電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

手がのびる映画

2010-09-30 20:23:21 | 邵氏電影
先日のカンフー対ヨガの一風変わった映画『老鼠拉龜』記事中にあった手が伸びる画像ですが、実はこれが71年の郭南宏監督作品『剣女幽魂』という映画からのものでした。邵氏の映画でしたけどなぜか天映娯楽からは未リリースでどうなっちゃったのかなと思うのですが、現在でもなんとか協和影視のビデオなどで視聴可能となっています。


協和影視版 焼き付け中英文字幕入りがうれしい


最近自分の時間がとれなくて本編の一部を少し見ただけでありますが、あの手がのび〜る画像があまりにも衝撃的だったので、とりあえずそのシーンはどこかなと探してみるとー、あった。ありました!(あ〜よかった。安心。安心 )
手の長~い蔡弘さん。

71年の公開当時は、ノラミャオの『鬼流星』とかちょっとオカルトっぽい武侠片も公開されていたので流行っていたんでしょうか。(『剣女幽魂』そのものは69年秋ぐらいから70年にかけて製作していた模様。なぜか公開が1年遅れた。。流行っていたから香港で公開されたのかも知れませんが。)
ほかにも邵氏の郭南宏作品では『童子功』があります。こちらは香港では上映されず郭監督も『剣女幽魂』がなかなか香港での公開が決まらず挙げ句の果て次の映画『童子功』は公開されなかったのでちょっと哀れでした。

そういえば、『童子功』ってカメラマンにも注目ですね。以前”まぜるなきけん”のせんきちさんがブログで日本人カメラマン・中條伸太郎に焦点を当てた素晴らしい記事を書かれていましたが中條伸太郎氏が70年代に郭監督のカメラマンを務めていたそうです。『童子功』では鍾申郎名義ですが、『剣女幽魂』のカメラマンは別の人だったので『童子功』がもしかしたら最初なのかも知れませんね。

話を『剣女〜』に戻すと、ひとつ疑問だったのはなぜあんなビックリ仰天するような演出を入れ込んだのか?というお話。たぶんこれは監督の発想なのだと思っていましたが、いまから300年ほど前の清代の小説でが作者の蒲松齢が伝え聞いた400本以上の短編を寄せ集めた『聊齋志異』(映画化されたものではキン・フーの『侠女』やジョイ・ウォンの代表作『チャイニーズゴーストストーリー』などが有名ですね。)に出てくるような妖怪や幽霊の物語がベースとなっているようです。この小説の凄いところは幽霊が出てくる物語でありながら人情があってあまり恐怖を感じさせない点です。これが時代劇ならどこかしら影響が見られると思います。
この映画が作られた70年代初頭、これ以前の武侠作品にも聊齋志異的ストーリーを持った作品の兆候が見られるのかも知れません。のちに田鵬が監督した『南侠展昭』(75)とかも南山宏じゃなかった(笑)、郭南宏の影響を受けていそうな感じがして田鵬主演の台湾作品などでもこんな映画が作られているので一連の作品を見ていくと大変面白いかと思います。(この稿、未完。)


余談ですが、『剣女〜』の英語タイトルはMission Impossible.でした。
そうなのです。これは洋画の「ミッション・インポッシブル」と同じタイトルです。(ちなみに中文では『職業特攻隊』というらしい。来年パート4が全米公開予定とか。)ようするに御存知「スパイ大作戦」と何か関連することはないかと久々に「ミッション〜」のパンフをめくってみると面白いなと思う記述がありました。それは“「スパイ大作戦」のアイデアは犯罪映画「トプカピ」(64)を参考にしている”という記述。これはジョン・ウーが『M:I−2』で見せていたものにつながります。『剣女〜』がスパイ大作戦からヒントを得ていたのか謎でありますが、確かに金龍寶剣という宝剣が登場しています。この映画の監督郭南宏も偉大な盗寶片の影響を受けている可能性があるのではないでしょうか。
それに、そもそもどうしてジョンウーが『M:I−2』を監督することになったのかについてはどこの書物にも書いてなくてアレですが、やっぱりこっちもトム・クルーズがオファーしたのかな??
・・・ということで前置きが長くなりましたけど(笑)、次回のお知らせを。
次回はジョン・ウー監督が作った79年の武侠映画『豪侠』を取り上げる予定でいます。
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醒目仔蠱惑招

