京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 朝顔・最高の初咲き一輪

2009年07月19日 | 日々の暮らしの中で
「朝顔の夢を見た。」 
伊集院静氏の『少年譜』収、「朝顔」の冒頭の一文だ。
少年時代の主人公が血のつながらない弟と次々と朝顔の花を摘んでいる。祖母の顔が思い浮かび、いい気味だと感じる奇妙な夢を……。

花を通して人を偲ぶのか、花がひとの思いを抱え込んでくれるのか…。
 
今朝初咲きの、一輪。
十七ヶ月の夢から覚めた亡き弟がそこにいるかのような、不思議な感慨が胸に満ちて来る。

やわらかく広がった花弁。白くなった中心部のまっ白な花芯に向かって見入ってみれば、その根元の先にはどこかに続く通路があるような気がしてくる。と、「ご案内しましょうか」と花の精の声がするような。
「永久に目をつむった時、案内を乞うしかないでしょう」と返すのが、石垣りんさんの「ねむの花」の世界だ。

今にもクタッとしそうな茎に半信半疑だったとき、「必ず咲くからあきらめないで」と支えられ、覗き込んでは一日一日確実に育っていることに小さな安堵の繰り返し。咲いてほしい、その一念が咲かせた一輪。
何よりも、「愛情の絆」「愛着」「固い約束」・・こんな花言葉がつながった思い入れの深い最高の一輪である。

今朝は寝坊しました。何時に起きたかって、そんなことは言えません。Jessieが不在につき、静かに、ぐっすりと眠りほうけてしまいました。
必ず早起きする意思はあったのですが。朝顔さん、ごめんなさいね~。

                (写真右は、前日夕刻のつぼみ)
コメント (6)
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