電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

龍拳ブルーレイの衝撃

2012-08-28 00:00:00 | ソフト情報

電影フリークスを御覧の皆様、いつもありがとうございます。

だいぶ遅れてしまいましたけど、ようやくブルーレイ版「龍拳」を見ることができました!!うれしすぎて涙が出てしまいました。(これだけ待たされると喜びも一入!)

思わずうれしくなってしまったのでこの度ブログのスキンも変更して、生まれ変わることに決定しました!新生・電影フリークス、今後もよろしくお願いします(笑)。

さて、このソフトは復刻版を収録しているのですが、パッケージの裏に記載されているようにフィルムネガを発掘ということで、傷だらけの劇場版オープニングが入っているんですよね。発売前にこれを公表しなかったのが、どんな戦略であったのか不明ですが(?)、まぁとにかくうれしい(を通り越してますけどね、夏の海に一気に変えちゃったぐらいですから(爆。)に違いないのですが、東映版のフィルムがあるなら最初っからそうしてよ!とでも言いたくなるのを押さえておいて、メーカーさんの尽力により龍拳のネガを見事発掘出来たことを称賛するとともにソフトに入れてくれたことに感激し、開けてビックリのドッキリプレゼントを入れてくれたことに感謝!!!と言わせていただきます。
出し惜しみって事はないのでしょうけど、どうして今回そういう事となったのか事情を是非知りたいところですね。
石丸さんの日本語吹替も初収録ということでファンの方ならもうお馴染みの日本語音声ですが、市販された正規のメディアに入っていることが重要で、中身はぶっちゃけ聞き慣れてますからどうでもいいんですよねぇ、きっと。
肝心なのは広東語の方(復刻)で、これに小清水ミツルさんの主題歌「ドラゴンフィスト」や挿入曲「ドゥ・オァ・ダイ」が入っていることに意味があるのだと思います。サントラも私は全部好きなので、静かな曲である「アローンインザナイト」とかも含まれているのでちょっと安心しました。
これから何度も何度も繰り返し繰り返し見ると思いますが、再生しっぱなしで、もう夜中じゅうエンドレスで流しちゃおうかな(笑)。今夜は興奮のあまり眠れなくなりそうな醒龍でした。

それにしてもオープニングだけ入ってて全編が入ってないのはどうしてなのぉ~???

  テレビが劇場のスクリーンに!!

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唐山大兄

2012-08-24 00:00:00 | 嘉禾電影

ハーベスト映画(ちょっと古いヤツ)を書き続けてますが、皆様からメールをいただいたり、コメントしてもらってやっぱりGH世代の方、そうでない方、皆さん嘉禾のこと大好きなんだなぁと感じております。せっかくなのでしばらく続けてみようと思います。(mixiでもゴールデンハーベスト・コミュニティの管理人やってますのでよろしかったら覗いてみてね!) 

↓こちら(要mixiアカウント)
Golden Harvest社

今回は、ブルース・リー主演の『唐山大兄』。言わずと知れた記念すべきリーのハーベスト第一回出演作品(ロケ地:タイ)。
香港とか台湾ロケではなかったので雰囲気はいつもと違いますが、どうしてこっちのロケになったんでしょうね。

ブルースの一番好きな作品は実は『ドラゴンへの道』なんですけど、最近見てなかったのもありますし、ここのところハーベストにハマってしまった事もありまして久々にまずはこの『唐山大兄』からスタートという具合になりました。
ブルースもやっぱり偉大だけど、ここは他の俳優さんにも注目してみたいと思います。
テレビで放送したときなどは正月なんかに放送されることが多くてそれだけでも大作なんだなぁと思ってしまいますよね。

オープニングマニアの私としては(笑)、この「ドラ危機」のオープニングは大好きですね。(いや「ドラ道」の方が好きなんだけど、ってしつこい!)
これは中文クレジットのヤツ。バーンと出てカッコいい!!
これを大観衆にみてもらうなんて映画のスタッフやキャストの人たちがその横にいたら、いい気分なんだろうなぁと改めて思います!(本編はじまっても音楽が流れつづけるのだぁ~。)

ものの本によると、監督は当初、『北少林』でマリア・イーの父親を演じた呉家驤がやっていたが、アクションシーンはローウェイでなければという首脳陣の考えがあったとかで、途中からローウェイをタイへ行かせたということです。

ところで、このひとリー・クン。 
 李昆さん
この映画では結構大きな役で、いつも『天龍八将』みたいにお笑い担当だけどセリフも強くていつもそんなんばかりじゃないだぞと言わんばかりの、その存在をアピールした演技をしてましたよね。(声は洋画だと「スーパーマン」のオーティス役とかアニメならケンケンとか狼男とかの役だった神山卓三さん。映画がさらに楽しくなるような声の持ち主でとても楽しませてくれました。)
ちょいワルで、ぴったりですね!