2010-09-14 00:31:25 | 七十年代作品【1979】


   シン ムー ズー グー フオ ジャオ
原題 醒目仔蠱惑招              The Kung Fu Master
                       『プロジェクトD(デブゴン)』(ビデオ)
公開日 1979/1/26(金)         2,072,922HK$ 1979年度第17位
                     第一影業機構/威權影業公司作品
スタッフ&キャスト

監督/脚本 張同祖 (ジョセフ・チェン)

出演   董瑋(トン・ワイ)
     洪金寶(サモ・ハン・キンポー)
     黄杏秀(セシリア・ウォン)
     李海生(リー・ホイサン)

解説
日本で放送されたTVドラマ「香港カンフー・ドラゴン少林寺」で方世玉役をつとめたトン・ワイ主演のカンフー映画(共演はサモ・ハン・キンポーほか)。TVでは当時人気のあったサモ・ハン・キンポーのシリーズ映画として扱われ「燃えよデブゴン9」のタイトルで放送された。(ビデオのタイトルは「サモ・ハン・キンポーのプロジェクトD(デブゴン)」。)製作はファースト・フィルムズと威權影業の両プロダクション合同で行われた。サモ・ハン・キンポーがファースト・フィルムズ社に直接関わることは珍しく出演作は殆どない。この映画では詠春拳と五形拳という2つの流派をそれぞれ2つの道場で主人公に教える設定となっているが、その武術指導を洪家班が行った。洪家班という名前の武術指導グループはこの映画で初めて登場している(一員のラム・チェンインはカメオ出演)。

ストーリー
兄・李振飛(黄哈)と弟・李振鵬(陳龍)の兄弟の前に、村の暴れ者・通称”赤鬼”の楊威(李海生)が現れた。この村には大きな2つの流派があり、兄は詠春拳、弟は五形拳の流派だった。李兄弟は赤鬼を懲らしめ村長から礼を言われるが、2つの流派のどちらを支持するのかと回りの連中がケンカをし始め、ついには兄弟は縁を切ってしまった。兄の道場・振飛武館には娘の青青(黄杏秀)、弟の道場・振鵬武館には息子・小海(孟海)がおり、門下生を指導していた。ある日、大富豪の田峯(高飛)という人物からそれぞれの道場に手紙が届く。小狗(鍾發)と大狗(大細眼)の2人を道場に2年間入門させてほしいという。道場に送り込まれたこの2人。実は流派の秘術を盗むスパイだった。米屋で働く”功夫精”ことチェン(トン・ワイ)は、何よりもカンフーが大好きで能天気な青年。いつも米屋の店主に叱られていた。酒屋の肥仔(洪金寶)は叔父を探していたが、偶然知り合ったチェンと賭け事などして遊ぶようになった。米屋のチェンは道場にも顔を出す。しかし小狗たちとドタバタしているうちに大事な店の米を無くしてクビに。そこでカンフーを習うことにするが、どちらの流派に入門するか悩み肥仔に相談する。すると、肥仔は食べ物と一緒だという。「肉が好きなものもいるし、魚が好きな者もいる。食べられるものは何でも食べる。好き嫌いはしない。」と。酒屋で働きながらチェンは詠春拳と五形拳の両方に入門することに。但しそれは禁じ手だった。1年後、チェンは師匠に呼ばれ手合わせすると相手の流派の技を使ってボロを出してしまう。弁解しても受け入れてもらえず結局両方の道場を破門され落ち込むチェン。肥仔に話すと、カンフーを教えてくれると言う。こうして特訓がはじまった。肥仔の厳しい修行で上達したチェンはケンカ相手の小狗たちを難なく蹴散らした。仕返しに酒屋に来た無敵の槍使い・馬如龍(恵天賜)も歯が立たず、あえなく退散。そこに李兄弟を峠に誘き出し、3年前の恨みを晴らそうとする人物がいた。実は道場にスパイを送り込んだのは”赤鬼”楊の弟の仕業だった・・。



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「燃えよデブゴン9」  1988/5/26(木) 26:55~フジテレビ

