電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

四王一后

2016-02-29 00:02:36 | 邵氏電影

今回の記事は73年ショウ・ブラザース製作の映画『四王一后』です。伊・香港合作!

”四王一后”というタイトルは随分昔にジャッキー本に書いてあったので、それでずっと覚えたんですよね。まさかショウブラだったとは思ってもみなかったのです。原題の方は割と有名ではあるけれど、主役は背の高い国内ではまったく無名の俳優さん。結局、羅烈の出てる変わった映画・・・みたいに扱われてしまうのがオチ。

このリストに載ってた!(公司名はメチャクチャ笑)

この映画を観る前のイメージとしては、私の教科書だった(笑)こちらのスクリーン増刊「クンフー映画大全集」特集号にあったスーパーマンみたいな恰好した奴らが出てくる「アマゾネス対ドラゴン 世紀の激突」(下図参照)みたいなヤツなのかなとずっと思っていました。(この「アマゾネス~」も邵氏が絡んでるはずなのに大抵の書籍からはスルーされちゃってましたが。)この特集本は本当に勉強になりましたね。最近のムックには無い良さがありまする!

とっても充実した内容♪

監督は2人いるようで、1人は桂治洪。
日本だと南洋邪術のジャンルがどうしても有名になっちゃってるけど
初期の頃なんかでも良い映画はいっぱいあるので
いつか彼の映画についても書いてみたい。

もう1人は「続・荒野のドラゴン(未)」などをディレクションしたアダルベルト(ビット)・アルベティーニ氏。

 

冒頭はハードボイルドなタッチで進行して行きますが、全体的にはギャグ連発してるバカ映画です(笑)。

 まるでボスのようなマース(&町の大物ボス)

町のボスが高級車でマフィアとの麻薬取引のため港へやってくる。(手下にマースが顔を出している。彼の出番はここだけ)

密かに潜入していたかに見えた刑事たちは、現行犯逮捕とばかりに現場へ飛び込んだ。バッタバッタと子分たちを次々に海へ放り込む刑事。しかし、ボスが現れ、あっという間に形勢逆転してしまった。

 

キンフー作品やジャッキー旧作ファン世代にはおなじみの顔、佟林(トン・リン)がマフィアのボス、チェン・ロー。

 トン・リン

ショウブラ作品ですと悪い役が多いようなイメージがありますね。この映画も現代劇だからまぁそんな感じに。

 随分とまぁ簡単に捕まってしまう

アジトへ連行される刑事。拷問され1人が仲間はバンコクにいる事を喋ってしまった。

一方、6名もの拉致事件が発生した評議会のメンバーは、当事件解決の為にある人物の起用を決定した。FBI隊長ロバート・ウォレスである。

 紳士登場(登場の仕方がまた滑稽!)

ロバート(ロバート・マルコム)は、結婚式のため休暇を取って遠くシチリア島へ行っていた。緊急指令とは冷酷なものである。プライベートの時間なんて無いも等しい。ロバートは花嫁に愛想を尽かされバンコクへと飛んだ。

 強制退去

舞台はバンコクへ。ここで自分のあとを付け回す謎の男(陳濠)に気づいたロバートはそのままタクシーでホテルへ向かう。すると、エージェントの一人、スージー(俺たちの施思たん。Suzyとは紛らわしい)が中国語で書かれた手紙をロバートに渡して立ち去った。漢字が読めないロバートはホテルの従業員に読んでもらう。ある場所まで来いという。

ストーカーのアジア人

ボートで行先を告げると、案内された。しかし、いつまで経っても目的地へはたどり着かない(苦笑)。

 どこへ行くのかな?

観光っぽく、いろいろ国中歩き回るロバートであった。

ハイ、チーズ!!

結局、高級ホテルのプールサイドでくつろぐのであった。ほんとに休日のバカンスみたい(笑)。

その夜、ムエタイの試合を見に行くロバート。そこへ現れたスージーから香港へ行ってカンフーの達人、マスター・トンという人物に会って欲しいと告げられる。大勢の観客の中に一人、見た顔を見つけビックリするロバート。そう、あのストーカー男がちゃっかり座っていたのだ!

 バンコク滞在は何だったんだ!?

香港へと移動してきたロバートはカンフーのチャンピオン、マスター・トン(羅烈)に会うことに。まずでっかい金庫付きのアメリカ大使の部屋へ行き、相談するとある提案をされる。何と無敵のスーツがあるという。しかし、トンの居場所は教えてくれない。困り果てるロバート。

 この誰だか分からないおっさんの存在もこの映画には必要なのです

滞在先でカンフーの試合のチケットがあるよと言われ、大金をボッタくられてもその試合に行くことにしたロバートは、その会場でかつての(?)旧友、マックス(アントニオ・カンタフォーラ)に再会する。口のきけない相棒のジェリー(サル・ボージェス)も一緒だ。試合はシンガポールのチェン・ウェンVS香港チャンピオン”鋼の手”だ。結果は香港チャンプの圧勝。司会者は会場から次なる勇敢な挑戦者を求めている。そこへマックスが名乗り出るが、これはワナ。ロバートが対決することになってしまう。

 泥棒コンビの罠に引っかかり試合に出ることに。

ド素人のロバートが勝てるはずも無く、即病院行きに。全身包帯だらけにさせられてしまい例のコンビが見舞いに来てくれるが、ヒドい扱いに困り果てるロバート。良く効く東洋の鍼治療があると教えられ、早速治療を受ける。これでもう大丈夫。

 「なんでこうなってるの??」

実はあの香港チャンプこそマスター・トン(羅烈)であり、彼はスージーの上司であったのです。

 ついにこの男、マスターが登場! 

