らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

クァルテットの本 vol.2

2008年11月03日 23時20分53秒 | クァルテット
 昨日の続きです。
 もちろん弦楽四重奏というジャンルは(他のクラシック音楽も当然)生演奏の方が聴いていて何倍も面白いのですが、家のステレオで聴くCDは、どういう風に選択すれば良いのでしょうか?古今の名クァルテットが星の数ほどのCDを出している中で、最初は誰でも迷ってしまいます。ちなみに私が最初にこのジャンルに興味を感じた時は、「安いから」とか「名前を聞いた事があったから」という理由で買っていました。所謂ジャケ買いというのも一つの手かもしれません。「このチェロを抱えた男の人がかっこいいから」とか「ヴァイオリンのお姉さんが美人だから」でも良いのです。

 でも少しでもどんな傾向の音楽を奏でるか?という知識が欲しい人は、(上の写真)幸松肇氏著書「世界の弦楽四重奏団とそのレコード~ドイツ・オーストリア編」をすすめます。幸松肇氏については当ブログで何回かとりあげてますし、その作品も山形Qの定期演奏会でとりあげました。今年一番演奏した作曲家です。以前お会いした時に他の国編も期待しますと無責任にお願いしたら、この本を書くのに膨大な資料が必要だったとお聞きしました。この本を読んで、「あたりをつける」のも一つの手でしょう。この本は、本屋さんでまだ手に入れる事が出来ます。

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 次の本は、これまた廃刊本です。涙。「クァルテットの技法~グァルネリ弦楽四重奏団と語る」ディヴィット・ブルーム著/久合田緑訳です。
     

 Amazon等で手に入れる事は出来ますが、もの凄く値段が上がっています。古本屋さんで見かけたら買っておいた方が良いかもしれません。

 この本は、アメリカのグァルネリ弦楽四重奏団のメンバー一人一人がインタビューに答える形の本になっています。具体的な曲をとりあげて、「この部分はこう演奏する」とか「具体的なクァルテットの運営方法」など団体の秘密と言える部分を多く語っています。実際弦楽四重奏を演奏している私達にしてみれば、大変興味が引かれることばかり書いてあります。

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次は、「クァルテットのすべて~スメタナ弦楽四重奏団は語る」長谷川武久・武藤英明共著です。
     

 この本は、日本では爆発的な人気を誇ったスメタナQの解散に伴い書かれた本で、この名クァルテットの音楽と歴史みたいな本です。(乱暴な解説ですみません)。この本もメンバーがインタービューを受ける形になっています。グァルネリQの本に比べて、具体的な譜面は出さずに音楽の素晴らしさを永遠と語っています。こちらの本の方が演奏する人でなければ、楽しく読めるかもしれません。

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 最後にとりあげる本も廃刊本です。廃刊本ばかりとりあげてぇぇえ!と叱らないで下さい。出版社に手紙を出しましょう!!

 「黒沼俊夫と日本の弦楽四重奏団」渡辺和氏と幸松肇氏の共著です。前半と後半で著者が違います。
     

 定価3500円の本がAmazonnでは10万円を越えています。凄いなぁ・・・・・。

 両親が山形県出身のチェリスト黒沼俊夫氏の生涯を綿密な取材で書いている前半(渡辺和氏)。後半は日本のクァルテット博士と言われている幸松肇氏が書いた日本の弦楽四重奏団の歴史。読んでいて興味はつきる事がございません。この本は、以前から所有していたものの読んだのは実はここ2・3年前です。読破してから、この本に出てくる人達に裏を取る事が一時期楽しかったです。

 大袈裟に言うと、私達が今一生懸命やっている山形弦楽四重奏団の山形に置ける存在意義みたいなものを示してくれています。この活動の火を消してはいけないという事をますます感じる事が出来ました。

 私にとっては、これ以上の本はありません。しかしもう手に入れる事はとても難しいです。とても残念です。

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 実はまだまだクァルテット関連の本はあるのですが、少々専門的すぎて一般の人には難しいと予想されますので割愛します。今回とりあげた本は、クァルテットをこれから聴こうかなという人には読みやすいと思います。(諸井氏の本は除く)だからこれらの本は、いつまでも出版され続けていて欲しいと思い記事を書きました。

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コメント
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