久しぶりにオンエア版(英語のマスターと思われる)を見てみると、
既存アイデアを使って例えば木人拳に登場していた油を使うワザとかうまく発展させていましたね。
編集に関しては国内の広東語ビデオではサモハン登場まで15分以上かかっていたので
先にサモハン登場シーンを持ってきて、あとから2人兄弟の道場の場面が出てくる展開・・・という編集がされていた事が判かりました。(”燃えよデブゴン”を謳っていたからでしょうか?)
この編集の方が、サモハン好きな方にはうれしい編集だと思います。

他に気付いた点、調べた事などをメモっておきます。
・北京語と広東語版では似ているが英語版(The incredible kung fu master)とはBGMが一部異なる。
・国内ビデオの終わりは珍しく”FIN”となぜか仏語。。BGMが多少ヨーロピアンな感じ(イタリアなど)なのはそのせいだろうか?
香港上映プリント(?)や英語版では"THE END"となっていた。
・タイトルについて。台湾の書籍によれば、やはり『肥龍功夫精』というのは台湾公開時のもので正しかった。79年の7月公開だった為、香港より半年遅く公開されたことになる。
 
これは香港のタイトル(special thanks to atoc)

この映画でのサモハンの役名は北京語、広東語でそれぞれで異なっていて、広東語での呼び名・肥仔をストーリーに記載しました(北京語では肥寶または大胖子)。要するに、”デブゴン”ということになりますね(笑)。
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點指兵兵

2010-09-13 00:37:32 | 七十年代作品【1979】



   ディエン ジー ビン ビン
原題 點指兵兵              Cops and Robbers
                       『香港極道 警察<サツ>』(ビデオ)
公開日 1979/11/6(火)         3,497,812HK$ 1979年度第6位
                    藝高娯楽公司/珠城製片有限公司作品
スタッフ&キャスト
監督/脚本 章國明(アレックス・チャン)

出演 王鍾(ウォン・チャン)
    張國強(チャン・コクケン)
    金興賢(カム・ヒンイン)
    劉詩棣(ラウ・シーダイ)

解説
新浪潮電影(香港ニューウェーブ作品)と言われる1本で、そのニューウェーブ監督の一人、アレックス・チャンの刑事ドラマ作品。テディ・ロビンが音楽を担当し音楽以外にも脚本、プロデューサーまで務めた。88年には同じアレックス監督とテディで『點指賊賊』も製作した。 国内では「香港極道 警察<サツ>」の他にアレックス作品では「スター・フォース 未知との遭遇」(DVD)がリリースされている。主演のウォン・チャンは、70年代に『憤怒青年』などショウブラザーズ(SB)作品に多数出演、活躍した。73年にSBで撮った『警察』にも主演しており、アレックス監督の『點指兵兵』に出演したのち『金手指』(80)を自ら監督することとなり、以降、刑事ものを同SBで監督するようになった。

ストーリー
鬼警部と呼ばれた陳立基(王鍾)、警部捜査主任の周(金興賢)、新米刑事・ウィン(張國強)ら刑事たちは香港の街で起こる凶悪犯罪に立ち向かう。ある夜、養鶏場の側で事件が起こった。それは拳銃を奪うため警官を待ち伏せして襲撃するという3人組の犯行だった。目つきの悪い主犯の1人、ビリー(許炳森)は銃が好きでたまらない性分で刑事に憧れていたが試験にパスできなかった事で警察を恨むようになっていたのだった。次に3人組は銀行を襲う計画を立てた。ヒゲを生やした仲間の男を車で待機させ現金を強奪、警官も1人射殺した。ヒゲの男は路上で新聞売りに顔を見られてしまう。ヒゲ男を追跡するうちに犯人たちの目星がついた刑事たちは主任の指揮のもと早朝、犯人を捕まえるべく強行捜査に踏み切った。犯人を発見し逮捕したが、1人逃亡してあと1歩のところで捕り逃がした。しかし、陳の上司らは事件はほぼ解決したとみて、テレビで記者会見させてしまう。仕事を終えバーでくつろぐ刑事たち。翌日、公園で陳の一人息子を人質として狙う人物がいた・・・。



