三輪車や小ぶりの自転車が無造作に置かれた玄関。そこに虫取り網が一本立て掛けてあったりする夏。どんな家族構成だろうかと想像する通りすがりの家。温かなにぎわいが家を包んでいる。
平素は、淡々と単調な繰り返しになりがちな我が家に小さな靴下や肌着が干され、玄関に愛らしい靴が並ぶ。時には脱ぎ散らかしたままで。おもちゃが散乱し、譲り受けた三輪車のかごには泥が積もっている……。幼子がいるがゆえの生活風景が、相当なエネルギーと共に繰り広げられてきた。
とはいえ、心に華。それがひそかに誇らしく、悲鳴を上げそうなほど錆びかけていた心にも、みずみずしい感覚がよみがえる。静かな家に声が響き、笑いが渦巻いてきた。
一ヶ月後にはこれが消える。ある日を境に、ぷつんと切れるのだ。一日一日、柔らかな優しい時間をたくさん過ごさなくては。大切にしなくては……。
トーチのごとく掲げて七夕の笹飾りを持ち帰ったJessie。門口に立てた。「ありがと~う」
さらさらとした葉音とともに、もろもろの飾り物が揺れているけれど、Jessie、願い事はなに?短冊にはなんて書いたの? ― 口にしない。秘めごとか?
一般に人の心は山や川よりも険しく、天の運行を知るよりも難しい、とか。三歳児だ、まさか心まで厚化粧して本心を見せないなどということはない。単に、わかっちゃいないというところだろう。
朝から時折雨に見舞われた今日。笹飾りが雨に濡れていないかをしきりに気にしていたが、星が出ているかも確かめず早々に床についた。
お星さま きらり♪・・・ どんな夢をみているのかな Jessie~
平素は、淡々と単調な繰り返しになりがちな我が家に小さな靴下や肌着が干され、玄関に愛らしい靴が並ぶ。時には脱ぎ散らかしたままで。おもちゃが散乱し、譲り受けた三輪車のかごには泥が積もっている……。幼子がいるがゆえの生活風景が、相当なエネルギーと共に繰り広げられてきた。
とはいえ、心に華。それがひそかに誇らしく、悲鳴を上げそうなほど錆びかけていた心にも、みずみずしい感覚がよみがえる。静かな家に声が響き、笑いが渦巻いてきた。
一ヶ月後にはこれが消える。ある日を境に、ぷつんと切れるのだ。一日一日、柔らかな優しい時間をたくさん過ごさなくては。大切にしなくては……。
トーチのごとく掲げて七夕の笹飾りを持ち帰ったJessie。門口に立てた。「ありがと~う」
さらさらとした葉音とともに、もろもろの飾り物が揺れているけれど、Jessie、願い事はなに?短冊にはなんて書いたの? ― 口にしない。秘めごとか?
一般に人の心は山や川よりも険しく、天の運行を知るよりも難しい、とか。三歳児だ、まさか心まで厚化粧して本心を見せないなどということはない。単に、わかっちゃいないというところだろう。
朝から時折雨に見舞われた今日。笹飾りが雨に濡れていないかをしきりに気にしていたが、星が出ているかも確かめず早々に床についた。
お星さま きらり♪・・・ どんな夢をみているのかな Jessie~