もう一人、気になる人。ジェームス・ティエン。
(なんとこの時はジェームスではなかった!当時の名前はポール。不思議なことに パンフにはしっかりジェームスと記載されている。)初公開時はポール。日本の74年にはジェームスになっていた??
クレジットが"PAUL TIEN" 

まぁそんな話は置いといて、しっかりブルースを受け入れて演技してたり、彼独特のスタイルで戦って劉永にはやられてしまいますけど、当初主役を予定してたそうですから、やっぱりしっかり者ですね。善人の役だといつも一緒の見せ方する人だなぁと思います。この人がハーベストから一時いなくなる時を考えると、どうしてそういう行動になったのかとかいろいろなことで心境の変化があったりとかスターの座を保っていくのは難しかったのでしょうか。

そして社長のハン・インチェ。 (大塚周夫さん。リー・クンと揃えばチキチキマシーンだね(笑。)
ビッグボスの悪役全開モードで桃屋のCMに出てきそうな中国人のおじさんって感じで(笑)、頑張ってましたねー。この「ドラ危機」での演技はなかなかのものだったと思いますケド。

えっ、サモ・ハンは無関係なの??


やはりブルース・リーに尽きますかね。

お待たせしました。次回は、田俊&金剛が登場!『四大門派』についての記事を書いてみます。

 

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北少林

2012-08-22 00:00:00 | 嘉禾電影

アンジェラ・マオ、ノラ・ミャオと来たらもうこれは彼女しかいまへんな(笑。

その名は浅田真央・・じゃなくてマリア・イー!!

そのマリアさんが出てる結構好きな映画が『北少林』(1973)という映画であります。 (ペン・チャンクイ(彭長貴)監督)

ジミーさんが表紙の嘉禾電影74年新年特大号に載ってたマリアさん。
『唐山大兄』から成長してて、とってもかわいらしいんですよね~。

笑顔がいいですね。

『北少林』(又名:『北地虎』)は放送時、「北地虎」(ガイドブック上は確か「タイガー・オブ・ノース」でしたっけ。
 主題歌はジョセフ・クー作曲!

リストを見てみると、『北少林』は』ハーベストのNo38。ずいぶんワープしますけど、まぁいいね(笑。

映画の方は・・・、中国北部で日本軍閥と戦った少林寺の流れを汲む北少林と呼ばれる人たちを描いたドラマ。朝鮮半島に逃れるも精神は不滅だったとするお話。

奉納相撲で日本人に勝った中国人・李安(卜千軍 )は日本人から追われる身となるが、叔父の雷成の家に行き、その娘・雪梅(マリア・イー)と再会する。いつか故郷の中国へ帰ろうと誓う二人だったが・・・。

韓国ロケを敢行して、ハーベストの厳選(?)されたトニー・リュウ、カオ・チャン、ヤン・ウェイのスター達。そしてサモハンも参加してましたけど、あとは殆ど韓国人のような・・・。

 この人が主演のパクちゃん。動きはサイコー。

 このおっさんもいたんかい!

 こちらのお姉さんも。

イケ面のトニー・リュウ(日本人役)

この作品は香港で公開されたのが76年と遅れたようなのですが、当初から『北地虎』だったものが香港公開時に『北少林』と変わってしまったようです。

虎はどこにいったの?(そして、誰?)

まぁまぁ、これを見てください。

「虎の絵」虎とは日本人のことなのね(?)

