らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

ひとまず

2008年11月14日 21時53分39秒 | 山形交響楽団
 本日の酒田市内での音楽鑑賞教室で、山形響は今年の音楽鑑賞教室の全日程が終了しました。以前なら今年度の音楽鑑賞教室が終了しましたと書ける所ですが、来年の2月・3月あたりに文化庁派遣の音楽鑑賞教室が実施予定になっているので、ひとまず今年は終了という事で・・・・。

 山形県の気候のため、真夏と秋~春までは山形響では体育館音楽鑑賞教室は行わないようになっていました。冷暖房設備の無い体育館で行う音楽鑑賞教室は、演奏者側にも聴衆側にとっても音楽を鑑賞する環境ではないと言えるので行ってこなかった経緯があります。

 私達弦楽器奏者にとっては、楽器のメンテナンスの面から考えても当然の事でした。高温多湿や暖房をいれた体育館の異常な乾燥は、「木」という素材で出来た弦楽器にとっては最大の敵です。ニカワが剥がれるくらいなら修復が出来ますが、実際私の楽器は割れてしまった事があります。直せるとしてもそれだけで何百万円もする大切にしていた楽器の価値が下がりますし、楽器が壊れる前の最高の音に戻す事はほとんど不可能です。

 この事は誰が責任をとってくれるのでしょうか?私だけの責任でしょうか?

 結局、演奏者の自己責任という見解しか示してこない山形響の事務局には多少腹がたちますが、今の所、団員は自己防衛をするしか無いようです。

 一番てっとり早い方法は体育館での音楽鑑賞教室において、安い量産の楽器を持っていくしか無いという事です。「本物の舞台芸術を目の前で」という文句で音楽鑑賞教室を行っているのに関わらず、質を落とした形でしか子供達の前に立てないという悲しい現状が有ります。

 団員の中にはそれでも自分の何千万円もする楽器を持って行き演奏する方々もいますが、私には出来ない事です。毎年のように楽器が壊れてますから。二度と出来ません。

 それでも国は、(そもそもお役所の役人が決めているので現状をリサーチしているとは思えませんが)冬の体育館での音楽鑑賞教室に行けと言うのです。事務局側はもちろん仕事(お金)になりますから仕事を断るわけがございません。結局すべての負担は我々一般の団員に降り掛かるのでした。チャンチャン。

 
コメント (2)
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