ここで、ちょっと脱線。今回久々に見てみたDVDはあっちの国のオンラインショップで売られていたイタリア語版。元々イタリアでは3人のスーパーマンというシリーズ物だったようです。その香港編に当たる(ドイツ盤DVDの題名は、『スパゲッティ in 上海』だけど笑)。 イタリア本国では人気のシリーズなのか、東京編というのもあったっけ。そのDVDは知人にあげてしまった!

 伊盤DVD。ちょっとイラストがねぇ・・。↓のレコード・ジャケは好き!

 サントラ・レコード。左下の男が陳星に見えてしまう←

主題曲は、「さすらいの一匹狼」(最近このDVDよく見てます!)などマカロニ・ウエスタンの音楽を手掛けたニコ・フィデンコ。このオープニング曲はとってもノリのいいスコアになっています。(歌:アーネスト・ブランカッチ)純正ショウブラ映画のように他映画の音楽を流用している訳ではない。

 

・・・。そして、マスター・トンはコンビ2人にカンフーを教える。

 板に触るとジューっと手形がついちゃった

この特訓シーンが笑えるのだ。鉄砂掌じゃなくて、鉄砂足(爆)。

あっちっち。

これはジミーさんあたりのパロディだね!

まぁ羅烈もキングボクサー大逆転でこんなに鍛えてるからね(笑)。

 

特訓を受けてないロバートは、チェン・ローの前に現れるが、今度はその子分たちにヤラレてまたまたダウン。

 やっとスージ―が助太刀に(遅い!)。ここのシーンにはユン・ピョウも。

スージーが助けに入って、その場はうまく切り抜けたものの今後を考えると・・。ピンチになったロバートたちは話し合いの結果、ある決断をする。

 「うーん。どうしようかな」

やはりこの人しかいない。マスター・トン!!

 みんなでカンフーの稽古

特訓したのに、泥棒コンビは何も知らずアメリカの特許、スーパーマンのスーツを着ちゃう。

 出た出た、スーパーマン!

そして、マスター・トンの道場へ戻ってスージーも稽古に加わるが、まるでやる気なしのジェリー。ダンスを踊っちゃう(笑)。

スージーも一緒に。あ、ここが例の場所か・・・。

このあと、コメディ・パートとなり、ドタバタが延々と続きます(詳細は割愛させていただきます)。

ところで、この映画の武術指導に関しては、公式には誰もいないことになっている。

香港の公的機関が発行した資料にもやっぱり記載は無し。

 武術指導が無い作品もたまに見かけるが・・。

というか、5、60年代からも武術指導的な立場の人はそれなりに居たではないか。
それなのに映画をいくつも見ていると
武術とは全く関係のないような恋愛ドラマとかであっても
武術指導がしっかりクレジットされていることもあったから
その立場の人を明確に置かない作品だったと言うことが出来る。
なので、名のある殺陣師を起用する予算もなかったとも考えられるのである。

まして大会社のショウブラで1枚看板で武術指導を務めるなんてのは相当なレベルでないといけないはず。そういう意味では鹿村さんは日本人でありながら立派にこなしていたのでマジで偉大なお方ですよ!!
(桂治洪といえば鹿村さんだけど、この時は離れていたのかな??)

しかし、驚くべきことにネット上には撮影スタッフ、施思らと一緒に
なんと成龍が現場に居合わせた記録写真が残されていたりするのです(おそらくは、↑のマスター・トンの道場のセット)。

それにしても記事冒頭にご紹介しましたジャッキーの当時のフィルモグラフィーにしっかり載っていること自体、映画に関わっていることを証明してる。なので、アクションの指導(のお手伝い?)としてもだけど、実際に出演もしているはずなのである。それがどういう訳か本編では確認ができなかったのだが・・・。

繰り返しとなるが、とにかく関わっているのは間違いのない事実。しかし、それならばしっかりその出演場面が確認できなければならないと思うのです。これが難しく、そして諦めていた事柄であったのです。 

どんな映画でもファンなら不安になっちゃいますよね。目当てのスターが本当に出ているのかと。

ファンにとってはたとえ旧作であってもでバッチリ映っていれば安心できる。

一見、セリフもなにも無い感じの映画だったらどうなのか。本当に出演しているのか。そう言われてはいるが実際のところどうなんだか分からない。それが分からないとなれば少々不安になる。まぁそうですよね・・・。

 