北の地にいる虎、ではなくてパクちゃん達、”北少林”が主役なのだからやはり題名は『北少林』でいかなきゃ。

(まぁ、そんなとこかな)

あ、こんなところにタンメンの元祖がいましたか!(爆。イケメンか。

お前に食わせるタンメンはネェ!((c)河本)

ジーンと来るラスト「どこにいるのぉー」

 

 

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刀不留人

2012-08-21 00:00:00 | 嘉禾電影

ハーベストの70年作品は、全部で4本。『鬼怒川』『刀不留人』『侠義雙雄』と『天龍八将』の4本です。

その中の『刀不留人』は、ノラ・ミャオの映画初出演作品です。(後から撮影された『天龍八将』は先に公開。)ノラ・ミャオは“嘉禾公主”と呼ばれ中国語の苗可秀はレイモンド・チョウが命名したので名付け親になりますね。

ノラ・ミャオ 広東語インタビュー

 

当時のエピソードを広東語で楽しそうに語るノラさんですが、いろいろ貴重な証言をされていました。

ノラさんも今年60歳。ずいぶん年齢はいっちゃいましたけど、まだまだ若いですね。
 現在のノラさん

そのノラさん主演の『刀不留人』の脚本を書いたのがローウェイで羅大維というのは彼のペンネームであるとされています。このローウェイの息子、デビッド・ロー(羅大衛)が出演しているのが特筆すべき点でゲスト出演という形ですがパトリック・ツェーの回想シーンで登場し、貴重な映画出演を果たしています。
 ロー・ウェイの息子!

そして、ずいぶん前にテレビで放送されたときの「ザ・ブレード・スペアーズ・ナン」はTVサイズで映像もVHS3倍並であまりクリアーな画質とは言えず、あとで顔を確認したかったときにはとても困難でしたけど、私が『刀不留人』を初めて見たのはこの時でしたね。

 
ジャッキー出演シーンも不鮮明でなかなか特定出来ず、以前、atocさんというハンドルネームの方から情報をいただきました。(atocさん、お世話になりました。お元気でしょうか?)
霧の中のバトルシーンに登場する人物たちがいます。鮮明でない映像からは判別するのは不可能に近いですけど、サモハンが『鬼怒川』ほどの役ではなかっただけにこんなシーンに本当に出てくるものかな?と当時は思っていましたが、いま思えば『鬼怒川』もサモハンやハン・インチェがハーベストのアクション・シーンを任されていたのですからある程度予測出来たはずで、参加したメンツも自ずと分かるというものでしょうか。あとは、ノラ・ミャオやジェームス・ティエンなど将来の出演映画を見ると 監督さんとのつながりなども見えてくると思います。

DVDが発売されて新たな発見もあったのですが、楽しみはとっておきましょうね(笑)。 (ヒント:邵氏劉家班にいた劉姓でない武術家といえば誰?)

ジャッキー(左)とアノ人の共演シーン!!

そして、これも『天龍八将』と同じくニー・クワン氏の原案だそうなのですが、今まで気にならなかったことを後悔する訳ではありませんが、ここは原作小説を調べてみることにしまそ。 
 
ネットで調べてみると、これはどうやら『龍虎雙劍侠』という短編小説が該当するようですね。(但し、入手困難で詳細は不明。残念。。)

こちらの本ですが・・。読んでみたい。 

追伸
現行のノラ・ミャオのウィキペディアには気になる点が二つある。一つは、苗可秀を命名したのがなぜか金庸になっている部分。あともう一つは「ドラゴン危機一発」の彼女のシーンをシナリオにレイモンド・チョウが書き加えさせたとする記述。
この二点を疑問に思うのはノラ・ミャオ本人が芸名についてと、「ドラゴン危機一発」出演がバンコク旅行中にロー・ウェイに呼ばれて一日だけ出演し、彼がシナリオへ書き加えたと語った資料があるからなのでした。

 

 

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鬼怒川

2012-08-17 00:00:00 | 嘉禾電影

続々登場ハーベスト映画!
ゴールデン・ハーベスト(嘉禾、GH)の創業した年、1970年。最初に発表されたのは『鬼怒川』になりますね。アンジェラ・マオがまだ初々しくてとっても可愛らしいです。 
新人のアンジェラさん

アンジェラの出演作品をいろいろ見始めたのが15年前ぐらいでしょうか。ちょうどテレビのCS局で香港電影が大量に流れてた頃で、エアチェックが大変でしたけどファンにとっては好都合の時期であって毎日がウハウハ、ウキウキ状態でした(爆)。
ハーベストの初期作品も多数放送され、その中ではアンジェラの「スコーピオンガール」(原題:『破戒』が好きでした。ジミーさんの「片腕ドラゴン」も放送されたこともあってその時は大変うれしかったのを覚えています。

