電影フリークス ~カンフー映画のブログ~

2019年。なつかしのカンフー映画で楽しみましょう!!!

乾隆下江南

2019-01-14 10:31:46 | 七十年代作品【1977】

こんにちは。醒龍です。

今日は『乾隆下江南』(77)です。邵氏作品。

タイトルから分かると思いますが、清の皇帝が江南に下る、つまり南の国へ旅をするという映画ですね。

日本の時代劇に例えると、将軍たちが様々な事件・騒動を解決するドラマ。例えば、『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』などいっぱいありますね。で、皇帝とは乾隆帝のことで、あの有名な雍正帝の息子、順治帝から数えて第四代目の皇帝になります。

乾隆帝は在位60年と長く、最も長生きした皇帝だったとか。そういえば平成ももうすぐ終わってしまいますが、30年ほどでした。改元後の世の中はどうなっていくのでしょうね。昭和、平成そして新元号と3つの時代を生きられるようになるとは思いませんでした。

映画は巨匠・李翰祥(リー・ハンシャン)監督によるもので、リー監督はこの乾隆帝をテーマにした映画をいくつか撮っています。(本作は1作目)リー・ハンシャン映画もそんなに観られる訳ではないので今回が絶好の機会だと思いました。

プロデューサーにはチャイ・ラン氏の名も連なっています。この頃は、邵氏で映画の仕事をされていたのですが、香港と日本をつなぐ架け橋のような重要な役割を果たされた偉大なお方ですね。こう見ますとスタッフ陣は本当に素晴らしいメンバーで構成されている映画なのです。

主演の二枚目俳優・劉永(トニー・リュウ)は移籍した邵氏で乾隆帝役に抜擢されたんですね。劉永と言えば、やはりブルース・リーとの共演作を思い浮かべてしまいます。トニー・リュウ主演映画というのもあまり聞かなかったですね。(邵氏なら確かにこの乾隆帝シリーズがあるくらいなのかも・・。)トニーが皇帝だなんてバリバリのカンフーでメッチャ強いイケメン皇帝を想像しちゃうじゃないですか!

個人的には嘉禾で活躍した頃の方が馴染みがありましたね。何度も何度も観た彼の『電光!飛竜拳』が忘れられない映画ですね。昔はテレビで観れる時代もあったので、丁度その頃に初めて観てオーソドックスな作りでしたが、みんな若くてパワーに満ち溢れていてしかも韓国ロケで面白かったです。この辺りについてはまたいつかレビューしてみたいと思います。

さて皇帝漫遊記・・。
時代は康煕の治世。
鹿狩りに出かけた第四皇子・雍親王(ユエ・ホア)は後に妻となる女性と遭遇します。ケンカさながらの会話中、親王は鼻をビヨーンと指ではじくのです(笑)。このシーンは監督からすると違和感もありますが、映画の雰囲気・様子を一変させるものでした。

そして、のちの雍正帝の子として生まれる弘暦は宮中での出産は許されず、弘暦親子はそのまま宮廷外で生活している状態でありました。母親が仕事をしながら宮廷近くにある厩舎で暮らしを送っていたのです。

ある日、ベテラン俳優・楊志卿(ヤン・チーチン)扮する康煕帝が狩りのさなか熊に遭遇、危機に瀕するも果敢な子供に助けられます。この勇敢な子供が弘暦(のちの乾隆帝)であったのです。康熙帝は日々精進している弘暦を大変気に入り、弘暦の母・李佳を清朝のシンボルである八旗の中から1つ姓を与え宮中に迎える事を認めたのです。

乾隆帝の有名な俗説としては御存知の通り、漢人説があります。母親をニオフル氏系として描いているならば正史と言えるのですが、どうでしょうか。王族が漢人と通婚する場合には特別に満洲人とみなすよう"佳"という字を付けるそうです。本作の弘暦の母の名は李佳となっていますね。康煕帝の生母も実は"佳"の字を使っていた様です。しかし、いわゆる漢人説としては漢人の子とすり替えたとする説になります。つまり父親が異なる訳ですね。本作にはその描写は無かったのです。

