秘書検定 50*『美化語』 (1)尊敬語・謙譲語Ⅰとの違い

2014-11-02 | 秘書検定
 尊敬語 に始まり、謙譲語Ⅰ謙譲語Ⅱ、そして 丁寧語 へと進めて参りました敬語シリーズ。

5種類の最後は、以前は 丁寧語 に含まれていた 美化語 です。

その名の通り、ものごとを美化して述べるときに用い、特に女性が多く使うのが特徴です。

名詞の前に 「お」 または 「ご(御)」 を付けて、ものごとを美化することにより、

それを述べている自分まで上品に見せる効果があるのですから、上手に取り入れたいものです。


 さて今日は、美化語 と、尊敬語謙譲語Ⅰの 「お」 や 「ご(御)」 との違いを確認しましょう。

1 尊敬語 の 「お」 「ご(御)」 は、行為者や所有者を立てる ときに用います。

 (1) お ・ ご(御) + 名詞         「(お客様からの)お電話」 「(先生からの)ご挨拶」

                          「(お客様の)お名前」 「(先生の)ご住所」

 (2) お ・ ご(御) + 動詞  
 
     ① お ・ ご(御) ~ になる     「お読みになりますか?」

     ② お ・ ご(御) ~ なさる     「ご出席なさるそうです」

     ③ お ・ ご(御) ~ くださる    「ご了承くださいませ」


 (3) お + 形容詞 ( 形容詞 に、ご(御)は付きません)

                         「お美しい方ですね」

                         「お忙しいことでしょう」


2 謙譲語Ⅰ の 「お」 「ご(御)」 は、向かう先を立てる ときに用います。

 (1) お ・ ご(御) + 名詞         「(お客様への)お電話」  「(皆様への)ご挨拶」

 (2) お ・ ご(御) + 動詞     

     ① お ・ ご(御) ~ する      「お持ちしましょうか?」

     ② お ・ ご(御) ~ 申し上げる  「ご案内申し上げます」

     ③ お ・ ご(御) ~ いたす     「ご説明いたします」 ( 「いたす」は 謙譲語Ⅱも兼ねています)


 以上は 尊敬語謙譲語Ⅰ に付く 「お」 や 「ご(御)」 であり、美化語 ではありません。

それでは、どのような 「お」 や 「ご(御)」 が 美化語 に該当するのかと言いますと、

もともと 「お」 や 「ご(御)」 が付いている、あるいは自然と付けてしまう、、とでも申しましょうか。

たとえば、 ごはん    おにぎり    おでん    お茶    お酒  

これらは 尊敬語 でも 謙譲語Ⅰ でもなく、どちらかといえば 丁寧語 に近いように思えますが、

丁寧語 ( です ・ ます ・ ございます ) が、相手に対して丁寧に述べるもの であるのに対して、

美化語 ( お ・ ご(御) )は 、ものごとを美化して述べるもの と位置づけられています。

「丁寧に述べる相手」 の有無に関わらず使えるという違いが 丁寧語 から分類された所以なのかも知れません。


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