結局、社長の王は5万ドルの小切手を寶玲に渡した。寶玲は今夜会いに行くからと王を帰らせた。小切手を手に入れて喜ぶ寶玲と伍。怪しまれず何とか成功したのだ。カモを見つけた者の勝利である。面白くない顔の辛(李昆)がボーっとしている。
「何してるのよ」と妻の寶玲が言うと急に辛は泣き出してしまった。
「私達成功したのよ。なぜ泣く必要があるの?」
「女房を失って金が何だっていうんだ」
「ここにいるじゃない、バカね。社長に多く出させるための芝居に決まってるでしょ。私はあなたにゾッコンよ!」
寶玲は頬にキスしてあげた。辛は大喜びして外に走り出そうとした。今日の祝いの酒と料理の調達をするつもりだが伍に死人だからと制止される。金をもらった伍は代わりに出て行った。
すると部屋の奥でどこかへ電話する寶玲。「チャンスよ。今から言う通りにして」どうやら男に電話していたようだ。辛が部屋に入ってきた。顔が緩んでしまう。
「うれしそうな顔してどうしたの?小切手を渡しましょうか?」
「俺はいいダンナだ。女房に任せるよ」
小切手をタンスの宝石箱に仕舞った。そこで不敵な笑みを浮かべる辛。
「今日はうれしいな」「だから何よ」「つまり…、その…、いいでしょ」「昼間から?」いやがる寶玲をベッドに押し倒す辛。そこへ劉(劉永)が訪ねてきた。
どうしてここへ来たんだと辛が聞くと、「兄貴、俺は死にたいよ」いきなり話を切り出した劉。「死ぬ?なぜだ?」と聞き返す辛。さっきまで自分が同じ事を言っていたのにである。劉の父がアメリカからやって来るが結婚すると言ったから金を持ってくるらしい。来たら嘘がバレてしまうというのだ。嘘と分かれば金はもらえない。商売の夢も終わりだと絶望的になる劉。何かいい手はないものかと辛に持ちかける。せっかちだが頼まれると弱い辛は小さな商売なら元手は貸すと言ってしまう。しかしこれには横から寶玲が怒りだした。今の生活はその日の食事も困っているからだ。仕方なく諦めてくれと頼み込む辛。劉も今日を乗り切れば父は帰ると言った。
「それは本当か?」その一言が辛に響いて何かを思わせ心を動かした。「女房を貸そう!」とキッパリ。「バカ。どこに女房を貸すダンナがいるのよ」そうは言っても頼むからお願いと黙って見過ごせない辛。断固お断りと寶玲も引かない。「父と食事だけしてくれればすぐお送りしますので」劉が念を押した。じゃあ食事だけと寶玲はついに承諾する(これも芝居)。支度を済ませて嘘の食事に行く2人を見た辛は、お互いどう呼び合うか気になり、夫婦らしい会話をするようにと指南した。そして部屋に戻る辛。
やっと辛を振り切って2人っきりになれた寶玲と劉は道でイチャつく。そこに酒を買ってきた伍が帰って来た。「お出かけですか?」と寶玲に声を掛けると軽く会釈だけしてすれ違った後、すぐ走り出した。
伍が戻ってみると家には辛が居るだけである。
「奥さんは?」
「貸し出した。。」
「借りられるの?!」と漫才のような会話をする2人。
兄弟分だからいいんだと辛は説明する。「今日は嬉しい日だ。2人で飲もう!」「よし!」と飲み始めた。じきに酔ってきて歌を歌い出す伍。またまた面白くない様子の辛。時計を気にして帰りが遅い寶玲を待っているようだ。これはおかしいと思う伍。
「ところで誰が貸すと決めたんだ?」
「俺が無理に行かせたんだよ」
それを聞いた伍はまずい話だと確信する。頭の回転が早い伍は全てお見通しである。
「あの2人アツアツだったぞ」
「そんなことないさ」
「小切手はどこだ?もう無いかもね」
「まさか…。」
慌てて宝石箱を見に行く辛。やっぱりカラッポだ。おまけに宝石までなくなっている。