映画を観ていると、韓国ロケも敢行されたようで景福宮勤政殿や朝鮮王陵、国立民俗博物館などを使用したと思われる箇所を所々の野外シーンで見ることが出来ます。70年代作品は韓国の文化財、世界遺産などのロケ地が多いですよね。こうする事でリアル感が出て映画としては格式高くなっていると思います。

成長した皇帝はイケメン皇帝であるので、常にあるアイテムを持っています。そう、白扇です。最初に登場するシーンでは夏場の暑さの中で作業するシチュエーション設定でしたが、扇子を扇ぐだけではありません。このアイテムは印象的でした。

皇帝の遠征も多かったようなのですが、自ら"十全老人"と称し、この呼び名が広まったようです。ポイントは周囲からではなく自らの呼び名です。そう老人です(笑)。なぜ老人なのかは後述しますが、本作で最初に描いている皇帝像は民間の文化・風習などを積極的に吸収するという姿勢だと思います。これが進行すると、遠征して世の中をもっと理解すべく積極的に旅に出掛ける姿になったと想像できます。

揚州の旅の途中、皇帝は"一楽茶園"という1軒の茶屋を教えてもらいます。世間知らずの皇帝は茶屋の店主・老三(王沙)から土地の方言を学ぼうとします。また、他の客がお茶に肉をつけて食べるのを見るや自分でも恐る恐る実践してみる皇帝。ここのシーンは非常に楽しく観ることが出来、好きなシーンですね。

皇帝は老三に「なぜ私を老太爺と何度も呼ぶのか?、年寄りに見えるのか?」と怪訝そうな表情で聞くのです。すると、揚州では丁寧な言葉を使うからと例えば「何何なら〇〇」と皇帝に向かって皇帝とは知らずに次から次へと饒舌に例を挙げて説くのです。そして自分の事を何と呼ぶのか。皇帝に老三は「自分はおしゃべりだから牙擦老(※にんべんに老)だ」と言うのですね。

続く食事のシーンで、湯包(小籠包より少し大きいスープの入った食べ物)という物を食べたことの無い皇帝が、何も知らずに注文した湯包がテーブルに届きます。さて、どうなるでしょう(笑)。この情景もまた面白いのですよね。皇帝は1度目は散々な目に遭いますが、つぎは湯包を慎重に食べるのです。実は私は猫舌で小籠包がいまだに苦手で食べるのに苦労します。。が、次はおいしく食べれるような気がします!(無理かな??)

そういえば、日本語で「がさつ」という言葉がありますね。落ち着きのない様子のことですが、不思議な事に国語辞典にはこの「がさつ」に当たる漢字は載っていないのです。前述の皇帝と店主とのエピソードと観て、もしかしたら中国語の"牙擦"が当てはまるのでは?と思いました。中国語では歯が伸びていて擦(こす)れる、つまり出っ歯の意味だと思います。なぜ店の人は自分の事を牙擦老人と言ったのでしょうか?

王沙(ウォン・シャー)は有名はコメディアン(主演作は同じ邵氏でカイ・チーホンの『老夫子』など)。野峰とのお笑いコンビは関西の芸人みたいです(笑)。彼の持つ芸風・持ち味はやっぱり古い古い黄飛鴻シリーズで牙擦蘇を演じたサイ・ガーポウにそっくり。そうです。『ヤング・マスター』や『五福星』にも出演していたあの出っ歯のおじさんです。なるほどね!ようやくここで、王沙が自分の事を牙擦老人と言った意味が分かったんです。

宮中で皇帝に仕える学者・紀が皇帝を陰で"老頭子"と呼んでいたのを問いただした件、茶屋でのエピソードなど、乾隆帝は民衆がなぜ年老いていない自分を老人と呼ぶのかと自ら理解し、やがて自身を"十全老人"と呼ぶ事になっていったのではないでしょうか。

また、乾隆帝は乾隆年間の間、翰林院のスタッフら数百人を動員して10年もの年数をかけて"四庫全書"を編纂、宮殿に保管させました。この時代は清朝の黄金時代で乾隆帝も芸術には特に力を入れ、その繁栄に邁進したのです。ちょうどその頃のエピソードをいくつか交え、香港映画のベテラン俳優たちが熱演し、映画は進行していきます。

