京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

大晦日

2023年12月31日 | 日々の暮らしの中で


孫娘はそばが苦手。一人だけ年越しうどんを食す。一人分にかける手間を思ってか、母親もちょっとした嘆息をついていたものだ。
つるつると蕎麦とうどんで楽しい大晦日の夕餉。身体も温まり、やけにおいしくいただいた。



   灯台もとくらしと
   申せども
   南無阿弥陀仏の御ひかり
   わが身の闇の
   隅ずみまで
           榎本栄一



 どうぞ良いお年をお迎えください。

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K・I・K

2023年12月28日 | 日々の暮らしの中で

年の暮れの小春日、穏やかな日だった。
「しらじらと障子を透かす冬の日」、ほっこりと安らいで、籠り居たまま本など読んでいたい気にもなるが、いよいよお正月までの日数を指折り数えられる数え日の頃となり、用事に追われて落ち着かない日を送っている。

それでも人並みに、ふとこの一年を思い返す瞬間も生まれる。が、やっぱりじっくり振り返るには年が明けてからになりそうだ。

先日何だったか?のテレビ番組を見ていた時、
ミュージシャンDAIGOさんが「K・I・K」、「今年一番の感動」と、頭文字をとって表現したのを思いだして、わが身に引き寄せ、さあて何だろうか…と考えてみていた。なんだろか、一番感動した出来事は。

孫娘Jessieが「K・I・D」、今年一番の「出来事」として高校卒業を挙げた。
産院の廊下で産声を聞いたときからのお付き合い。成長を喜ばせてもらうなか、彼女が一人我が家にやってきていることは大きな出来事にもなる。
家族を思い、弟たちへのお土産もたっぷり買い込んでいる。


                        小林良正さんが言われる。

では、今年一番の「出会い」はどうだろう。読書を通じてもあったような気がする。
やっぱりゆっくり考えられない。

比叡山に靄がかかっているように見えた。
明日は東本願寺に孫娘も連れ立ってお参り予定でいる。

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幸せはそこらじゅうに

2023年12月26日 | 日々の暮らしの中で

真っ青な空に、梅の老木は、細い枝先にあらん限りの生命力でふいた紅い小さな芽を手向けている。ほのかな明るみに、春の訪れを待つ気持ちが膨らむが、
Jessieの帰国も早まりそうだ。樹皮だけのような古木に負けてはいられない。年末年始に向けての順備を進める。

幸せはそこら中に転がっている。孫娘と熊手でジャリジャリと大きな音を立てながら、境内に散った枯れ松葉などを掃き集める。
こんな作業一つでも、この先再びあるかどうかの一日となる。

「嫁ぐ娘に忘れず持たす数珠一つ」と。
 「Jessie、お経を倣って仏教の勉強もして、どう??」
「いややわ~ ハハハ」と笑って逃げる。


今日は息子の誕生日。
先日、Jessieと一緒にメッセージカードを作って、包装し、宅配便に託した。ところが、本人はすでに異国の地だった。
(あーあ)だわ。

ま、自然の流れに任せて、フフフとしか言いようがない。
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扉の向こう側

2023年12月23日 | 日々の暮らしの中で
孫娘Jessieと街を歩いていて、繰り返し「何が欲しい?」「これはどう?」と尋ねてくれていた。けれど、正直なところ私には何も欲しいものがなくって、かえって困り顔をつくらせてしまう。

暖かそうなセーター。お金が貯まりそうな?財布。私にはそれ相応に暖かく着ているセーターもあるし、身辺、必要なものは不自由なく揃っている。だから…。でも、気持ちを無にするのもさびしい。困った。で、ふっと思いついた。
「Jessie、欲しかった本があるのよ。それをプレゼントしてくれない?」


14歳でパリに向かう一人旅の列車内で出会ったイタリア人の老人。家出娘かと思い、身を案じてくれていた彼との出会いが、イタリア暮らしのきっかけとなり、より深い縁を結んでいくことになったという漫画家のヤマザキマリさん。
漫画家としての作品は知らないが、日曜美術館や他のテレビ番組で著者の言葉に触れ、書評を見て関心を持っていた一冊だった。
だから私の ブックサンタさんになってもらうことにした。(『扉の向こう側』ヤマザキマリ)