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現代アクションということで香港の当時の流行、ファッション、世相などがよく分かる。(刑事ドラマはやっぱりは街を走らなきゃ(笑。)
ウォン・チャンのベテラン刑事の演技は演出かも知れないが聞き込みなんかもお手のものって感じで面白い場面もある。それから刑事が良く似合う元警官フィリップ・チャンもちらっとゲストで登場するのも見どころかも!(ホンモノだとそれっぽくてビシっ!となります)
ニューウェーブ監督アレックス・チャンはこの刑事、犯罪アクションの映画をヒットさせたのだから凄いと思う。
現在ブックオフなどで格安で入手可能だが、日本語音声で視聴できるのはとてもお得である。なぜなら王青の兄・ウォン・チャンは青野武氏による吹替えであり主任の刑事(カム・ヒンイン)もガンダム好きなら聞き覚えのある声であるはず。(パッケージ表記の声優は間違っていましたけどね・・。)
なお、この映画を製作した会社の1つ珠城公司は現在もDVDをリリースしているようでこの映画もDVDを出しています。 
パールシティURL http://www.pearlcity.com.hk/


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1979年度香港票房未記載リスト

2010-09-12 00:10:50 | その他・研究
整理中の79年票房リストはこちら(某資料より引用)

後年になり、突如として公開されるケースもありますが、票房記録がない場合は香港で公開されていない可能性が高いと思います(台湾作品含む)

下記のリストはそういった作品の一覧になります。当然興収は不明ですので順位はわかりません。とりあえず分かったものから少しずつ書いてみます。
※随時更新予定

みなさんからの情報もお待ちしています。(79年に製作または公開されたと思われる作品で上記のリスト100本に載っていないもの)

(参考)台湾の79年リスト

現在までに判明している「未記載リスト」はココ

以下、シフトJISコード版メモ
【1979年度】
No.タイトル          推定される理由等  記入日
----------------------------------------------------------------
1.三十六迷形拳        不明        9/12
2.The yoga and kung fu girl 台湾作品      9/12


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ユーチューブの無料で視聴できる映画

2010-09-11 20:30:34 | ニュース
土曜日のきょう、こんな記事を見ました。
http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/r25-20100901-00003455.html
記事によれば、YOUTUBEがSony Picturesなどの映画会社と契約して
ノーカットで映画を配信、これにより無料で映画が視聴できるそうです。

よく映画会社の方もこの様な契約したと思うのですが、
あたまに広告(CM)が入りますが無料で視聴できるなら有難いものです。
(いくら払っているのか気にはなりますが・・。)

今後視聴できるタイトルが増えたり、現在字幕などはありませんので将来的には字幕が入ったりすると更にうれしいですね。(CMでは映画館のような”シネ・フォント”が使われたりしています!)

作者(ID)がcrazedigitalmovies となっている動画(基本的にはすべて英語音声)が洋画を含めて9/11現在、162本といっぱいあるので探すのが大変ですが、いくつかをピックアップしてみました。下記を参照ください.(他の作者でも以前からアップされていたampopfilmsも追加されたようです)

・ジャッキー・チェン主演映画(国によっては「笑拳」も見れるのかも??)
「スパルタンX」
http://www.youtube.com/watch?v=SgOtOHUcjAM

「ドラゴン特攻隊」
http://www.youtube.com/watch?v=bh3YnkYoQos

・未公開カンフー映画
Duel Of The Dragons 『奇門怪拳』 (79)
http://www.youtube.com/watch?v=75Xk-dd8-9k

36 Crazy Fists『三十六迷形拳』(79)
http://www.youtube.com/watch?v=uc4BKwc_8MQ

・邦画(英語音声)
Blood Fight (Final Fight)倉田保昭「ファイナル・ファイト 」(89)
http://www.youtube.com/watch?v=iAows6C7b60
Return of the Street Fighter 千葉真一「殺人拳2」(74)
http://www.youtube.com/watch?v=pHYC2wIx0e0