民衆から話を聞いているうちに、皇帝は役人の悪事に気づきます。その時、皇帝の前に一人の男・周日清(ワン・ユー)が現れるのですが・・・。

そして、ラスト。衝撃の結末に(笑)。時代劇と言えばコレですね!!。当時の移動手段といえば、馬ですね。41歳の乾隆帝は馬に乗ってまた旅に出るのでした。

シリーズ化しているということで、お話も今回はここまで。
また別のシリーズの回でお会いしましょう。

あれ?唐佳が振り付けたカンフーアクションは?(笑)


The Adventures of Emperor Chien Lung (77)

Tony Liu Yun

 

 

 

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狂風沙

2019-01-04 00:09:56 | 七十年代作品【1972】

こんにちは。醒龍です。

今日はジミー・ウォングの古い映画です。(ジミーさんの72年の作品)

メディアは現在ではほぼ絶滅状態のVCDです。VCDは大抵2枚組となっており、1本の映画が1枚目と2枚目に残念ながら分割されてしまいます。この切れ目が一定でなく、VHSからメディア・コンバートしたような粗悪品のディスクとなっていました。なので価格は安いものが大半でした。当時は大陸盤として多数のカンフー映画がリリースされていました。香港でよく売られていたのは割と品質も良い物でしたが、私はパッケージを見て何が入っているのか分からない大陸盤VCDが好きだったのですw。

ジミー・ウォングのDVDも2タイトルが1枚に収録された格安DVDもよく買いましたが、この『狂風沙』もそんな海外のシリーズに入っていました。こんな映像ソフトは英語音声であるケースが殆どで海外から送ってもらうと、黒いプラスチックのDVDパッケージ・ケースが頻繁に割れていたりしてましたねw。(しかも安っぽいプラスティック!!)幸運(?)にもDVDが見れない事は1度も無かったのですが・・。

現在はかなりご高齢になってるジミー先生ですが、数年前に倒れる前の舞台でのトークショー映像なんかを観たりすると、うれしくなりますね。また元気な姿で登壇してもらいたいものですね。

この映画『狂風沙』は、分類学上ではカンフー映画ではありません。これは民初動作片になります。ガン・アクションがありますから西部劇のような映画と言えるでしょう。原作が台湾の小説家によるもので、同名の小説が出版されています。

エスキモー・ハットをかぶり、『狂風沙』の文字通り、狂ったような強風の砂漠の中を馬に乗って登場するジミー・ウォングはメッチャ恰好いいのです。もちろんジミーさんが主人公で名前は関東山という名です。

共演者には田野(ティエン・イエー)がいます。この田野さんはジミーとの共演が本当に多いですね。ぴったりの好敵手です。貫禄のあるお顔をしてるので、この方が出てくると安心します。台湾で活躍されていたので香港の監督作品ではお目にかからない人です。この映画では朱四という冷酷な匪賊の役です。

物語は、十年前に匪賊の長、朱四によって六合幇の老大らが殺害され唯一の生き残りとなった主人公・関東山が復讐を果たそうとします。やがて土地の有力者グループ萬家楼の権力をめぐって内部の闘争が勃発するというストーリーです。後半ではスリリングな展開となり、次々と登場人物が倒れていきます。

中盤でマンディンゴの曲("Invocation To The God's")がかかる場面がありますが、よく見られる1対1、サシの対決です。ここが見せ場ですね。ブーツに何本も差したナイフを抜いて勝負に挑むジミーさんは必見。全編を通して西部劇っぽい展開で結構盛り上がります!

原題にある言葉、Adventureと言いながら何のアドベンチャーなのかと思ったら、フタを開けてみればキーワードは"traitor"(反逆者)だったりするのですが、別名のIron Fistから悪人へ鉄拳を振るう主人公の姿をモチーフとしているのではないでしょうか。後年、映画を買い取った某カンパニーが補足する意味でIron Fistを付け加えた可能性もあるでしょうね。

ラストでジミーさんと死闘を繰り広げるのは、劉維斌(リュウ・ウェイビン)という珍しい俳優さん。ジミーさんは血を大量に流しながら彼のナイフ攻撃に耐え、形勢逆転の機会を窺います。どんなに斬られようとも不死身のジミーさんは立ち上がって敵に向かってゆくのでした。

