電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

「空山靈雨」

2007-02-28 23:52:17 | 七十年代作品【1979】
胡金銓監督の「空山靈雨」は、79年の7月に公開され129萬HK$で総合56位となっています。この成績はあまり良くなかったのかも知れません。

この映画を初めて見た時、私は驚きました。全編韓国でロケされており、118分にも及ぶ本編ではその殆どが韓国にある寺や建物のシーンで埋め尽くされていたからです。(実際には仏國寺、海印寺、宋廟など)

三蔵法師直筆の”大乗起信論”という経典の争奪で権力争いがテーマとなっていますが、やはり仏國寺など映像の美しさには魅了されてしまいます。

79年公開作品ですが、主演の徐楓は77年、台湾で「龍蛇侠影」に出演後、韓国に渡り「空山靈雨」の撮影に入っています。草思社から出版の”キン・フー武侠電影作法”によりますと、「空山靈雨」は77年8月~78年4月まで撮影しているそうです。
この時期、仏國寺で撮影している映画としては「拳精」と「死亡塔」がありました。
「拳精」は「空山靈雨」の後、「死亡塔」は「空山靈雨」の前であるのではないかと思います。
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'71年の羅維監督

2007-02-27 23:33:17 | 未整理
'71年に入ってから【嘉禾】「鬼流星」「金旋風」と続いたあとの羅維監督作品と言えばこの人、李小龍の主演映画です。

7月から撮影開始した「唐山大兄」は、10/31から約3週間の公開で319萬HK$という大記録を打ち立てました(総合第1位)。

続く「精武門」(原名:大侠霍元甲)は、9月より開始、年末には撮影完了し翌年3月公開となりました。



(画像は「精武門」本編に出演中の成龍。)

「精武門」(国内盤)はこちら
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「師父出馬」

2007-02-26 23:25:01 | 七十年代作品【1979】
来月、成龍主演「プロジェクトA」のゴールデンタイム放送が決まったようです。
約10年振りのゴールデンタイム放送ですが、4月新作公開に合わせての喚起的、宣伝効果を期待したものだと思われます。

その成龍も17歳までの10年間お世話になった”正宗師父”于占元の主演映画「師父出馬」(郭南宏監督)は、79年では100萬HK$に少し届かない95萬HK$を記録し、真中より少し下の55位にランクしています。

この映画には、元紅、元南、元七、元小、元福、元新、元發というこの当時の七小福メンバーが出演しているそうです。
于占元と弟子役の雷小虎の広東語の吹替を務めるのは「蛇拳」「酔拳」等の袁小田と成龍と同じ声優が担当しています。もちろん、アレンジされた特訓シーンも登場しています。(とてもリアルな感じがします)

また、公開が79/10/11ですので成龍の「師弟出馬」から取って付けたのは明白です。
他にも~出馬という題名の映画がいくつも現われています(「師兄師弟齊出馬」「師妹出馬」「師哥出馬」)。
しかし、73年には「師兄出馬」というとても気になる帝國作品があったのでした。

ところでもう一人の監督の王占戎は”王戎”のことではないのでしょうか?

美亜盤DVDはこちら
http://global.yesasia.com/jp/PrdDept.aspx/pid-1002524128/
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1971年からの嘉禾電影

2007-02-25 19:46:44 | 未整理
70年末までに【嘉禾】が発表していたのは「鬼怒川」「刀不留人」「獨臂刀大戰盲侠」「侠義雙雄」「天龍八將」「奪命金劍」の6本でした(發行含む)。
71年からは”嘉禾公主”(嘉禾の王女)苗可秀主演の「鬼流星」「金旋風」を羅維監督が2作同時に台湾で撮影を開始しています。

「鬼流星」は「神龍血掌」→「鬼影女流星」と何度か題名変更しており、これはジャンルとしては恐怖片になります。
当時の香港では恐怖映画が流行していました。例えば「鬼上身」という映画がヒットを記録しており、これが日本映画「秘録怪猫伝」で69年の大映映画でした(嘉禾配給)。

「金旋風」においても当時はヒゲのなかった馮淬帆の演技がどこか微笑ましく印象的でありました。石堅が二節棍(ヌンチャクではない)を使って謝賢に挑むなど見所も多いと思います。また、この時期【嘉禾】に加わっていた陳観泰のcameo出演シーンを探すといった楽しみ方もありますが、純粋に武侠片を楽しむべきでしょう。

この頃、前年から台湾でロケしていた黄楓監督の「奪命金劍」では、その原作者として【邵氏】「血符門」に引き続いて台湾の著名武侠小説作家である諸葛青雲を迎えていました。(未確認ですが「血符門」にも出演しているらしい。)
彼は「奪命金劍」のプロデュースも行っており映画の製作にも意欲を見せていました。

また、茅瑛や田俊はどうしていたかといいますと、羅熾監督のもとで「五雷轟頂」に取りかかっていたのでありました。


(画像は「鬼流星」ビデオパッケージ)
「鬼流星」台湾盤DVDはこちら(参考)。
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「盲拳鬼手」

2007-02-24 23:56:41 | 七十年代作品【1979】
こちらは何宗道主演の民初打鬥動作片です(79年製作)。
たった53萬HK$で圏外の成績だったこの映画が80年代のお茶の間に登場しました。(「風拳鬼手への道」というタイトルであったと記憶しています。)

