関してのこんなジャッキーのインタビューに私はジーンと来ました。
本人インタビューってやっぱりいいものだなぁと思います。

あと、最近は日本語版の方も研究してなかったので、こちらを重点的にすすめていこうと思います。ということで、今回発売された「ヤンマス」のソフトについてでした。

 

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「ヤング・マスター/師弟出馬」

2012-09-11 00:00:00 | 成龍的電影

先日、ゴールデン・ハーベストのチョウさんがやってくるという大ニュースを知り、ビックリしましたが、やっぱりハーベストと言えば『師弟出馬』を忘れてはいけませんね。 

今週もうすぐ、「ヤングマスター」などのブルーレイ発売ということで、再びジャッキー・チェンのヒット作を見る機会が到来!またこの映画もどぉーっと普及しはじめることでしょう(笑)。
ジャッキーとキムことウォン・インシックとの激闘はもう忘れられない名勝負として語られていることと思います。
コレのファンは多いと思いますので、またさらにドーンと増えていって欲しいですね。
ここで、ひとつマメ知識を。

ユン・ピョウの使ってたイスってなんて名前だかわかりますか??

漢字2文字で板ともう一文字が
登の下に几って書いてバンドンって読むみたいですが、
このバンドンをつかった武術大会で演技するような
ちゃんとした種目としてあるそうなんですよ。(へ~)

 バンドン・カンフー

・・・ってなわけでマメ知識のコーナーでした。

あと、BDには日本語吹替も初めて収録されるそうですのでこちらも要チェック!
最近は当時のテレビの音声が入るというケースが確実に増えてきていると思います。(ニーズがあることがメーカーサイドにも浸透してきた証拠ですね)。
「ヤングマスター」にもここのメーカーさんの売りである復刻版が入るということで、出来についてはみなさん気になるところだと思います。

珍しくカナダ製のメディアに収録されていたのがいわゆる国際版の本編というヤツですね。違う尺のものがいくつも入るなんてソフトもテレビのように多チャンネル化してますが、時間があれば比較してみるのも面白いでしょうね。(そういえば台湾版なんてのもありましたっけ。)

ただ国際版のように海外のソフトに需要が集中し、買ってみないと何とも言えない、買ったら買ったで期待していたものとはかけ離れている。でも確かめてみたくなる…みたいな、もうそんな時代は終わってしまったのかも知れません。(去年ぐらいからでしょうか、私はパッタリと輸入モノを買わなくなってしまいました)

 国際版タイトル・カット

ワイドなんだけど画質はあまり良いとは言えませんので、キレイなプリントで見てみたいですね。

 

 

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四大門派

2012-09-03 00:00:00 | 嘉禾電影

こちらのブログサイト「電影フリークス」では、30年以上も前の映画を取り上げることが多いのですが、出演している俳優について知らない方もいらっしゃるということを前提にしますと、誰にでも分かりやすくて、いろいろな面から香港映画に興味が持てるような記事を書いていこうと思います。映画そのものの解析に力を入れてますが、ぜひ若い世代の方にも読んでいただければ幸いです。(中高生大歓迎!大学生なんていますでしょうか??)

中身はあまり変わってませんけども、ブログのテンプレートを変えたり、サイト名称も同時に変更させていただきました。新生電影フリークスということで当サイトのイチオシ作品を取り上げてみたいと思います。

今回はゴールデン・ハーベスト製作の黄楓(ファン・フェン)監督作品では私の一番のお気に入り『四大門派』(1977)についての内容をまとめてみました。

この『四大門派』は過去、「少林の陰謀」とか「必殺!少林寺武芸帳」というタイトルでテレビの地上波やCS局で放送されたことがあり、私がはじめて見たときあまりの面白さに感激して何度も繰り返して見た記憶があります。
 北京語音声での放送

監督自らがシナリオを書いており、キャストも確かに豪華ではありますけど、まずそのシナリオがしっかりしていますので映画の面白さは保証されているようなものですね。

今回登場人物などのデータを整理してみました。

監督はアンジェラ・マオを育てたことで有名ですが、彼女自身が気に入っている映画だと言う『密宗聖手』でチベットへ行ってロケしたので、チベットに少し興味が出てきたんでしょうか(笑)。

サモハンの奇抜なチベット僧(武器は血滴子、じゃなくてシンバルだ!w)をやらせたりしてますからね。
アンジェラは『四大門派』には出演してませんが、彼女がもし出演していたらまた違った映画になったことと思います。そういえばこの映画には、なぜか女性がほとんど出てこないんですよね。謎)


あらすじは以下となります(ネタバレあり)。

武術の各流派が宮廷に集まって酒宴が行われている。
皇族の皇子ダウロンは各流派の奥義を記した秘伝書を集め、すべてを掌握しようとしていたが
少林寺派と武當派は欠席。
その残り2つの流派の秘伝書が揃わずに感情のやり場が無くなって、ついに皇子から秘伝書奪取の命が下った。

最初に”太極両儀劍譜”という秘伝書を持つ武當派のところへ向かったツォンホー(ヤム・サイクン)とチンバー(サモ・ハン)は、師匠のクー(クワン・サン)に秘伝書を渡せと迫る。
息子で武當派の弟子・シャオホー(ジェームス・ティエン)は「出て行け!」と言うが、そんな事では諦めるはずが無く道場に居座り続けるチンバー。

腕ずくで奪いに走ると、(道場の門下生のユン・ピョウが顔を見せる)師匠は力及ばず、息子の命と引き換えに秘伝書を渡すと言ってやむなく降参することに。

師匠は覚悟を決め「息子を逃がしてもらう約束だ。でなければ秘伝書を燃やしてしまうぞ。」と言い放つ。 裏口から四川にいるという母親の元へ旅立つシャオホー。
しびれを切らしたチンバーが怒りを爆発させると、師匠は秘伝書に火をつけ、その場で不意打ちに遭い最後を遂げた。燃やしたのはニセの秘伝書だった。