「完全な偶然の中で知り合う他人というのもまた、見知らぬ土地への旅と同じく、自分の人生観や生き方を変えるかもしれない要素を持った、未知の壮大な世界そのものなのだということを、自分の人生を振り返ると痛感させられる」
パラパラと繰ったページの末文に記してあった。

「無理に開こうとしなくても、何気ない小さな変化からでも、自然に開く扉がある」
じっくり築いた関係もあれば、一期一会の出会いもあって、「扉の向こうに広がるのは人のお話」、と。

大学進学後の専攻分野を尋ねてみれば、履修の課程で知るところを話してくれる。社会人としての道を見据えた4年間であってほしいと願っている。
憧れや夢を失わず、いつも希望を道づれに - 木津川計さんが言われていたな…。

本当なら本人さんにも読んでみてほしいが、日本語での読書はイマイチ。いえ、イマイチどころか、ダメみたいなのが残念。
大事に取っておくのもよいが、娘に回そうかな? 



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青い空に五重塔

2023年12月21日 | 催しごと
風があり空気も冷たいけれど、広がったこの青空。


毎月21日は東寺で弘法市が開かれるが、年内最後のこの日は「終い弘法」としてにぎわう。
正月用品を買い求めることより、この風物詩を単純に楽しみ、人混みの中に身を紛れ込ます。
店主と客の会話を聞くともなしに聞き、両者の目の先にあるものを覗く。値段を知るや孫娘と目が合い、「高いな」と言ってくる小声に「うん。そんなもんよ」と笑って返す。

アンティ・ダイ(ダイ叔母さん)へ、お土産として求めるのは花器だったが、孫娘の若い感性を動かすような出会いはなかったとみえる。たしかに、ここではちょっと無理かもしれない。
    
      終い弘法母へお皿の二、三枚    陽山道子


四条に移動して…。
11月初め、「キューピーちゃんの続編やね」「ツバキ文具店の続編の続編? 再婚して連れ子にキューピーちゃんがいたよねえ」
と言ってきた娘。キューピーちゃんを知らなくて、話についていけなかったが、ようは『椿ノ恋文』が読みたいということらしく、リクエストの本3冊を購入。

 
「TylerとLukasの天才教育でも始めるんやろか」
Jessieと書棚から探し出した本のページをパラパラとめくってみた(こんなん知らんわー)。


クリスマスが近い。Jessieの希望をかなえてサンタさんになろう。
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“wow, really!?“

2023年12月18日 | こんなところ訪ねて


定朝が持てる限りの技を以て制作した本堂の棟の鳳凰像、堂内の四方の壁の52体の雲中供養菩薩。中でも目を引く螺鈿の須弥壇に安置された阿弥陀如来像。

開眼供養を半月後に控えて- 
白々とした朝日が、磨き上げられた本堂の板間に、淡い影を落としている。
 臈長けた鶯の鳴き声に眠りを破られ、定朝は背を預けていた板戸からはっと起き直った」

『満つる月の如し 仏師・定朝』(澤田瞳子)の物語はこう始まる。
定朝がもたれて眠っていた板戸とは、このあたりか?などと、作品読後の思いに酔いながら平等院鳳凰堂を参拝したのは’20.2.18だった。

この日は孫娘と一緒に。
墨を流したような空のもと、境内地内を巡っていたところ、この世に花を絶やすまいと?たんぽぽ一輪、返り花が咲いていた。

10円玉に刻まれた鳳凰堂、1万円札にみる鳳凰の姿。父親にちょっと自慢気な写真を添えて・・・
“wow, really!?“ うーん、反応は…ちいさい、いや…フツー、か。
知らなかったとだけは言える。


参道脇に並ぶ店先で、おいしそうな抹茶のパフェに引き寄せられて入ったのは、三星園上林本店さん。
「16代目で日本で一番古い茶どころ」 「利休がのんだお茶はここの」
「最古だから! わかるでしょ?」
「どこへも下ろしていないから、ここでしかのめない」
愛想のよいスポークスマンのようなお方が店頭で説明してくださる。
「地図記号の茶畑は、うちのマークよ」

ちょっとお高めのパフェだったけど、
「ここに来なければたべられないんだから、まあいいか」とJessie。
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親しみ