 

『狂風沙』(72)

The Adventure (AKA The Iron Fist Adventures)

Jimmy Wang Yu

 

 

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映画ファンとして

2019-01-02 23:46:54 | 未整理

カンフー映画も10年程前に比べたら随分とさびしい形となっていますが、新作は新作で別途楽しむとして、やはり昔の映画を見て喜びを感じてしまいますね。

当時のいわゆるカンフー作品は大手の映画会社が作った一級品ばかりではありませんが、日本で公開された物であればそこそこのクオリティを確保していましたね。

私がいま考える事として、この点に注目したいと思います。東映やら松竹やらその他いろいろな会社がブームの頃には海外から映画を輸入して日本人の観客に見てもらう為に、映画を選別して公開まで漕ぎ着けていたのです。だからある映画は無事公開、またある映画は未公開のまま終わる・・・といった状況がきっとあったでしょうね。

個々の映画について、その具体的な判断はどうだったのか分かりませんが、単純に「これは面白い!」という評価が少なからずあったからこそゴーサインが出たのだと思います。DVDにしても同じ事が言えますね。国内でDVDをリリースするという決め手となった判断です。結果として、面白い映画を観る事が可能になったのですから劇場の時と同様となりますね。ファンとしては導入に関しては何もする事が出来ないのですが、今更ながら映画を日本に紹介してくださった人たちに感謝したい気持ちでいっぱいです。

私がブログをはじめた頃、いろんな雑誌や書籍などから情報を得たり、自ら努力を惜しむことなく探索して、カンフー映画をはじめ、昔から好きだった香港映画を夢中で観たものでした。また、その当時、友人、知人や同じ映画ファンの方たちとの交流があったからこそ、より一層映画を楽しむ事が出来ましたし、実際毎日が楽しいと思える日々を送ることが出来たのです。映画の映像に関しても上記の様に観る機会が増えた訳ですので、機会を与えてくれた人たちに深く感謝しています。

その恩返しという訳ではありませんが、また当時を振り返っていろんな事を思い出しながら、ブログを書き綴っていけたらと思っています。これは再スタートです。好きな映画なら何度でも観ますし、今までもそうして来たように思います。(好きなポイントを踏まえながら・・がいいですね!)ですので過去の記事と重複する部分があったりするかも知れません。その点はご容赦していただきたく存じます。

正直なところ、この年になると映画を観るにしてもパワーが必要なので長く持たない可能性もありますが、しばらく頑張ってみたいと思います。"新生・電影フリークス"をどうぞ宜しくお願いいたします。

管理人

 

 

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ひさびさの映画鑑賞

2019-01-02 11:47:15 | 成龍的電影

明けましておめでとうございます。

2019年になりましたね。今年の正月休みは短いですが久々にジャッキー映画を楽しみました。

今回鑑賞したのは『蛇拳』です!いつ見ても『蛇拳』は面白いですよね~。

やはり正月になると、ジャッキー映画を見たくなってしまいます。以前は良く見ていましたので、その頃のイメージが定着しちゃっているのだと思います。

この『蛇拳』はテレビに繋がっているHDDに残っていたのですが、これは数年前に録画したものと思います。(消さないように、しっかり保護してますがw)HDDもすぐいっぱいになってしまうので時間があるときに整理したいですが、保護されてる映画や番組がいっぱいあるのであまり減らすことが出来ないかも・・・。困っちゃうなぁ。

新年を迎えて、HDDを新しくするというのも良いかも知れませんね。

とにかく2019年のスタートです。ということで当ブログはひさびさに『蛇拳』でスタートしました。また、時間があればブログも少し書いてみたいと思います。

今年一年どうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

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アジアの英雄

2017-08-17 22:45:04 | ドキュメンタリー

久々にBSでブルース・リーの映像が放送されますね。
テレビで放送されるときはドキュメンタリーとか多いのですが、こちらは御存知モノクロのロスト・インタビューです。


放送日は土曜日のようですのでファンは要チェック!

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92899/2899058/index.html

このインタビューは好きでよく見ていましたね。今回映像の世紀という番組の6回目だそうです。さすがブルース・リーですね! 

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