ハーベスト作品って日本では74年のブームの頃から恵まれてましたから、(逆に邵氏は少なすぎ。「嵐を呼ぶドラゴン」とかそのぐらいしかなかったのがホント不思議。)日本人にはナジミがあると思います。香港映画が好きっていう人ならいろんな時期のハーベスト作品をそれぞれ観て、それを楽しみ、ハーベストの病みつきファンになったりしたことと思います(笑)。

数えたら凄いことになりそうですが、これだけ日本に対して映画を売ることが出来たハーベストって相当ジャパンマネーを得ていたはずですよね。次から次へと映画が輸入されて、配給してたのは大抵例のアノ会社で(笑)、その頃(いまから20年前ごろ)邦画もまったく元気が無くて、ホラー映画もみないで観るのは香港映画ばかり~。

そして90年代後半、雑誌をみたら「アングリーリバー」という映画を放送するというのだけど、とにかく解説も何もないので出演者はおろかどんな映画なのかもさっぱり分からん状態でした。とりあえず観てみようとチャンネルを回して、本編開始直後これは古い映画なのだなぁと分かったところまでで、その後しばらくの間、見ることもなくエアチェックビデオはずっと眠っていました。

タイトル「アングリーリバー」

ハイテンポな音楽でスタートする「アングリーリバー」こと『鬼怒川』は、武侠映画でありながら合成したシーンがあったりとか怪獣が登場したりと、実に変わったところがありましたね。
怪獣にやられるアンジェラ

新人のアンジェラがオーディション合格後、いきなり主演映画に出演できるなんてハーベストの期待も大きかったことでしょう。当時のハーベストはアンジェラの主演映画を続々製作していったことは御承知の通り!!

ところで私が一番好きな監督はジョン・ウーですが、この『鬼怒川』を監督したファン・フェン(黄楓)はその次に好きな監督です。
ただ、いまは名前すら聞きませんし、ジョン・ウーに比べたら日本では殆ど知られていませんから、『四大門派』(Shaolin Plot)や『浪子一招』のようなとても良い映画があっても話題にもならず、国内版もいまだにリリースされてないんだと思います。

監督から映画を選ぶというのは少々マニアックではありますが、ジョン・ウーやファン・フェンの映画なら本数もそれほど多くないと思いますし(張徹なんて多すぎるし、邵氏ですからね。基本的に敷居が高い!) 順を追って監督作品を楽しむというのもなかなか面白い手段だと思います。
ハーベストの第一作目である『鬼怒川』を監督したファン・フェンですから、これ以前の監督作品にも興味が沸くのは当然のなりゆきで、数年前にはじめて観た『血符門』(1971)を観たときには感銘を受けました。この監督を好きになって間違いなかったと思った瞬間でもありました。
白鷹の凄い気合!!

さて、『鬼怒川』の本編には太陰教の教主・パイ・イン(渋いぜ!)、武侠片スターの高遠、武術指導コンビのハン・インチェ&サモ・ハン、ベテラン俳優の姜南や張亦飛(「少林寺木人拳」の管長)のほかにも驚くべきスターたちが結集しており、 ブルース・リャンがパイ・イン隣で無言で特別出演(嘘)していると思ったら、ラム・チェンインが出てきたり、あと若かりし頃のジャッキー・チェンやウィルソン・タンも端役出演していますね。

このラストの竹林での決戦が最高!

  白髪のサモ・ハン

和服姿(?)のブルース・リャン(右)

ジャッキー・チェン(スタント:左)クリックして拡大

恐怖の太陰教が使う毒剣・七絶閻王刺の毒治療に効くという薬草(DVDでは黒霊芝)をめぐって争奪戦となる展開でしたが、霊芝ってキノコだと思ってたので不思議に感じました(本編ではミドリ色の薬草として映ります)。
で、その霊芝と聞いて昔の白土三平の「イシミツ」というマンガを読んだ事を思い出してしまいました!。白土三平の漫画を懐かしく思える方も多いと思いますが、冬虫夏草とかいわゆる不老長寿の薬を扱ったとても興味深いマンガ本でしたね。この手のストーリーに弱くてついつい引き込まれてしまいます(笑)。