Dragon Princess 志穂美悦子「必殺女拳士」(76)
http://www.youtube.com/watch?v=RzDsZjfAB10




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老鼠拉龜

2010-09-10 00:47:41 | 七十年代作品【1979】


   ラオ シュー ラー グイ
原題 老鼠拉龜        Kung Fu vs. Yoga

公開日 1979/6/21(木)         張氏兄弟影業公司作品
                    93,315HK$ 1979年度第100位
スタッフ&キャスト
監督 陳全 (チェン・チュエン)

出演 錢月笙(チン・ユーサン)
徐忠信(アラン・シュー)
兜巴星(ドウバー・シン)
米雪(ミシェール・イム)

解説
武術指導家として知られ、83年に「ジャッキー・チェンの醒拳」(龍騰虎躍)を監督した陳全の監督進出第1作。ヨガを取り入れたアクションを売り文句にした79年のカンフー映画の異色作である。(他にもヨガを扱った作品には『Yoga and the Kung Fu Girl』(79)などがある。)原題の”老鼠拉龜”とは中国のことわざ(ひっこめた亀の手足をネズミは引っ張ることが出来ない。)で、どうすることも出来ないの意と思われる。日本劇場未公開。

ストーリー
カンフー使いの青年タイガー(錢月笙)とその相棒のウーシン(徐忠信)は仲のいいズッコケ・コンビ。カンフーの練習もいつも2人で練習して日々を過ごしていた。ある日、2人は町へ出かけ、叔父の経営する陶器店へ。陶器を使ってパフォーマンスを見せるとたちまち人だかりで店は繁盛した。気をよくしたタイガーは、町の悪人退治をする事にした。ブラインド・スネークは薬の悪徳商売をしていた。タイガーは深夜、彼のアジトへ忍び込み、彼等を壊滅させるのだった。
次の日、町で武術大会が開かれた。主催者は優勝者には娘のティン(米雪)と結婚させるつもりでいたがタイガーは難なく相手を倒し、コンテストに優勝する。しかしティンはタイガーを好きにはなれない。そこでティンは結婚の条件として、かぐや姫のように無理難題を押し付けるのだった。それは”カンフー秘伝書”、”売春婦のジェード”、”印度神油商人のルビー”の3つの宝物を手に入れたら結婚するというものだった。ウーシンと協力しながら次々と宝を手に入れるタイガー。ついに最後のルビーを手にするためインドのヨガ・マスターのもとへ。頭に付いたルビーが最終目的だ。これさえ手に入れればティンと結婚出来る。しかし相手は滅法強く、ヨガ拳法の前に2度敗れてしまう。果たして3度目の挑戦で彼等が取った作戦とは・・・!?



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老鼠拉龜 又名:瑜珈功夫

ヨガのカンフー映画ってことで、以前から興味があった作品でした。
私の中では永遠の格ゲー「ストII」(1991capcom)からヨガ・マスター”ダルシム”の事をどうしても思い出してしまっていましたけど、香港映画ともマッチしますね。 でもゲームと映画は違いますけどね。

チン・ユーサンの主演映画なんて初めて見ましたが、今まで散々やられる場面しか見てこなかっただけに主役とはまったく似合わないなぁ。(誰かに「たまにはやってみろよ!」なんて言われてたら面白いですね(笑。)
それにしてもアラン・シューのアクションはパーフェクトっす。
(この人本人がアクションやったらキレがあって本当にしびれますね)
とにかく前半からスピーディに進行していきます。終始飽きさせない作りは陳全によるところが大きいと思いますが、キョンシー的アクションも取り入れた目の見えない陳全戦とか見事でしたし、続く見せ場の山怪やフォン・ハックオンのオカマ拳法など、間にはジャッキーの元カノ米雪ちゃんも入れてポイント高かったですぞ(『三十六迷形拳』と同時期だと思いますけど、彼女とてもきれいでしたね)。そしてヨガマスター戦へと続いていく構成配置はうまいとしか言いようがなかったですね。

ヨガマスターの手足がのび〜る、のび〜る(笑)。
(そういえば手が伸びる映画なら、こんなのもありますね。そもそも何からヒントを得たのだろう??実際に観てみなくては!)


ちなみに、この映画を作ったのはポール・チャンの会社でフー・チンさんが出品人!!
(このお2人、70年代に結婚し当時はまだ夫婦だったのです)ポール・チャンはしっかり米雪ちゃんの父親役で出演しております。(張氏兄弟ってあと誰だっけ?)