2023年12月15日 | こんな本も読んでみた
小学校5、6年次を担任していただいた先生に会いに出かけていった孫娘。彼女の卒業に続いて入学した弟のTylerも、2年間受け持っていただいたこともあり、さらには末のLukasと先生の最初の子供さんが同年という生まれになって、家族中で親しみを覚えるという出会いになった。
お土産と幾枚かの写真を袋に入れて、ちょっとおめかしの18歳。

個人別懇談の最中だったとか。
「えっ! えーーっ、ジェシイ? ジェシイ!?」先生のこの驚きようがいかにも嬉しかったのか、帰宅後何度か再現してみせる。
弟の話、自分の今後の進路など短い時間ではあったが言葉を交わし、12歳の夏祭りに出あって以来という再会を果たした。

そしてもう一つ。弟たちから預かった手紙やカード、写真を「おっちゃんち」に届ける。
おばちゃんに歓待され、「まあ上がってあがって」と。びっくりされたようで、孫娘を前にLukasと母親と、ラインでのオシャベリが始まったとか。

宝塚線を下りて、道順はすぐに思い出したという。歩いて、自転車で、よく利用した道はまだまだ記憶にあるようだ。


掃除だけは済ませて、帰ってくるまでの時間は完全休養にあてることにした。

  中古書店で偶然に見つけた『おひとりさま日和』。
6人の作家による短編集だが、最後の1作品を読み終えた。
年齢も育歴も職歴も現在の環境も様々な6人の女の生きる日々の陰影や明暗が6編の情緒となって味わえる。「つながり」の現れ方が6様で、興味深く読んだ。個々が人と、どこで、どんなふうにつながりを持つか。それは生き方となって、面白くもあった。


北村作品も、このところの就寝前の時間を利用して読み継いだ。シリーズはもう4までで打ち止めとする。
文章の静かな味わいを通じて作品世界に引き込まれていく。人間模様がなんとも言えぬ温かさ。文学部の女子大生の語り、噺家春桜亭円紫が探偵役で、謎が解かれていく。出会えてよかった作家、そして作品。
主人公が取り上げていた『奉教人の死』を再読してみたくなっている。

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この日も、人、人、人

2023年12月13日 | こんなところ訪ねて
「清水寺の門前は、この日も、人、人、人である。」
およそ20年ほど前に五木寛之氏が書いている。

今日も、20年前をはるかに上回るのではないかと思うほどの人、人、人だった。
テレビで見ていた通りだった。
で、どちらかと言えば敬遠したかった場所の一つだったのだけれど、「ダディが清水寺に行ってみればって言ってる」という孫娘の言葉に耳を貸し…。

清水坂を上がるコースで行きましたわ。人、人、人。




今頃の、こんな時期に、修学旅行生が溢れているのには驚いたが、Jessieもお土産を物色し、十分に楽しんでいる。
私も嫌いじゃないから、(ほかの場所にも売ってるんじゃない?)は最後の最後に回し、彼女の興味につきあい、「どっちがいい?」と聞かれれば「こっち」で収める。水を差してはね…。


青空のもとに欅の巨木で組み上げられた舞台が壮観。
あの上からは京都の市街が一望のもとに見渡せる。
楓の多くはすでに散って、道の脇にふかふかと散り積もる。それを蹴とばして歩く18歳。

人混みにまぎれて、ひそかに観音様に現世利益を願ってみたり、おいしそうな店先の誘惑に乗ってちょっと無駄遣い…と、気楽な観光を楽しんだ。
笑って暮らそ、ふふふふふ。

うららかな初冬の一日だった。
夕日が静かに比叡山を照らすのを、「きれいだね」と眺めながら家路を急いだ。
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 山の吹雪の音もうれしき

2023年12月11日 | こんなところ訪ねて


季節外れの陽気に、午後から鞍馬に向かった。
九十九折の参道を本殿金堂まで歩いて30分(標高410m)。
「ケーブルカーで行こう?」という孫娘に、「せっかくだから歩かなくちゃ」と誘う。



歩きだしは少々きつく、山道に階段に、息切れはどうしようもないのだが、それでも次第にペースができてきた。とはいえ、で、最後の数段の階段は腰がもうふらふら、やっとこさ登り切ったというところだった。

