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日本では2008年のハーベスト作品DVD発売ラッシュでは未発売に終わりましたが、Joysalesからの発売もされましたので御存知の方も多いと思います。
王天林監督とハーベストの関係というと縁が無さそうに思えます。後に監督が「燃えよドラゴン」にも出演したりしていた事も考えると、レイモンド・チョウとの友好関係とも思えますね。
タイトルの『追撃』ですがこれだけでは何を追撃するのか分かりません。
二十年程前、CSで放送された時の題名は「血の剣」でした。これで風がわりな剣が登場する武侠片なのかと思うことでしょう。
どうでしょうか?こんなタイトルが付けられていたと知っただけでも多少は面白そうだと感じたりしませんか。
実際のストーリーはこんな感じになります。
主人公・石海龍(田俊)は、”血の剣”という名を持つ秘剣を持っていた。人々から狙われるが誰にも触らせない。この剣は父親の死の謎を解くカギとなる剣だったのだ。
実はこの剣は2本あり、もう一本は行方知らずで石はこのもう片方の剣を探す旅に出た。
どうやら天龍幇の頭主ハン・イチュという男が謎を握っているらしい。
石の持つ剣を目当てに次々と追っ手が石に斬りかかって来るが、意味もなく斬ることは避けたい。
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しかし、石海龍はハンを探している道中、剣を何者かに掏り替えられてしまう。
姫芳芳(マリア・イー)は世間を騒がせているそんな人物・石海龍の事が気になっていた。
ようやく捜し求めていたハンの居城まで来た石海龍だったが、敵に囲まれ剣がニセ物と分かりその場から退散しようとした。
その石海龍の前にハンが現れ問い詰める。
「なぜ手下を斬ったのだ?」
「なぜわしに会いに来たのだ?」
「わしに見せたい剣とは何だ?」
「なぜ大切な剣を盗まれたのだ?」素直な石海龍はすべてに答える。
ハンには石海龍を斬る理由など無かった。ハンに本物を剣を見るまでは剣の秘密を明かす訳にはいかないと言われた石海龍だったのだが・・・。
この映画ではチェンカンタイが武術指導を務めており、冒頭にもチラっと出演しています。
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これだけでもこの「追撃」が特異なものに思えてきます。
また、主演したジェームス・ティエンはこの映画ではポール・ティエンという名義で出演していたのです。
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おなじみのリー・マンチン(中央)。
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この時期武侠片に各会社から引っ張りダコだった唐菁。『怒劍狂刀』や『聾唖劍』、『三十六殺手』『豪侠傳』『黒靈官』など製作会社も邵氏に明星などの独立プロ、そしてハーベストとバラバラですが本当にチャンバラ映画に出まくっていましたね。
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そして、マリア・イーのデビュー作でもありました。
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ジェームス・ティエンは気の優しい主人公を好演していたと思います。
また、全体にはどこか和やかな雰囲気を醸し出している。それはまだ初々しいマリア・イーの演技にも現れており、新興会社だったハーベストで映画を撮ることになった王天林がベテラン監督として余裕のあるところを見せ付けていたと思います。
脚本も王天林によるものとなっており、謎の女・雲彩を登場させたり石海龍の父の死の謎解きなどストーリー、展開は単純ではなくかなり引き込まれる内容となっていましたね。
そして、大詰め。ラストシーンで明かされる2つの剣の最後の秘密とは・・・。
MP&GI、キャセイで数多くの映画を監督していた王天林はハーベストでこんな映画も監督していたのです。つづく
次回は王天林追悼パート2『[足台]拳龍虎鬥』の予定です。