京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 手話で

2013年11月29日 | JessicaとTylerの日本滞在記
 

                                     
月2回ある絵本点訳の例会日。先日は欠席の連絡すら忘れるうっかりミスをした。夜の活動とあって、日の暮れが早くなりかける時季からどうも足が遠のきがちになる。さらにここにきて、しばらくは欠席が続きそうだ。

今年も、この1年間に会員が点訳し終えた絵本を京都ライトハウス内にある「あいあい教室」を利用される子供さんたちのもとに届けられる日が近づいてきた。欠席しようかと思っていたところ、Jessieを連れても一向に構わないということで、それならお言葉に甘えようかと参加を決めた。ホテルで、気楽なバイキングでの昼食会が予定されている。その際、Jessieにぜひ会ってみたいと言って下さる友のお誘いが発端だった。娘やTylerも一緒にとはさすがに遠慮したが、Jessieは事情も知らぬままに行きたいという。
目が不自由な人たちがどうやって本を読むのか。「点字」という文字があること、点字で絵本を読む子供たちがいることを話して聞かせていた。

 と、先日Jessieが私に尋ねてきた。
「耳が聞こえない人はどうやって話すか知ってる?」
「手話のこと?」
「うん! Jessie知ってるよ。あのね、○○○○○って時はね、こうやってこうこうこう。。だよ」
 手振りで説明してくれる。
「なんで知ってるの?どこで覚えたの?」
 音楽の時間に「さんぽ」(「となりのトトロ」より)を手話を交えて歌ったということだった。

覚えたてのJessie。来月8日、あいあい教室を訪ねるときに同行させようと楽しみにしている私。
何を教えようというのでもないが、何かを知ってくれるかもしれない。
                                           (写真は11/23奈良へ)

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 平凡さを

2013年11月25日 | JessicaとTylerの日本滞在記
昨日午後、大阪での仕事帰りに息子が顔を見せてくれました。
朝から待ちわびたJessieは大喜び。初対面のTylerは、きょとんとした顔で見上げてはプイッと横を向いたりしていたのですが、じきに笑顔を浮かべて隣を離れない親しみを見せていました。なかなかフレンドリーだった2歳児、「男同士」ということで何かあるのでしょうか。
息子にしても、二人がいればこその途中下車だったでしょう。年末にはゆっくりと過ごせることを期待して…。


久しぶりの雨降りとなった今日。何をするでもなく家にいて、結局何もしないで一日が終わりました。
Tylerは昼寝、母親は読書。私は、…この間なにをしていたのだったか。非日常にも、訪れる平凡な日々はあります。マイナスよりプラスを数えて、これに尽きるようです。

でも、・・・ I have to do my homework …. だめだめ! 「でも」はいけませぬ。これ以上は言わずに、この平凡さをいとおしんで…。
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 晩秋に

2013年11月22日 | JessicaとTylerの日本滞在記

めきめきと言葉数が増えています。発音が鮮明になり私の「聞く力」もついて、tylerとの会話を楽しめるこの頃です。晩秋の一日、おにぎりを作って母親と植物園に遊びに出かけました。何か歌を歌っているのだそうです。

Jessieが予定時刻より早く、しかもいきなりクラスの友達と「ただいまー!」と帰宅したのには驚かされました。その後は、誘い合わせた約束の公園で暗くなリかけるまで遊んで戻ってきました。一人では公園から帰れないので、母親とTylerも同行です。
夕食後のデザートのケーキをフォークで上手にひと口ほおばると、右手を胸に当て「おいし~~い」とにっこり! なんとも言えない笑顔をして見せてくれるTylerでした。このケーキは、小学校生活を楽しんでいる様子を嬉しく見守るみんなの気持ちの贈り物です。


賑やかで楽しい一日があっという間に終わっていきます…。
夜8時、いつまでたっても寝ようとしないTylerを寝せるために家中の電気を消して「一時就寝タイム」が始まります。それに今夜は、母親がサスペンス劇場が見たいということもあって、寝たふりに必死です。おかしい~。