日本の仏教教団では珍しい女性のトップを貫主(かんす)として40年以上も勤められ、寺とお山を守った信楽香仁さんという方のことを、息を切らし切らしJessieに話して聞かせながら進む。
92歳だった香仁さんのお話をこのお山までお聞きしに来たことがあった(2017.6.14)こと。去年97歳で亡くなられたこと。ここには水道がきてないこととか、…。



雪の中に明ける鞍馬の新春のさまを綴られた文章にしたためられた歌は、あたたかく心に残っている。
    掌を合わすぬくもりの中に身をおけば
        山の吹雪の音もうれしき

 月のように美しく
 太陽のように温かく
 大地のように力強く

鞍馬の教えの中心にあるという。
「のどかわいたあー」と叫んだこの日を、記憶に残してほしい。

久しぶりの雨音が心地よい夜。「雨の音って好き」って18歳。





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素敵なことは夢から始まる

2023年12月09日 | 映画・観劇
映画「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」を見に出かけた。昨日のこと。

原作の児童文学『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール)を読んでいないし、ジョニー・デップ主演での「チャーリーとチョコレート工場」もみなかったし、…なのだけれど、原作に登場するチョコレート工場の主の若き日の冒険が描かれたファンタジーミュージカルとのことで、ミュージカル好きの私は孫娘Jessieを誘った。


〈すべては夢見ることから始まる〉
【幼いころから、いつか母と一緒に美味しいチョコレートの店を作ろうと夢見ていたウォンカは、夢を叶えるため、一流のチョコレート職人が集まるチョコレートの町へと向かう。
しかし、そこはチョコレート組合に警察すらも支配されてしまった、夢見ることを禁じられた街だった。
 世界一おいしくて、一口食べると幸せな気分になり、空だって飛べる、誰も味わったこともないウォンカの“魔法のチョコレート”は、またたく間にみんなを虜にし、ウォンカは一躍人気者となるが、彼の才能を妬んだ“チョコレート組合3人組”に目をつけられてしまう。さらに、とある因縁からウォンカを付け狙うウンパルンパというオレンジ色の小さな人も現れたからさあ、大変! 果たしてウォンカは無事にこの町にチョコレート工場をつくることができるのか?】 (ネットより拝借) 

どうして工場があれよあれよという間にできてしまうの!? 
Jessieは腑に落ちない。ごもっとも! ウォンカの背景は何も語られないままに、物語は繰り返しのパターンで展開していくので、つい先をよんでしまう。けれどそれは物語にどっぷりつかるということを妨げる。これがいけない? 途中ウトウトッとしかけつつ、…やはり悪がいつまでものさばることはなかった。

軽快な歌と踊り、ファンタジーなのだと思えば落ち着く、か。
出口に向かいながらウンパルンパの歌の出だしを口ずさみ、二人は顔を見合わせ笑った。

「夢で人生が変わっていくんですから」
三浦雄一郎さんが75歳で世界最高峰に立たれた時、インタビュー記事を読んだことがあって、そのさいだったかの言葉を残しておいた。
夢が必要なのは児童文学の世界だけではないわね。


これまで日本にやってきた折には、聴講生という資格で地元の小学校で受け入れていただいてきた。親しくなった友達(家族)とはその後も交流が続いていて、その一人、Aちゃんと今日は午前中から一緒に出かけて行った。夜は彼女のお母さんに連れられ夕食を共にすると…。
気が抜けたような静かな夕飯をどきを迎えた。
朝から掃除や片づけに追われ、のんびりする暇もない。師走ではあるけれど。
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小学校卒業

2023年12月06日 | HALL家の話
昨日、孫のTylerが小学校を卒業しました。


午前中はクラスで過ごし、午後、保護者が仕事を終えて帰宅する時間を考えあわせた設定で、
卒業式は催されたようです。
送られてくる写真や動画を見ながら、日本とは大きく異なる様子を孫娘ともども楽しませてもらいました。

大阪に住まいを移したのが2016年5月。幼稚園年少組に通い始めました。後方↑左側の写真はそんなある日の笑顔です。
2年後、地域の小学校に入学しました。

 〈制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている〉
と俵万智さんが詠まれていますが、(彼が来ているのは制服ではありませんが)今日から小学生という喜びも緊張感もふっくらと包み込んだ朝の笑顔です。

