らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

F.シューベルト 弦楽四重奏曲第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」 Vol.2

2012年04月14日 23時59分11秒 | クァルテット
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F.シューベルト 弦楽四重奏曲第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」

 昨日の続き。

 F.シューベルトの弦楽四重奏曲第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」と第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」は同時期に作曲されてゆきます。性格の異なる複数の作品を同時に作曲して、そのどれもが名作として扱われるというのは、作曲家の頭の中はどうなっているのでしょう?L.v.ベートーヴェンも交響曲「運命」と「田園」をほぼ同時期に書いていますので、作曲して行き詰まったら(彼らがそうだとは言いませんが)別の作品を作曲しつつ、息抜きというか頭をクリアにして、またさっきまでの作曲活動に新鮮に立ち向かえるのかもしれません。私達演奏家も同時に複数の曲を練習する事は常ですからね・・・・。

 さて話を「ロザムンデ」に戻します。曲の構成は4楽章からなり、
第1楽章:Allegro ma non troppo、第2楽章:Andante、第3楽章:Menuetto – Allegretto – Trio、第4楽章:Allegro moderatoとなっています。

 この曲は、第2楽章の主題に劇付随音楽『ロザムンデ』からとられている事から、こう呼ばれています。逆との説もあります~こちらが先で後から劇付随音楽の方に主題を転用した説です。

 F.シューベルトは、生存中にはあまり作品を評価される(友人からなどからのは、除いて)事が少なく、存命していたL.v.ベートーヴェンなどの陰に隠れていました。弦楽四重奏曲は、作曲者存命中に一般公開初演をされたのは、この「ロザムンデ」だけで、L.v.ベートーヴェンとも関係が深かったシュパンツィヒ弦楽四重奏団より、1824年3月14日に初演されています。

 初演や出版などが遅れていたF.シューベルト作品は、楽譜的には確実な見解がされておらず(出版の際に作曲者と出版社との打ち合わせなど)、曖昧な書き方の部分が多く残っているまま、現在出版されている楽譜につながっているように思えます。例えば、アクセントとデクレッッシェンド記号がどちらかなのか?わからない部分とか・・・・、スラーの有無、ダイナミクスなどの種々の問題などなど・・・。出版会社の雇っている解釈人によって、だいぶ楽譜の風景が違ってきてしまうわけです。その曖昧さがF.シューベルトの魅力につながっている所もあると思えますが、演奏者の方で自分の覚悟を決めて解釈してゆかなければならない部分が多いのです。そういう謎解きは私の興味を大変そそりますが・・。

 山形Qの演奏はどうなるでしょうかね?後14日!ちょうど2週間となりました。
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