シャオホーのあとを追うツォンホーたち。必死の思いで逃げるシャオホーだったが、体力も限界に達し、これ以上逃げるのは不可能。丁度、目の前に古い寺があり、この寺に逃げ込むと、そこには座禅を組んでいる一人の僧侶がいた。猛追してきたツォンホー達も疲れて果ててはいるが、寺へ入って追い詰めたシャオホーに最後の一撃を食らわそうとした。その瞬間、僧侶が手を差し延べる。 事情を察した僧侶が援護したのだ。追っ手のツォンホーを外へ放り出し、シャオホーの命を助けるのだった・・・。

 

謎の僧侶が現れてこの人物が誰なのか大変気になるところですが、この後、物語はダウロンたちが少林寺へ乗り込んで行く話に続きます。そう簡単には手に入れることができない少林寺の秘伝書をめぐる攻防はとても見ごたえがあります。

そもそも”四大門派”とは武當、崑崙、少林とあともう一つ、峨嵋派の4つの流派の事を指しているのですが、
この映画がどうして四大門派って名前になっていたのか気になります。映画を良く見てるとマン・ホイの乞食の党とかいろいろ出てきますね。
ところで、香港ではこの映画は『四大門派』と呼ばれますが、台湾では別の題名で『武林煞星』となっていました。題名が複数ある場合、基本的にはこのように香港か台湾での呼び名どちらかになることが多いですね。 なぜこのように別の題名が付けられるのか?。タイトル一つ取っても奥深いですね。

出演者も豪華なだけではなくて、実は重要なポイントがあります。
ハーベストのベテランとして君臨し、主演作なども数々とこなして来た田俊(ジェームス・ティエン)。「拳精」では七死拳でジャッキー・チェンを苦しめ、「龍拳」では憎い裏切り者を演じました。その彼が武當派の弟子として、主人公・古小虎を演じてます。そしてまた拳シリーズで三度もボスとして登場。ジャッキーとの壮絶なラストバトルを繰り広げた金剛(カム・コン)が、慈悲深い僧侶を演じているなど、役者の善悪チェンジの妙を楽しめるというのがこの映画の醍醐味です。

 田俊に少林拳を教える僧侶・金剛
他にも「笑拳」で”鉄の爪”を演じた任世官は同じく皇帝に仕える親王の手下の役など、拳シリーズのファンの方には充分過ぎるほどのキャストです。

マニアを唸らせる任世官VS田俊

ここで一人の人物にスポットを当ててみたいと思います。武術を極めたいがため秘伝書コンプを謀る筋肉モリモリの武術オタク、陳星も捨てがたいところではありますが(実は”単眼和尚”という役も怪演!)、この映画で見事な僧侶の役を演じた金剛はとても素晴らしかったです。金剛こそがこの映画のMVPではないかと思います。
サモハンとの対決もシャープな技で素晴らしいのですが、少林寺の管長と意見が合わずに寺を出たというの謎めいた僧侶の役は演技賞ものでした。(彼は若い頃、短距離選手でオリンピックにも出場した経験があるとか。)主に台湾で活躍されていましたが、現在の状況は残念ながら全く分かっておりません。彼がハーベスト作品に出演するというのは非常に珍しいケースで、出演の経緯などは不明ですが、何か特別なことでもあったのでしょうか。ちょっと気になりました。

また、金剛は台湾にいることが多いということですが、共演作が一番多いのは誰だと思いますか?

龍飛(ロン・フェイ)でしょうか? それとも山茅(サン・マオ)?

いいえ、彼らも相当多いのですが、彼らよりもっと多いのが実は高飛(フィリップ・コー)なのでありました。二人の共演作を見てみるのも面白いかと思います!

 普慧大師を演じた金剛

さて、陳星が少林寺に要求した3つの秘伝書というのが、「少林倚天拳譜」「羅漢陣法」「大力金剛指經」の3冊だったのですが、やはり少林寺ということで秘伝書の1つでもある羅漢拳は良く使われるようですね。

この映画も少林寺で有名な十八羅漢が登場します。
 ズラリと並ぶ羅漢たち


”十八羅漢”には18人の羅漢たちひとりひとりにしっかり名前があるそうなんですけど、そのうち2人が”降龍”と”伏虎”という名前になっています。この2人がペアになっていて中国では彫像などが作られたりしていますね。

映画では韓国のスーパーキッカーのお二人が扮していますが、完全に主役のジェームス・ティエンを凌駕しちゃってますね(笑)。設定がどうなっているのかどうも曖昧で、どっちがカサノバでどっちが権永文なのか判断がとても難しいのでちょっと調べてみました。

答えは小説(シナリオ)の中にありました。
主人公シャオホーが師匠の形見”戒律堂印”を背負って十八羅漢と対決するくだりで、映画のシナリオでは「小施主~」というセリフが降龍のセリフになっています。
 ←赤い枠の部分

本編ではどうなっているかというと、権永文が戒律堂印を持って田俊に話かけています。

 ←田俊に話しかける権永文

このシーンの前後の文章を読んでも降龍の名前ばかり出てきます。(カサノバのセリフはほとんどなし)なので、権永文が降龍という設定になっていることが分かります。

こんな感じで不思議に思った事などを自分で調べてみたりすると、いろんな事が分かって面白いと思います。

長くなってしまいましたが、今回はこれでおしまいです。また次回もおたのしみに!

 

 

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