伍の言った通りである。全部嘘だったと分かってガッカリ。
そして居場所はわかってるからと寶玲達のあとを追う辛だった。
ーつづくー
「何してるのよ」と妻の寶玲が言うと急に辛は泣き出してしまった。
「私達成功したのよ。なぜ泣く必要があるの?」
「女房を失って金が何だっていうんだ」
「ここにいるじゃない、バカね。社長に多く出させるための芝居に決まってるでしょ。私はあなたにゾッコンよ!」
寶玲は頬にキスしてあげた。辛は大喜びして外に走り出そうとした。今日の祝いの酒と料理の調達をするつもりだが伍に死人だからと制止される。金をもらった伍は代わりに出て行った。
すると部屋の奥でどこかへ電話する寶玲。「チャンスよ。今から言う通りにして」どうやら男に電話していたようだ。辛が部屋に入ってきた。顔が緩んでしまう。
「うれしそうな顔してどうしたの?小切手を渡しましょうか?」
「俺はいいダンナだ。女房に任せるよ」
小切手をタンスの宝石箱に仕舞った。そこで不敵な笑みを浮かべる辛。
「今日はうれしいな」「だから何よ」「つまり…、その…、いいでしょ」「昼間から?」いやがる寶玲をベッドに押し倒す辛。そこへ劉(劉永)が訪ねてきた。
どうしてここへ来たんだと辛が聞くと、「兄貴、俺は死にたいよ」いきなり話を切り出した劉。「死ぬ?なぜだ?」と聞き返す辛。さっきまで自分が同じ事を言っていたのにである。劉の父がアメリカからやって来るが結婚すると言ったから金を持ってくるらしい。来たら嘘がバレてしまうというのだ。嘘と分かれば金はもらえない。商売の夢も終わりだと絶望的になる劉。何かいい手はないものかと辛に持ちかける。せっかちだが頼まれると弱い辛は小さな商売なら元手は貸すと言ってしまう。しかしこれには横から寶玲が怒りだした。今の生活はその日の食事も困っているからだ。仕方なく諦めてくれと頼み込む辛。劉も今日を乗り切れば父は帰ると言った。
「それは本当か?」その一言が辛に響いて何かを思わせ心を動かした。「女房を貸そう!」とキッパリ。「バカ。どこに女房を貸すダンナがいるのよ」そうは言っても頼むからお願いと黙って見過ごせない辛。断固お断りと寶玲も引かない。「父と食事だけしてくれればすぐお送りしますので」劉が念を押した。じゃあ食事だけと寶玲はついに承諾する(これも芝居)。支度を済ませて嘘の食事に行く2人を見た辛は、お互いどう呼び合うか気になり、夫婦らしい会話をするようにと指南した。そして部屋に戻る辛。
やっと辛を振り切って2人っきりになれた寶玲と劉は道でイチャつく。そこに酒を買ってきた伍が帰って来た。「お出かけですか?」と寶玲に声を掛けると軽く会釈だけしてすれ違った後、すぐ走り出した。
伍が戻ってみると家には辛が居るだけである。
「奥さんは?」
「貸し出した。。」
「借りられるの?!」と漫才のような会話をする2人。
兄弟分だからいいんだと辛は説明する。「今日は嬉しい日だ。2人で飲もう!」「よし!」と飲み始めた。じきに酔ってきて歌を歌い出す伍。またまた面白くない様子の辛。時計を気にして帰りが遅い寶玲を待っているようだ。これはおかしいと思う伍。
「ところで誰が貸すと決めたんだ?」
「俺が無理に行かせたんだよ」
それを聞いた伍はまずい話だと確信する。頭の回転が早い伍は全てお見通しである。
「あの2人アツアツだったぞ」
「そんなことないさ」
「小切手はどこだ?もう無いかもね」
「まさか…。」
慌てて宝石箱を見に行く辛。やっぱりカラッポだ。おまけに宝石までなくなっている。
伍の言った通りである。全部嘘だったと分かってガッカリ。
そして居場所はわかってるからと寶玲達のあとを追う辛だった。
ーつづくー