今日は常より少しだけ早起きした孫娘。2年間過ごした大阪の中学校時代の大親友二人と十三で合流し、遊びに行くらしい。鏡の前で身支度に余念がなく、甘い香りをふあ~んとただよわせ、「行ってくるわ」と出ていった。
「友情というのは、これはすごいタカラモノ」(聖子さん)
なので、土曜日だから書評欄を楽しみに、ゆっくりと新聞を読んだ。
先日、澤田瞳子さんの新刊本を書店で見かけたところだったが、その『月ぞ流るる』について語る記事が目に留まった。
〈「どんな人間にもその人しかできないことがある。何か一つは、成し遂げられることがある」。そんな思いを胸に、平安時代の宮中に生きた朝児(あさこ・赤染衛門)の半生を長編小説に描いた〉とある。
2019年12月、参加した講演会で澤田さんは、「今、『栄花物語』(作者は赤染衛門とされている)を読んでいるところです」と話されていたのを覚えている。
興味のあるタネを見つけても、熟成を待つ。小説になるまでには何年もかかることがあるとはよく耳にすること。
あのときからずっと構想を練られていたのだろう。いずれ拝読したい。
先月から読み始めた『花鳥の夢』。
文庫本の解説は澤田さんだった。
『等伯』で直木賞受賞された安部龍太郎氏は、インタビューで「等伯は私である」と述べられたそうで、その言葉を引いて、「〈永徳は山本兼一である〉と断言したい」と書いておられる。
ただこのところ毎夜、ページを戻って内容を確認しているうちに眠気に負けている。
昼から、寺子屋エッセイサロンで寄り合って楽しんだ。
貴船に行ってみたいというリクエストに応えた先月30日。
私は二十歳の12月、所属していた研究会の仲間とここを歩いた。
それ以来の再訪を孫娘と楽しむ。
「人生はトシ相応のタカラがゆく手行く手に埋められてある」