電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

郭南宏マニアックス・リターンズ

2016-03-13 17:59:30 | 未整理

昨年、台北で「百變導演郭南宏六十年電影路」と題して、郭南宏先生の映画上映会と、展覧会の2つのイベントが開催されました。

題、その名の通り監督が19才で映画界に入ってから60年。それを記念しての一大イベントだったようですね。

そして上映作品も『鐵三角』、『一代忠良』、「ドラゴン太極拳」、『童子功』(これはショウブラ!!)
など超豪華なラインナップで監督の数々の輝かしい作品がいくつも上映されました。

全36頁のパンフレット閲覧はこちら

↑を見ると、本当に物凄い内容で圧倒されます。
最近はこのように出版物の閲覧も電子化されたりして進歩しており、tumblrを使い(私もたまに利用してます!)許可された写真をFB、twitterなどSNSへ簡単にシェア出来る仕組みが用意されています。

ご本人も自ら率先してイベントに参加、登壇されていました。ご高齢でも元気な姿を見せていたクオさん。こうした記念イベントでクローズアップされたりすると、改めて尊敬する郭南宏先生の作品群に敬意を表したい気持ちが強くなります。

テレビで自ら説明をする郭南宏先生

日本では「少林寺への道」をはじめとする一部のカーター・ワン主演作品に留まってしまっていますが
あまり知られていない作品も心臓の弱い私でも安心して観ていられる映画ばかりですからもっと広まって欲しいですね。

青春映画や初期の武侠片などに出ていた若い頃の田鵬を見たあとに、例えば「少林寺十八銅人」を見たりすると田鵬が本当に成長した姿が見れたりしてうれしくなります!

今回、新たな又名、別タイトルも判明し、海報もいくつか追加しました(これでほぼ揃いました!)。では、行きますよ。郭南宏マニアックス・リターンズ!!


(1)『一代劍王』The Swordsman of All Swordsmen 68年製作 聯邦影業 上官霊鳳、田鵬
 やっぱり最初はコレ!

(2)『絶代[金票]王』Superior Darter 69年製作 新華影業 楊群、張清清  

(3)『劍王之王』King of Kings 69年 楊群、張清清

(4)『劍王子』(又名:萬劍之王、飛燕金刀)Son of Swordsman 70年 新華影業 楊群、張清清

 ちょっとタッチが違います

(―)『盲女勾魂劍』The Seisure Soul Sword of a Blind Devil 70年製作 辛奇監督 宏華 張清清
 
今回、公式から洩れてしまっていた事で気が付いたのですが、これは辛奇が監督した作品となっていましたので連番のカウントからは外します(郭南宏は脚本やプロデュ―サーとして参加しています)。

(5)『鬼見愁』(又名:萬王之劍)Sorrowful to a Ghost 70年製作 宏華 張清清
なぜか公司名が宏華ではない!?

そして、なんと萬王之劍バージョンが存在!!

 これは凄い!

イベントのパンフレットには、なぜか公司名の記載が無いです。やっぱりこの辺りは謎なのでしょうか。


(6)『劍女幽魂』Mission Impossible 70年製作 邵氏 井莉

(7)『五鬼奪魂』(又名:大侠史艶文)The Five Devil Ghost 71年 宏華 江南

(8)『百忍道場』The ghost's sword 71年製作 宏華 江南(台湾71/7/30公開)

 「鬼見愁」続編!

(9)『鬼門太極』Evil Karate 71年製作 宏華 張清清

台湾71/9/16公開

(10)『獨霸天下』The Matchless Conqueror 71年製作 宏華 燕南希 (台湾71/12/22公開)

(11)『童子功』The Mighty One 71年製作 邵氏 凌波

(12)『惡報』(又名:『單刀赴會』)The Death Duel 72年製作 宏華 江南(台湾71/12/22公開)

(13)「鉄三角との決闘」『鐵三角』Triangular Duel 72年製作 郭氏 聞江龍(台湾72/11/18公開)

(14)「中国鉄人」『中國鐵人』Chinese Iron Man 72年製作 郭氏 聞江龍

(15)「リキシャクリ」『大車[イ夫]』Rikisha Kuri 73年製作 郭氏 聞江龍(台湾73/12/20公開)

(16)『少林功夫』Shaolin Kung Fu  74年製作 郭氏 聞江龍(台湾74/4/21公開)


(17)『手金剛』Deadly Fists Kung Fu 74年製作 郭氏 聞江龍

台湾公開74/5/21

(18)「怒れドラゴン」『廣東好漢』Hero of Kwangtong 74年製作 郭氏 聞江龍 ※TV放送のみ

(19)『少林寺十八銅人』(75年台湾公開のオリジナル版。再編集した83年版「少林寺への道」とは別。)The 18 Bronzemen 75年製作 宏華 黄家達 台湾公開75/12/31 ※国内DVD発売(日本語音声あり)