英語のタイトル通りヨガ拳法が売りの『老鼠拉龜』ですが、このおもしろさで79年度最下位のワースト記録とはとても信じられないのですが、まるで格闘ゲームのような展開で十分面白かったので興味のある方は是非このダルシム・ファイトをご堪能ください。

【参考】
米雪ミシェル・イム公式フィルモグラフィー(フォトギャラリーも必見!)
http://www.michelleclan.com/movies.html
(彼女はなんでイムかと思ったら本名がイム姓なのでした)
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絶代雙驕

2010-09-06 01:41:41 | 七十年代作品【1979】



ジュエ ダイ シュアン ジャオ
原題 絕代雙驕 The proud twins
公開日 1979/7/19(木) 邵氏兄弟影業公司作品
4,009,486HK$ 1979年度第4位

スタッフ&キャスト
監督   楚原 (チョー・ヤン)

原作 古龍(グー・ロン)

出演 傅聲(アレクサンダー・フー・シェン)
   伍衛國(ウー・ウェイグオ)
   文雪兒(キャンディー・ウェン)
   歐陽珮珊 (オーヤン・プイシャン)

解説
江湖で別々の環境で育てられ生き別れとなってしまった双子の兄弟の運命を描く
アレクサンダー・フー・シェンが主演した79年の武侠映画。
楚原(チョー・ヤン)の99本目の監督作品に当たる。(100本目は『魔劍侠情』)
92年のアンディ・ラウ版など過去、数多く映画化、テレビドラマ化されており
古龍原作の「絶代雙驕」の人気が高いことが証明されている。
日本では2008年「マーベラス・ツインズ」として翻訳、小説化され
コミックなども発売された。(小説発売元の『信長の野望』『三國志』シリーズで有名な
KOEIからは声優を使ったCDドラマなども制作されている。)

ストーリー
繍玉谷にある聖地・移花宮は男子禁制だが武術の名門である。天下一の美男子・江楓(石崗)と宮女の花月奴は恋に落ち、逃亡を決心するが冷酷な宮主・邀月(孟秋)によって死に追いやられてしまう。江楓と月奴の間には双子が生まれていたが、残された双子の赤子は生き別れとなってしまう。その後、江楓と義兄弟で剣術の達人・燕南天(王戎)は赤子の一人を抱えて、江楓の復讐のため十大惡人たちの住む惡人谷へと向かった。
燕は惡人谷で白開心(林輝煌)ら十大惡人に斬られてしまう。そこに長老・万春流(井)が現れ赤子は燕の代わりに惡人谷で育てられた。十数年後、成長した小魚兒こと江小魚(傅声)は江琴(唐菁)を探す旅に出る。村で鉄心蘭(文雪兒)と知り合ったり、敵か味方か分からない慕容菁(歐陽珮珊)と接触し、ついに移花宮で邀月に育てられ武術の達人に成長していた花無缺(伍衛國)と対決することになった。江琴と息子の江玉郎(顧冠忠)も現れ、いつしか敵対することも無くなっていく双子の兄弟。小魚と無缺の二人は共に戦い、両親の仇を討つと誓った・・。

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今回の『絶代雙驕』。邵氏では実は79年版以前にも同じ題材が作られています。(71年の『玉面侠』がそれ。)こちらは厳俊監督版ということになりますが、脚本をあの黄楓が担当していたのす。こちらは未見ですが、この厳俊版『絶代雙驕』と楚原版『絶代雙驕』を見比べてみると面白いのではないかと思います。

ちなみに小説に『マーベラス・ツインズ』シリーズがありますが、このシリーズは日本で初めて翻訳された”絶代雙驕”なのであります。併せて分かりづらい用語なども丁寧に解説されていて翻訳した川合章子氏に拍手を送りたいですね。とても読みやすくなっているので興味がある方にはこちらをおすすめしたいと思います。