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 こらえても笑いが

2013年11月18日 | JessicaとTylerの日本滞在記

Jessieの小学校生活はおかげさまで順調です。

今日は学校帰りに、クラスのお友達の家に直接お邪魔をすることになってしまいました。ランドセルを背負ったままでしたから、これはまずかったか? また、Jessieの父親は子供だけを登下校で歩かせることに反対しています。オーストラリアでは必ず送迎をしていることもあって、一人にすることを心配します。 内緒、ということにしておけるでしょうか。
給食も「お変わりをしたい人」にいつも手を挙げているのだそうで、「だって美味しいから」とにこにこ顔です。息を弾ませ、小鼻を膨らませて興奮気味に学校の様子を話してくれています。

オーストラリア現地での学校と土曜日だけ通っている日本語補習校と、この両方の宿題を持ってきており、「マミィちゃんセンセ」の厳しい指示のもと、帰宅後のおベンキョ―も大変です。そこに、初めてのピアニカの練習や教科書の音読も加わります。
家庭学習に要する時間だけは、なかなか優秀な??小学生に入りそうです。

「これなにー?」と「What's that?」を併用するtyler。英語の歌を体全体でリズムをとって歌ってもみせます。小さくても自然とこうした使い分け?をする脳の不思議フシギは、見ていて本当に楽しいことです。少しづつこの子が言うことを理解できるようになりました。やってきてまだ日がありませんが、日本語の発音もはっきりしてきたのかもしれません。

 

             (ジェシを迎えに学校まで。公園で遊んで待っています)

今夜は、お相撲さんの土俵上のポーズを突然真似しだしました。足を開き腰を落とし、両手を左右に広げた恰好で固まっています。そして、自らの「レディー、ゴー!」を合図に前に倒れ込むのです。「タイラー、塩をまかなくちゃ」「もう一回やって」のリクエストに何度も応える演技派は、えくぼをへこませてにっこりの器量よし。もう、かわいいこと~。思いがけない所作に、こらえても笑いがこぼれます。時には大爆笑の賑やかさが我が家を包みこみます。

平素の淡々とした暮らしぶりからすれば、まったくもって非日常。が、明日はちょっと私の時間をもらって大阪まで…。




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小学校登校の日

2013年11月13日 | JessicaとTylerの日本滞在記

11月10日午後6時20分、飛行機は予定通り無事到着。不覚にも、出口から出て来たのを見落としたのは私の方でした。
居場所を母親に教えられたのでしょう、Jessieが小さな男の子の手をとってすぐ近くまでやってきていました。気付かずにいたものですから驚く私の前で、Jessieの目は笑っていました。

ウン!? Tyler!? もちろんTylerに違いないのですが、一瞬戸惑いました。ってことは、Tylerも「この人だれ?」って感じの表情を浮かべて、顔を少しそむけてプイとした恰好で立ちつくしていました。想像していたよりも小さくて、そうか2歳はまだこんなに小さいんだなと改めて…。長旅の疲れもあることでしょう。身動きもせずにいる幼い子が愛おしくもありました。
双方にちょっとした「距離」があった到着ロビーでしたが、昨日よりは今日と、これから日増しに二人の仲も近づけてくれるのでしょう。まだまだ「マミィちゃん」でないと抱っこも嫌がり、てこでも動かないことがあります。えくぼを浮かべてにっこり、のときはとてもかわいいのに。


Jessieは今日から小学校へ通い出しました。2年1組です。
クラスでの席は、短期通園していた幼稚園で仲良しだったAちゃんの隣。彼女は、「あのジェシーかな?」と楽しみにしていてくれたようです。前日母親と学校へご挨拶に伺った際に出会い、声をかけてくれたAちゃん。迎えにこられていたおばあちゃんのお話では、「やっぱりあのジェシーだった」。「わたしもオーストラリアに行けるように英語をしっかり勉強するわ」と言いだしてると。
クラスでもオーストラリアの学校の様子を様々に尋ねられたらしく、子供たちにはたくさんの関心がありそうです。下校時にはクラスメートに囲まれて校門まで歩いてきました。
よい出会いが生まれてお互いが楽しい体験としてくれるのなら、見守る者としてはとても嬉しいことです。