そして、約20数年振りにこの映画を一部使用したDVDが日本に登場しました。
「ブレイキンカンフー」というDVDです(全10話収録)。
このDVDの第1話が「イル・マスター危機一髪!!」というエピソードでこれに「盲拳鬼手」が使われています。

また、タイトルに”鬼手”が付く映画というのがなぜかこの79年頃から突如として現われるようになったのでありました。(「鷹爪鬼手」「攀月鬼手」など) 

(追記)
※日本語版「風拳鬼手への道」
何宗道:古川登志夫
袁小田:藤本譲
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票房全紀録の種類

2007-02-22 07:57:03 | その他・研究
香港で公開された映画の票房全紀録(=全記録)は全部で3種類。
華語or港産電影と呼ばれる所定の定義による香港映画の票房紀録の順位、外語電影(=香港からみた外国映画)で洋画、台湾映画などの順位(日本映画も当然含まれます)、上記2つを含めた全トータルの順位の3つです。
こちらでは総合何位というときは全トータルの順位を意味しています。
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類似する題名

2007-02-21 12:55:59 | 七十年代作品【1979】
ヒットした映画には、それに真似たタイトルを付けることも多いと思います。
79年に張森監督の「猴形扣手」【協利】があります。
港産電影としては130萬HK$で第34位となかなかヒットしていたようです。
この映画の英語題名は「Snake in the Monkey's Shadow」です。
しかし、これは言うまでもなく「Snake in the Eagle's Shadow」から取ったものです。

以下は、同様に類似している他のタイトルです(DVDなどを含む)。
「通天老鼠下江南」(Snake in the Crane's Shadow)
「幽靈神功」(Mantis in the Monkey's Shadow)
「蛇形?手鬥螳螂」(Snake in Eagle's Shadow 2)
「搏命」(Snake in Eagle's Shadow 3)
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笑拳のパロディが出てくる映画

2007-02-19 00:09:39 | 七十年代作品【1979】
今日は80年代終盤の映画を紹介します。

「笑拳怪招」公開から10年後の1989年。とあるホラー映画が香港で公開されました。
これが「鬼媾人」(Ghost Fever)という【嘉禾】院線(=嘉禾系列の映画館で上映)作品です(萬里公司出品)。

陳百祥主演ですが、王晶も出演しており彼の映画と言っても過言ではないと思います。
(王晶自編自演=脚本と出演)

出演者も他に夏文汐、關之琳、曹査理など香港映画ファンには楽しめるホラー(キョンシー)映画です。

そして、なぜかこのキョンシー映画の中で「笑拳」のラストバトルが劇中のTVに映し出され(成龍も映ります)、”鉄の爪”のニセ物が現われます。(BGMも将軍令!どうして?)成龍ではなく任世官の偽者というのがなかなか面白いと思います。


※「笑拳怪招」関連ということで1979のカテゴリーにしてあります。

DELTAMAC盤はこちら
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「智多星棋逢敵手」

2007-02-17 21:36:31 | 未整理
1970年の総合第9位にランクされている「智多星棋逢敵手」。
これは「大頭脳」というデヴィッド・ニーヴン主演の伊仏合作映画でした。(共演ジャン=ポール・ベルモンド)
この映画も盗寶片ですが、あの「カリオストロの城」も影響を受けていると思います。

原題が「THE BRAIN」ということで日本公開時('69年)に「大頭脳」と名付けたことに時代を感じます。

主演のデヴィッド・ニーヴンは中文では”大衛尼雲”と表記します。同じデヴィッドの名を持っていたのが姜大衛でした。

(画像はビデオパッケージ)
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検証「刀不留人」

2007-02-16 23:46:02 | 未整理
洪金寶が本作品に出演しているか検証してみたいと思います。
まずオープニングのクレジットですが、出演者として洪金寶(朱元龍)は表記されていません。
武術指導には韓英傑と共にクレジットされています。

70年の動きから追ってみますと「鬼怒川」で武術指導、出演のあとは8月から「刀不留人」に入っており、その後は11月から「奪命金剣」と「天龍八将」になりますのでスケジュール的にも出演可能で、かつ武術指導もしていたので当然ながら出演は可能であったと思います。

実際の映像ですが、私が見た限りはっきり顔が判別できる出演シーンは確認出来ませんでした。
ただ、霧のシーンで田俊に斬られる人物が似ているように見えました。これが洪金寶であるかも知れません。そもそもこのシーンは、顔がはっきり分からない様に意図的に演出した可能性もあり、そのシーンの必要性はコストを抑える為か何かの特別な起用だと思っています。

それから【嘉禾】初仕事である「鬼怒川」では出演者として朱元龍でクレジットされています。その次回作で顔が確認出来ないような端役を通常やらないと思います。また韓英傑も出ていないということであれば洪金寶も同じです。しかし、これが盲点で実は本作品では武術指導に専念しつつ、ごく一部の上記アクションシーンを演じていたのではないでしょうか。

以上から、洪金寶は実はこっそり出演していたというのが私の結論になります。


また、最新作「プロジェクトイーグル2」に出演予定の成龍ですが、本作品が嘉禾での初仕事となっているかまだ何とも言えません。これは改めて検証したいと思います。

(画像は左から葉榮祖、張冲、苗可秀、羅維)
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