なので映画の題名にもなった恐るべき川『鬼怒川』の描写は案外少なくて、アンジェラが苦労して(?)手に入れた薬草に主眼がおかれているので、むしろ題名は黒霊芝の方がいいくらい。(台湾の川での撮影って難しそう。)でも何とか脚本も受け持ったファン・フェン監督は新しい会社のために映画を作り上げたんですね。当時は『鬼見愁』も流行してたので、川の名前も”鬼怒川”、仙人(なんとファン・フェン自身が演じている!アンジェラの父親もきっとそう。)の谷が”鬼愁谷”だったりするんでしょうね。
それから、他にも霊芝にまつわる話を描いた映画なども探せばいろいろあるかも知れませんね。

 アンジェラ・マオ
 

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天龍八将

2012-08-13 00:00:00 | 嘉禾電影

1971年のゴールデン・ハーベスト社、旗揚げ作品『天龍八將』(The Invincible Eight)です。

 
この「天龍八将」は香港で最初に上映され旗揚げではありますが、ハーベストの通し番号(通番)だと4番(4本目)になっています。
この通番というのが不思議な番号ではありますが、番号が付いていると整理しやすいですね。

『天龍八將』ハーベストのロゴ

映画の方は邵氏から移ってきた羅維が監督と脚本を担当。
原作には小説家のニー・クワン(倪匡)の名があります。
はて?彼の作品に『天龍八將』という小説は無かったはずでしたが、これはどういうことでしょう??

不思議に思って早速探してみると、それらしき武侠小説があるではないですか。

倪匡作品集のなかにある『八俊傑』という題名の小説は、日本語で”8人の優れた人物”という意味になるので、まさにこれが「天龍八将」の原案となった小説なのではないでしょうか。(ハン・インチェの演じたシャオ将軍も登場するようですし。)
「天龍八将」としての登場人物は一部変更されていますが(柳燕⇒江燕、祖逸飛⇒風逸飛、凌千金⇒歸千金など)
小説版の登場人物それぞれの頭文字(姓)を並べるとこうなります。
柳、舒、劉、宋、李、祖、風、凌
これだと、ちょっと味気ないというか意味がわからない。
それで下の名前はそのままに(一部変えてますけど・・)、姓だけ
変えてしまおうという事になったのだろうと思います。
「天龍八将」ではこの8つの文字を合言葉として2つに区切って読み、
”風雷焦祝”、”江何歸海”
のように使ってます。これだとなんとなくそれっぽく聞こえますね(笑)。

参考までに、南総里見八犬伝では仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌でしたね。
それぞれのシンボルの意味は八犬伝をそのままにしたような設定だと思いますので各人物をなんとなく当てはめてみます。

仁:慈しみ・・・(歸)
義:義理・・・(風)
礼:礼儀・・・(雷)
智:物事を知る・・・(焦)
忠:忠誠心・・・(祝)
信:信じること・・・(何)
考:工夫する・・・(海)
悌:兄を大切にする・・・(江)

ざっと、こんな感じになるでしょうか。もう少しいろいろキャラクターの性格を分析すると変わってくる可能性もありますが、八犬伝に似ている話だということが言えると思います。

あと、このシナリオで気になる部分は、8人の中で江と海が残りますが、アクション以外で一番の見せ場(ポイント)があるとするならこの辺りだと思います。
敵の副官が8人の一人、”海”ですが、彼が如何にして仲間と合流しうるのか。その過程がポイントで、この部分の表現がどこまで出来ているのかが注目でした。

実際にどのようにして合流したかは本編を御覧になってみてください。

最後に小説についてですが、ニー・クワン原作を引っさげてハーベストが旗揚げした『天龍八將』には”八俊傑”という小説が実在した訳ですが、もしかしたら当時の新聞に小説が連載されていたかも知れません。(残念ながら時期が分からず、詳細は不明のままでした。)ニー・クワンの武侠小説ももう少し調べてみようかなと思います。

試写会での2人(アンジェラ・マオ&ノラ・ミャオ) 

 

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カンニングモンキー天中拳

2012-08-08 00:00:00 | 成龍的電影

 

今回で取りあえず終わりとさせていただきますが、拳シリーズの最終回は「カンニングモンキー天中拳」についてです。きっとまた記事を書くでしょうけど(苦笑)、その際は単発でレポートしますのでよろしくおねがいします。