私の解釈はこんな感じになります。

ジャッキー登場の場面を解説してみますと、
終盤に無敵のスーパーマンのスーツを着た4人組みが大暴れします。ここがこの映画の見せ場!(なんでしょうね)。
このショウブラのセットで黒装束のザコキャラ軍団との乱闘場面がありますが
ユン・ピョウたちを含む黒装束の1人として登場しているようです。
ジェリー役のサル・ボージェスがチン・ユーサンに斬りかかるちょっと前のシーンだと思います。

  天を仰ぐの巻。終盤の1シーン

 

 ↑を回転すると・・・、ね。鼻が!!笑。

もちろん確証はありませんがこれがそうなのかなと思っています。

これが本当であるなら、いくら頑張って本編を見たところで見つけられないという話になっちゃいます。(別アングルの為、顔は映らないのです)

映ってるのは、この手首だけ(笑)。

顔が映っていなくとも身体の一部分は本編に登場していることとなり
奇跡というか偶然かも知れないが撮影班とは別の班のスタッフによる何気ないお手柄なのかも知れない。

モヤモヤしていた人もこれで少しスッキリしていただけましたでしょうか。

さて、例のあのストーカーがどうなったか気になりますね。

 顔にパンチだ

その後もしつこくロバートを付け回し、最後にはロバートに捕まってノックアウト!!

いやいや。そう簡単には終わらないんです・・。

最後まで意外なこの笑顔

このあと、囚われた6名のエージェントたちは無事救出されエンディングを迎えます。そんな無茶苦茶強い訳でもない相手なのにスーパーマンに変身し、トン・リンさん達はコテンパンにやっつけられてしまうのでした。いつもの3人に男女1名ずつのスーパーマンが追加された今回のエピソード。・・かと言って他のエピソードを敢えて見る事はもうしませんよ(笑)。

フルメンバー the "四王一后"

逆三角形の体型にはあこがれちゃいますね~。

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ドラゴン・ブレイド』

2016-02-15 23:13:14 | 劇場鑑賞

先週、映画「ドラゴン・ブレイド」が公開となり、早速観て来ました。

幸いにも近所の映画館で上映となっていたため、そちらでの鑑賞となりました。

この映画の公開に合わせて出版されたらしいジャッキーの新しい自伝本もこれから読むのが楽しみです。(また未購入なのでしばらく先ですけど・・。)

この本、先日、とある人に見せていただいたのですが、結構分厚い本なんでビックリ!!読み応えありそうです。

さて、今回、公開日もなかなか展開されずにモヤモヤしていましたが、うまいこと初日に見に行くことが出来て良かったです。(平日であったので普段なら無理だったと思いますが、実はたまたま検診で休みをもらい、終わってから運良く劇場へ行くことが出来ました)

いやぁ、面白いですね。
人や馬を総動員して、物凄く壮大なスケールで
それなりのお金を掛けてはいますが、感動を与える作品を世に送り出す気合の入った創造力!!
年末から1月ぐらいまで映画館へ行く事も出来なかったのが今回何とか行けて良かったと思います。

食べる楽しみも忘れません^^。ホットコーヒーとシャカシャカのポップコーンをほお張りながら(笑)、(バターしょう油がお好み。最後はあきるけど・・・)映画館でのマナーも守りつつ、まぁいつものスタイルではありますが、今回のんびり映画を楽しませていただきました。あのポップコーンのCMも楽しいですね!

映画もあっという間にエンディングのスタッフ/キャストのロールへ。NG集が今回特別に用意されたそうなんですが、今後もそうなって欲しいですね。無いと日本のファンは絶対に許しませんよ(笑)。

ジャッキー作品の持つ何とも言えない安堵感。随分と久々でしたが好きなシーンもいくつかあって最高でした。

ちょっとだけそのイメージを書いておくと、
例えばこんなキャンプしてるようなシーンがあったとします(イメージ)。

某ゲームの1シーンより

ファンタジーの世界に君臨するもの。それは龍(=ドラゴン)です。

そして劇中流れる"Song of Peace"の歌声をはじめて聴いた時、私の脳裏に化学反応が起きました(笑)。

何が言いたいのかというと、昼間にいっぱい働いて、終わったら夜、楽しいことが待っているよ、と。
そういった苦楽を共にしてきた仲間と、歌うなどして労を労う場面があると、↑のファンタジーの世界にあるような楽しい瞬間を思い出してとてもいい気分になれるのです。

イタリア人なら肩を並べて熱唱モンだね!! 明日からもうイタリア人だ!(笑)。

例えば、イタリアの吟遊詩人がいいね。そして歌おう。異国の地で歌うスカボロフェアのようなあの歌を・・。(ボロとは「城砦」の意)


【作品DVD】

【Amazon.co.jp限定】ドラゴン・ブレイド ブルーレイ プレミアム・エディション(2枚組)(初回限定版)(2L型ブロマイド1枚付) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

【関連GAME】

ファンタジーRPG for PS4

ドラゴンズクラウン・プロ - PS4
クリエーター情報なし
アトラス

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする