電影フリークス ~映画のブログ~

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戦神灘

2019-06-07 22:20:17 | 七十年代作品【1973】

こんにちは、醒龍です。

先日、近所で流鏑馬が見れるということでその公園に行って見てきました。当日はかなりの暑さで、炎天下の中を精鋭の選手たちが頭にはヘルメット(!)や烏帽子をつけたり個性的な衣装で競技してました。暑さのため実力が発揮出来ず結果を出せなかった選手もいたようです。

コースには2つの的があって、ど真ん中が高得点となっていて、その二本の矢の合計得点で順位が決まるという形式の競技だったのですが、矢が飛ぶ瞬間は迫力あって間近で見れて良かったですね。点を取れる人のフォームはきれいでしたね。タイミングが勝負ですが馬に乗りながら矢を打ってそれを的に当てなければいけないので相当な技術が必要な競技ではないでしょうか。

馬にもそれぞれ名前があって、アナウンスされる名前がかわいらしい名前だったり、それらしい名前だったりと様々でした。競走馬ではなくて人間が戦いに臨むときに駆り出すような馬には魅力がありますね。こんな伝統古来の珍しいものが観戦出来てとっても良い機会でした。また近所で開催されたら見に行ってみようかなと思います。

今回の記事は久々のジミー・ウォング主演作品です。

ジミーさんの映画も現在、ホントに沢山見られるようになったのはうれしいですね。古くは勝新との対決なんかもありましたっけ。私が好きなジミーさんはやっぱりギロチンですね。あと、現代劇のスカイハイ。ジミーさんは何十年も前、既にボンド俳優と共演してたことになるんですよね。

さて今回は、戦神灘(センシンタン)という73年の映画です。国内盤DVDも出てますので観ている方も多いかと思います。今回は手元にVCDがあったのでそれを使います。このVCDがまた残念ながらマニア泣かせのオリジナル焼き付け字幕ではなかったですが、クッキリした中英文の2段字幕でまぁ確かに読みやすい字幕ですが、こればっかりずっと観てました。

ここで、ジミーさんの映画を分類してみると、①邵氏時代、②初期嘉禾作品群(時代劇、現代劇)、③独立製片公司時代(台湾)に分類されます。80年代以降は割愛しますが、60~70年代まで、ざっとこんな感じになります。この戦神灘は②に入ります。②はもちろんイイのですが、やっぱり③が幅広いですし、開拓の余地のあるゾーンですね。そう、気付いている方もいらっしゃると思いますが、当ブログでは実はこの③に重点を置いてます。

それでは、本編です。

今回のテーマは倭寇との戦いということで、海賊ですね。日本の海賊はやはり海から攻めてくるので海岸に焦点が当たります。ここが一応、映画の舞台となります。

灘は中国語では砂浜というような意味になりますから、浜辺で対決するというのが大前提ですね。チェン・シンvsカンタイが最高に良かった『蕩寇灘』 (72)で倭寇である日本人との対決が見られるのも既にありました。

ではジミーさんの倭寇戦はどうだったのでしょうか。

いかにも海賊らしい姿の日本人は登場しませんが、ここでは倭寇=サムライです。なのでいつもの民初ではなくて、明の時代まで遡ります。ジミーさんは杭州知事の甥っ子ですので、捕まって処刑された叔父の復讐劇です。強豪を集めてジミーさんたち七人の戦士とサムライが対決する映画ですね(笑)。ジミーさん含め、七人の戦士たちが主役です。序盤にこれらのメンバーを探すところから物語はスタート。

その顔ぶれはまず、町で鉄をも切り落とすという刀の商売人。腕もなかなか。そして、二つの盾を武器にするという奇想天外な男とか、短い二本の槍使いの男に、顔にキズの入った賞金稼ぎという邪道路線のようです。あと軍師っぽい男とご老人がもう一人。ジミーさんを入れて全部で七人という構成であります。

余談ながら劇中、李鎮の町人で倭寇から逃げる作戦を唱える河本にソックリなヤツが出てきますが、あれは本人だな(笑)。お前はタンロンじゃなくてタンメンか?

 ほらタンメン(笑)

タンメン、タンメンと詰め寄る(嘘)

彼の相手役が何とビックリ董今狐(リチャード・トン)でした。(『真假功夫』(78)の監督さん)

今回レンというナイフ投げの役の御存知田野(ティエンイエー)師匠が登場する場面では、あれれ。片腕ドラゴンの冒頭と同じあのセットがそのまま出てきます。結構撮影の時期は近いのかも知れませんね。 

そうそう、ボスはロン・フェイですよ。いつかジミーさんとの星取表を作ってみたいですけど、今回は倭寇の海島聯軍副頭領だそうです。へぇー、なるほど。

この映画では杭州に攻めてきた倭寇軍に、到底太刀打ち出来ない民衆たちを使ってどうやって倭寇に打ち勝つかが焦点です。なんと、七人の戦士の一人が町人たちを訓練させるんです。兵糧も出てきますし、これはまるで光栄の戦国シミュレーションですね。そして、倭寇軍VS杭州軍のバトルがワァっと延々と30分以上あるような感じのこの長~いシーンが続きます。

途中、敵の鎖鎌の攻撃で宙に舞うジミー王羽。いいトコでスローモーション使っていいですねぇ。

セリフでは日本語こそ殆どしゃべりませんが、倭寇たちのあのカツラでサンマオらも登場して、ロン・フェイはチョンマゲが良く似合ってるんですよね(笑)。このサムライがメッチャクチャ強い。一人のだけごっつい鎧(ブラック)で暴れ回り、ジミーさんも凌駕しちゃうこの辺りが超笑えて楽しい場面です(笑)。

西部劇っぽい感じはあまりなく、馬のシーンも少なめのようです。まして流鏑馬は登場してません(笑)。いやぁさすが世界の黒沢明。七人の侍。用心棒も好きです。私はどちらかというと用心棒派なのですが、テレビでやってた「バンデッツ・フロム・シャントゥーン」とかによく出てきた、場末感が出ている宿場町(のセット)がワクワクします。実際どこだか分かりませんが(台湾?)、またその同じ場所のようでした。

そんなこんなであっという間に終盤戦へ突入。チョンマゲやってるロンフェイの必殺ギラギラ光線に対し、さすがジミーさん。ギラギラ返しで応戦します(笑)。ギラギラと言えば、確か『新座頭市 破れ!唐人剣』でも見せてましたね。

そういえばコレの例の香港版についてですが、いま現在もウィキペディアには日本のバージョンとの相違点がいくつも箇条書きされているのですよね。恐らくこれを観たと思われる人物が記事を編纂したようなのですが、気になる点がありますね。例えば、共同ですが導演として黄銘の名前がクレジットされているのだそうです。確か徐增宏(シュー・ツォンホン)と安田監督の聯合導演のはずなのでこれは明らかにおかしいですよね。詳細についてはなかなか公式にはオープンにならないのでもうずっと闇の中だと思います。  

ギラギラからちょっと脱線してしまいました。二人の大物スターが対決するという先の映画程ではない今回の戦神灘。ジミーさんが単独で暴れ回るのではなくて、チームで巨大な敵に立ち向かうというスケールの大きさによりジミーさん独特の個性的かつ斬新な描写が少なくなってしまったようです。

ラストの夜のシーン。ロンフェイとの最終決着地、戦神灘です。さて、どちらの墓場となるのか(!?)。前述の通り、ロンフェイとは何度も何度も対決しているジミーさん。大抵ジミーさんが勝っちゃう訳なのですが、今回は二刀流対二刀流でした。そして夜の暗闇対決というのが新しかったのかも知れません。

このままでは終わりはしません、ジミーさん。ここも計算尽くであるのか、大がかりなセットでどこかで見たようなセットでしたがここで決着となりました。あーあ。

 

 

それでは、また次回の記事で!!さらばじゃ


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パッケージ画像がありませんが、オリジナルポスターをあしらったデザインのDVDです。 

セブン・ウォリアーズ 戦神灘 [DVD]
ジミー・ウォング
キングレコード

 

 


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このテーマ曲がどこからか流れてくると、もう鳥肌モノですネ。

スカイ・ハイ デジタル・リマスター [DVD]
デヴィッド・ハネイ,アンドレ・モーガン,ブライアン・トレンチャード=スミス,レイモンド・チョウ,ジョン・フレイザー
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

 


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ジミーさんとジャッキーのコラボ(通算2回目です)。日本語音声入り

ジャッキー・チェンのドラゴン特攻隊(日本語版) [DVD]
ジャッキー・チェン,タオ・ダ・ウェイ,ブリジット・リン,ジミー・ウォング,チャン・リン
FILMEDIA

 

 


 

 

 

 

 


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