さて、一気に参りましょう!今回はチャプター毎に分けてみました。それぞれテーマを決めていろいろ書いてみました。つまらなかっらゴメンちゃい。

第一講 ~タイトル考~

「天中拳」完成後の78年、香港ではしばらくお蔵入りして80年に公開されるまで、いつの間にかタイトルが『點只功夫[口甘]簡單』に変更になってしまったんですが、この『點只功夫~』ってヘンですよね。なんか取って付けたみたいなカンジで。ジョセフィーン・シャオの『林亞珍』をパロってるつもりでしょうけどいかにもローウェイらしいと思いました。

韓国では『烏龍大侠』と言われていた「天中拳」は製作当初のワーキングタイトルが『烏龍大侠』となっていたようですので韓国ではそのままそのタイトルが使われたことになります。(“まぬけなヒーロー”の意。)
劇中で主人公のジャッキーがヒーロー柳になりすまし、テッペンハゲの爺さんから「おまえはウーロン大侠だ」と言われてしまいます。これがタイトルにもなったそもそもの由来ですね。

「天中拳」が影響を受けたと思われるオリジナルの『烏龍大侠』(1951)は李海泉(ブルースリーのおとうさま!)主演の広東語喜劇でありました。
この格好がそう!(たぶん)
李海泉は喜劇俳優として香港で有名でしたから、やはりコメディー映画として手本となる映画であったことは考えられそうです。

一方、『一招半式闖江湖』は台湾で付けられたもので、これが一番知られているタイトルですね。(江湖を渡り歩く半人前男の物語…みたいな意味になると思います)確かに腕は半人前ですが、キャッチコピーにもあるように食欲三人前、色気一人前だそうです(笑)。

話はそれますが、邦題で「天中拳」って言うと実はもう一本「フラミンゴ殺法・天中拳」という映画もあるんですけどね(笑)。これも好きな一本です!
私が好きになった理由はコレ。その昔、秋田書店から出た「ドラゴン大全科」という書籍。カンフー映画好きは、ここからはじまった!
「フラミンゴ殺法 天中拳」

「続・嵐を呼ぶドラゴン」ほか

ユンピョウの「モンキーフィスト猿拳」が好きなのもこの本にしっかり掲載されていたから…というのも理由の一つ。
それと、コレを忘れてはならない。「Mr.ノーボディ」。 
 「Mr.ノーボディ」
いま私が思い出の一冊を選ぶとしたら、この本を真っ先に選びますね。(あー、もっと書きたい内容が…。)
ここらで天中拳に戻らせていただきます(笑)。

第二講 ~映画の分類~
「天中拳」を70年代の映画として分類するならば、これはヒョウ局&喜劇カンフーアクション型に分類されるでしょう。

ヒョウ局型とは?
これは、ヒョウ局(注)という機関が登場し、そのヒョウ局が警備保障して荷物を輸送するヒョウ客と盗賊との攻防などを描いたものを指します。

「天中拳」では重要アイテムを警備する隊長の一行と、その部隊を支援するためにあとから加わったのが主人公・コウで、そのコウが面白おかしなカンフーを見せて笑わせます。
オープニングではジャッキーが七変化。「木人拳」っぽいセルフパロディや座頭市、ダメダメ剣士などをユーモラスに見せています。(個人的にはここが一番面白いと思います)

そして「天中拳」ではカンフーの師匠がいる設定になっていますが、ここは弟子入りする場面に注目していただきたい。
ポパイみたいなヒーローを夢見るジャッキーがひょんなことからムチのヒーローに間違われてもすっかりその気になってしまうという具合に主人公はヒーロー願望を持っていて、弟子入りを頼み込むと老いた師匠からキツイ一言をもらい「弟子になりたいんだ」ともらす。この辺りの主人公の持つ人間らしい部分の表現は映画の本編でよく現れていると思います。

第三講 ~シナリオと追加撮影~
追加撮影についてはいろんな説があるようですが、 77年の秋頃にローウェイ監督らスタッフがもめていたようです。「天中拳」がどこまで撮影されたのかハッキリしませんが、ローウェイとの関係が悪化し、ジャッキーの「蛇拳」レンタル出演をついに許した監督。天中拳完成後の試写を見て激怒したというローウェイの話はもちろん「蛇拳」撮影後しばらくしてのことでしょうね(直後ではない)。これは映画としての未熟さをベテラン監督として見抜いていたのかも知れません。

「蛇拳」でジャッキーと共演するまで石天はいなかったと推測してますが、 シナリオの方も確実に変化していってますね。脚本家の湯明智が打ち出したオリジナルのストーリーは大筋は変わらないと思いますが、ヘッコキ風太郎は当初設定されていなかったと思うのです。