79年版の感想としては、文雪兒はまたしても相手には男だと思われている男勝りの女性の役を演じていたのが印象的(最初のところ)。全体的にはフー・シェンのコミカルな演技が好感触でした。フーシェンが秘孔を突くシーンなんかも登場します(笑)。この映画はフー・シェン一人で成り立ってますが、これが79年第4位と高順位だったのも何となく分かるような気がしました。
尚、歐陽珮珊が演じた登場人物”慕容菁”は原作では慕容九妹と張菁の2人に分かれていてそれを1人に合体させたと思われます。登場人物が多いのも考えものなのかも知れません。

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胡錦(フー・チン)

2010-09-03 01:28:27 | その他・研究
ここのところ数日は携帯プレイヤーwizpyで先日の「スカイハイ日本語版」を通勤途中などに楽しんでいますが、やっと便利なソフトを見つけたので本文の前にまずはこちらをご紹介しておきます。


ちなみにwizpyはTurbo Linux内蔵。PCにつなげばリナックスが立ち上がる。(販売終了。在庫のみ)

このプレイヤーで映像を見るためにはflv形式のファイルをavi形式にする必要がありますが、これを簡単に実現してくれるのが"Any FLV Player"だ。
有料版のAny FLV player proに付属する変換ツールの機能を使えば好みのコーデックやフレームレート、サイズで様々なファイル形式に変更できるのです。これはとても便利で面倒な手順を踏まずにダイレクトに変換できます。

驚いたのは、サイズの指定が自分の好きなサイズで入力できたこと。wizpyで再生するにはビデオのサイズが168×128の固定サイズである必要がありますが、あらかじめ用意されていたいくつかの選択肢には希望のサイズが無く困っていたところ、直接縦横の数値を変更できることが分かってビックリ。実際に指定したサイズでちゃんと変換できたんです。FLVの再生もなめらかで安定していて本当に素晴らしいソフトです。(フラッシュビデオの時代には必須のソフト!)
出来上がったらファイルを本体へ転送しておきます。これでいつでもどこでも見れちゃいます。

無料版はこちら


ここから本文です。
今回の記事は女優フー・チンについて少々。

彼女の公式サイトにはポスターギャラリーがあります。 こちら
(フォト・ギャラリーでは”李翰祥電影回顧展”も見れますよん。劉家輝も顔出してます)

【参考】李翰祥電影回顧展の動画はこちら。汪萍にティ・ロン、谷峰、シルビア・チャン、米雪などなど。
フー・チンも数年前とは言え、まだまだ活躍しているんですね~。

ポスターギャラリーの下に文字でフー・チン出演作品が書いてありますね。
しっかり、『過客』や『過客與雙艷』なんて記述も見られます(もっとも両者は同じ作品と思いますが)。
年度の表記は違っているもののその殆どが70年代の作品でしょうね。
彼女は大手の邵氏&嘉禾作品に出演したり他にもホントに多くの会社を渡り歩いていたことを思うと、やはりフー・チンは70年代を代表する女優の一人なのだなぁと改めて思う。

電影演出:2つに分かれている上段の方がどうも気になってしまう・・。(下段は問題外)
どこから出たか分かりませんが、順序性がかなりまともで本当にきれいに並んでいるような・・??(この羅列をじっと見ているとクラクラっと来てしまうんです)

ジャッキーとの共演作も当然ながらある。
『金瓶梅』 もその1つだ。
これが劇場公開版である。 (スカイハイと同じ年に公開されている)


この映画で最初に登場するのはもちろんジャッキー・チェンである。
(勿論、これを劇場で見た人も残念ながらジャッキーだとはまだ誰も知らない頃のお話。。。)梨を売り歩いてました。

フー・チンはジャッキーよりも年上ですが、リーハンシャンに気に入られていたのかまぁよく出演したもんです。


他にも上記のフィルモには記載が無かったがジャッキーとの共演作ではやはりこれが思い出されますね。
それは大地影業公司の『女警察』こと『ヤングタイガー』です。(タイトルが何度か変更され混乱してしまう、・・・というか最初に出た時のビデオ題”ヤングタイガー”を尊重してます)
この頃からジャッキーのことだって良く知っていたと思うのですが、やっぱり73~74年前後の彼女が好きですね。

ただ、このオリジナルの73年版『女警察』はまったく見られない。いつも改変後の『師哥出馬』ばかり。
功夫に厭きたときは、やっぱり現代劇ですかね。
コメント (2)
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