(20)『少林小子』The Shaolin Kids  76年製作 宏華 上官霊鳳

台湾題『一代忠良』76/2/13公開

(21)「少林寺への道2」『雍正大破十八銅人』 Return of the 18 Bronzemen 76年製作 宏華 黄家達(台湾76/8/14公開) ※国内DVD発売

(22)「少林寺への道3」『八大門派』 The 8 Masters 76年製作 宏華 黄家達 ※国内VHS発売

台湾公開76/12/31

(23)「少林寺炎上」『火燒少林寺』The Blazing Temple 76年製作 宏華 黄家達 ※国内DVD発売

台湾公開77/3/5

(24)『鬼馬大侠』 The Cavalier 77年製作 宏華 司馬龍

台湾題『大侠客』78/1/7公開

(25)「ドラゴン太極拳」Born Invincible77年製作 宏華 黄家達 台湾公開78/3/16 ※TV放送のみ

台湾題『先天氣功』、香港題『太極元功』(初名:『太極氣功』)

(26)『湘西劍火幽魂』Legend of the Living Corpse 

※オリジナル作品の考察についてはこちら

 

(27)「ザ・セブン・グランド・マスター」『絶拳』(台湾『虎豹龍蛇鷹』78/11/23公開)The 7 Grandmasters 78年製作 宏華 李藝民

(28)『洪拳鐵橋三』(又名:『洪拳大師』)78年 宏華 劉家勇 黄正利


(29)「ドラゴンズ・クロウ」『五爪十八翻』(又名:『[虫禽][虫渠]散手』、台湾79/6/14公開)Dragon's Claws 79年製作 宏華 劉家勇 黄正利


(28)「オールドマスター」『師父出馬』(台湾『師父出頭』79/11/2公開)The Old Master 79年製作 宏華 于占元

 北野監督じゃありません!(本当にカンフーやったら面白いけど笑。)

※香港ではOKでしたが、台湾では既に師父出馬という作品が出ていたので師父”出頭”になったというお話・・。日本語だと出馬と出頭では随分意味が違いますね!!

(30)「ドランクマスター酒仙拳」『酒仙十八跌』(台湾『酒仙大醉龍』79/11/11公開)World of the Drunken Master 79年製作 宏華 袁小田 ※国内DVD発売(日本語音声あり)

 

(31)『雙馬連環』 The Mystery of Chess Boxing 79年製作 宏華 李藝民

(32)『迷拳三十六招』 (又名:)The 36 Deadly Styles 80年製作 宏華 黄正利

(33)『武當二十八奇』 (台湾題『石人關十八奇』)The Unbeaten 28 81年製作 宏華 孟飛 

(34)「逆襲!!少林寺必殺拳」『河南嵩山少林寺』Shaolin Temple Strikes Back 81年製作 宏華 陳建昌 ※国内VHS発売

 

 

最後は前回省略してしまった「少林寺必殺拳」を追加してみました。(初期の楊群作品なども。実はDVDでいつも見てたのです。)今回紹介しました作品は全35作品(文芸除く)となりましたが、監督した本数だけでこれだけあります。ポスターは見ているだけでも楽しくなりますね!!(毎度ながら記事中、間違っている箇所等ありましたらご一報いただけると助かります)

昨年オープンした公式サイト、そのメニューの中の1つに”作品年表”という項目があります。 この文芸作品を含むジョセフ・クオ作品の歴史をスムーズに振り返ることが出来るネット・ナビは圧巻でした!!今年はもうイベントなどは無いのでしょうか。こんなに胸が熱くなったのは本当に久しぶりの事です!

こんなに日本人にピッタリ来る作品群は無いと思うのですが、なかなかストレス無く快適なレベルでは見れず、そんな状況が続いています。どれも魅力たっぷりの映画ばかりですので、今後どれか1つでもいいので国内ソフトをリリースしていってもらいたいものですね。(有料ネット配信は出来れば避けたいところ。)

今回見ました新しいインタビュー映像などを見ても、いつも必ず出てくる「少林寺への道」劇場公開時の日比谷映画の話が出てきます(笑)。日本のマーケットへ売り込んだ事がいつまでも記憶に残るほど非常に大きく(再編集したのは有名な話・・)そして製作側としてはビッグマネーを得る相当なチャンスだったことが窺えます。配給はヘラルドだったと思いますが東宝の国際部長の話とか再編集についての話、帝国ホテルでの記者会見など最後には当時のパンフの中身数ページまで映像に流れました。こうした内容を語ってもらえるのは嬉しくなりますね。ただそういった当時の人気や流行も消えてしまって今や日本人の好みも変わってしまい、少し残念な気持ちになります・・。

郭南宏作品についてはまだいくつか未整理事項が残っていますので、今後の課題としたいと思います。終

 

※海報は全てサンプルです。オリジナルではありません。 

コメント
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