参考までに、なぜそのような話になるかといえば、ヘッコキ風太郎は日本で付けた役名であり、オリジナルの中国語・役名は無く、あれだけの大役なのになぜか設定されていなかったのです。これは後から追加されたからなんでしょう。
そうなると、ラストや天中拳を石天から教わるシーンなど、当初はすべて無かったことになるのです。(石天は「蛇拳」では厳しい師範代でしたがこれ以降、カンフー作品のコミカルなキャラクターを歴任します)

また、コウが大金を手にしていい気分になり、町で天中拳のポーズ(ツッパリ拳)を取りますが、ここが不思議なのですが、石天に天中拳を教わる前なんですよね。

赤い毛の男も中途半端なままだったようで殺されるシーンがあとから追加されたように見えます。この男は鉄腕ルーと一緒に出てくるので弟子または部下という設定かと思っていたら(国内のどの資料を見てもそうなってました)しっかり本当の名前も存在していました。

その場面をもう少し詳しく解説してみます。 

 コウ「太沖の二の舞になりたいか」
日本語字幕ではタイチュウ。つまりヒーロー柳と相討ちになった賞金首の男が、鉄腕ルーの弟子という解釈になっています。
 ルー「お前が弟子を殺したのか」
これはおそらく誤りで、赤毛の男(林照雄。役名:ウェイ(衛天鷹))がこのシーンより前に田俊に倒されるシーンが挿入されていることからも分かる通り、ルーが仇を討とうとするウェイという人物とは赤毛の男(しかも弟子ではなくて弟)のことなんですね。

このあたりの展開(鉄腕ルーとその弟のポジション)がシナリオとして未完成、または分かりづらくなっていたので翻訳した人も登場人物の多さもあってか混乱していたと考えられます。

赤毛の男は本来、途中で倒されるのではなくて、もう少しストーリーに絡むような役で(主人公をしつこく付け狙っていた割にはあっさりと倒されます)、ラストにも登場する予定だったのかも知れませんね。
二十面相にしても付けヒゲをむしられるのであればその前に何か別の変装があると分かり易かったのではないかと思います。以上が、未完成か完成を急いだような印象をどうしても受けてしまう理由です。

第四講 ~劇場公開~

「天中拳」が劇場公開されたのは今から三十年ほど前になります。
雑誌広告。8月6日公開になっています

モンキーシリーズ第4弾として公開され、 夏休みの子供たちをターゲットにした作戦が成功したのでした。(こういう映画会社の戦略って勉強になりますなぁ)

劇場版タイトル

JACのメンバー総出演の「伊賀野カバ丸」とのカップリングでかなりの相乗効果があったと思います。(ジャッキーよりも黒崎輝の方がモンキーっぽいですね(笑。ジャッキーが食欲三倍ならカバ丸くんは10倍はありましたね!面白かったなぁ。)
当時は天中拳のシナリオ完全採録とかの書籍も出版され充実していました。
ちょっと忘れてましたけど、オープニングは別編集のショートバージョンでしたね(テレビも同様)。ここで主題歌「カンニングモンキー」が流れますが、編集はこの曲に合わせたかのようになっていましたね。(今思えば、せっかく面白い映像が入ったオープニングをカットすることになってちょっともったいない気もします)


第五講 ~噂~
最後は噂について。以前から天中拳には幻のシーンがあると噂されていましたが、動く映像というのはまだ発見されていなかったりします。
どんな噂かといいますと、あるシーンの後に竹やぶでジャッキーが登場し、天中拳を練習するというもので、 イメージとしてはこんなヤツです↓

83年5月の時点では邦題はまだ決定せず。

また、他にも賞金を手にしたあとの祝賀会などが幻のシーンであるとされています。

以上は単なる噂だけの話である可能性も高いのであまり期待しないほうが無難でしょう。(終)


【作品DVD】

日本語吹き替えです。是非とも石丸ジャッキーをご堪能ください!!

カンニング・モンキー/天中拳 〈日本語吹替収録版〉 [DVD]
ジャッキー・チェン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン




【作品ブルーレイ】
永久保存版の劇場公開テレシネ・バージョン。一家に1枚どうぞ。

カンニング・モンキー/天中拳 日本劇場公開版 [Blu-ray]
ジャッキー・チェン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
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