楽しくスタートしました。帰ってからの表情がとても明るいのがわかります。宿題で国語の教科書、「秋の一日」を音読していました。
楽器店でピアニカを買って帰りました。Jessieには初めて見るものです。
Tylerは、「ジェシー、ジェシー」と泣きながら姿の見えない姉の名前を呼んでいました。

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 3つ寝たら

2013年11月07日 | 日々の暮らしの中で
組み込まれた外出予定をこなし、その合間には、カレンダーの「10」の数字をぼんやりと見て、迎え入れる準備の段取りなど考えてきました。そして、せわしなくここ何日かを奔走…、一人大奮闘?してきました。

かさばる布団や毛布を干し終わってみれば、雲行き怪しく、雨!? 濡らしてなるものかと大慌てで取り込んだてんこ盛りの寝具。雨は?…。何をしていたやらで、再度干す気力も失せました。
せかせかと駆け足で過ごしているときは立ち止まることを忘れてしまい、どこか大雑把さが出ているかもしれません。車で幾度か通っている北山通りや白川通りですが、街路樹がすっかり色づいていました。それは美しいです。いつの間に…。あくせくした日々とは対照的な、自然のおおらかなおおらかな時間の営みを感じます。秋のもの寂しさどころか温かくねぎらってくれてるかのようでした…。

明日は大阪まで小一時間の旅の日。提出物も整えられて、ようやく豆台風が襲来する寸前のドキドキ感を味わいかけています。
まだもう少しあった「その日」が、いよいよこちらを向きました。8、9、親指に人差し指、2本の指を折って…3日後、10日の晩にはJessieとTylerと、娘も一緒ですが、2年ぶりに対面です。ほんまに、ようやくドキドキしてきました。

 4、5日前、Jessieが「(日本に行くことで)ドキドキドキドキ。心臓がドキドキしてきた」と言ってることを母親から伝え聞いていました。

 Tylerがなんと言っているのかはわかりません。関西空港で私を見て、どんな表情をするのか。お姉ちゃんとは8年ものお付き合いがあるのですから多めに大切に、ハグハグでしょうか。
「ものすごい荷物なのよ、私たち~」とJessieが笑って言います。
       
   (写真は、日本語補習校運動会でのJessie左端とハロウィンでスパイダーになったTylerです)
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 「古典の日」

2013年11月02日 | 講座・講演

11月1日「古典の日制定記念 古典の日フォーラム2013」が京都コンサートホールで開催されました。
古典の日推進よびかけ人の瀬戸内寂聴さん。小学生の頃に因幡の白ウサギを演じた思い出を通し、「日本人はみんな小さいうちから知らず知らず古典にとりまかれて成長しているものなのですね」と。古典を誇りにして後世に伝えようと、ご挨拶がありました。

クラッシック演奏のあとは、女優の浅野温子さんの古事記を題材にした読みがたり、「大国主神 義父が与えた最後の試練」です。舞台を大きく動き回りながら感情豊かに1人3役を演じ分けて、迫力もある素晴らしい世界に誘われました。現代的な解釈、わかりやすい言葉での脚本だったから尚更です。素足にジーンズ、白のブラウス姿で登場でした。

そして、作家の浅田次郎氏が「私の中の古典文学」と題して講演されました。今、多くの小説が書店に並ぶ。商業ベースによる淘汰もあるが、それを読む人の力による淘汰もあるのだと。消えずに100年、500年と読み継がれる作品のすごさ…。
「芸術は娯楽で、人生を豊かにする最高のもの」だから楽しむことが大切。小説を書くときには自分の憲法を作っているそうで、改憲のないその3本の柱に「美しく書く・わかりやすく書く・面白く書く」を挙げてお話でした

文章を書き足すのではなく、不要な物をすべて除き真髄を見つめていく「平家物語」の文章。中島敦『山月記』の書き出しに見る無駄のない、美しい文章。史記の読み下しぶんの美しさ。陶淵明の美しい詩。陸游。芥川龍之介作品の無駄なく的確で、気品のある美しい文章。
古い作品をに学び、言っても言っても言い足りぬで膨らんだ文章ではなく、3行書くところをなんとか1行にできないものかと文章を練ると。手書きの作家です。

歴史に淘汰されてきた古典を咀嚼しながら伝えていく。それには「読む時間」を作ることで、それが古典を伝えることになるとも…。
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