3年生になって6月。コロナ禍も何のそので遊びまくっていた友達やご近所のおじいちゃん、おばあちゃんとの日々に別れを告げました。
オーストラリア入国後はホテルで2週間の隔離生活を経て、小学校へ通い出します。当時、先生との面談で全く英語はわからなかったと聞いています。学校では彼のような子をサポートする体制が整っており、友人関係も恵まれ、不自由なく日々を過ごすようになったようです。
今では姉弟の会話は英語が主流になりかけているとか。



身体でリズムをとりながら手話を交えて歌を披露。


私でも名前や顔を覚えた仲良しの級友と校長先生とサブの先生。そこに、弟がにこやかな笑顔で交じっているのです。
特別に親しんだお兄ちゃんたち。誰よりも別れを淋しく思っているのではないかと思い馳せます。

これからはグレード7から12までの6年間を、中高一貫の体制のなかで過ごします。

原石のごとく 比べようのない輝きを有す あらゆるいのち。
それらのいのちは相互に照らし合って 自己を知り、より深い輝きを放つ


人と人とが関わり合うから人生は楽しい。階段を一歩一歩のぼって行く成長の姿を見守りながら、18歳のTylerを見てみたい。
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ベストセラーよりロングセラー

2023年12月04日 | 日々の暮らしの中で
〈ベストセラーよりロングセラー〉が絵本を出版する際の目標だという。

親子で顔を寄せ合ってページをめくり、何度も何度も、ぼろぼろになるほど繰り返し読んだ作品があれこれ思い出される。
親から子へ、しっかり手渡した一冊、一冊が、その子が親となったときに我が子へと、再び読み継がれたものがある。
書店で絵本を手に取り、内容に触れ、思い出話とともに孫娘と2冊の絵本を選んでみた。


「読書の豊かさとは読んだ本の数よりも、心に住まう本をいかに持つかではないでしょうか」
長田弘さんの言葉を思い起こしながら、どなたかの手に渡った一冊が〈心の一冊〉となってくれることがあれば嬉しいと願い、ブックサンタに参加した。


日ごろ、ウォーキングは一人でと決めている。語る人がいないことを淋しいなどと思うことはないが、昼から私のコースの一つに孫娘を誘った。
山の紅葉に陽が射して「きれいだ」と口にした。




ダンプが猛スピードで行き交う、なんてことはない道だけれど、四季折々の風情に、孫娘と歩いたという思い出が添えられた。
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人生のタカラモノ

2023年12月02日 | 日々の暮らしの中で
今日は常より少しだけ早起きした孫娘。2年間過ごした大阪の中学校時代の大親友二人と十三で合流し、遊びに行くらしい。鏡の前で身支度に余念がなく、甘い香りをふあ~んとただよわせ、「行ってくるわ」と出ていった。
「友情というのは、これはすごいタカラモノ」(聖子さん)

なので、土曜日だから書評欄を楽しみに、ゆっくりと新聞を読んだ。
先日、澤田瞳子さんの新刊本を書店で見かけたところだったが、その『月ぞ流るる』について語る記事が目に留まった。

〈「どんな人間にもその人しかできないことがある。何か一つは、成し遂げられることがある」。そんな思いを胸に、平安時代の宮中に生きた朝児(あさこ・赤染衛門)の半生を長編小説に描いた〉とある。
2019年12月、参加した講演会で澤田さんは、「今、『栄花物語』(作者は赤染衛門とされている)を読んでいるところです」と話されていたのを覚えている。
興味のあるタネを見つけても、熟成を待つ。小説になるまでには何年もかかることがあるとはよく耳にすること。
あのときからずっと構想を練られていたのだろう。いずれ拝読したい。

 先月から読み始めた『花鳥の夢』。
文庫本の解説は澤田さんだった。
『等伯』で直木賞受賞された安部龍太郎氏は、インタビューで「等伯は私である」と述べられたそうで、その言葉を引いて、「〈永徳は山本兼一である〉と断言したい」と書いておられる。
ただこのところ毎夜、ページを戻って内容を確認しているうちに眠気に負けている。


昼から、寺子屋エッセイサロンで寄り合って楽しんだ。



貴船に行ってみたいというリクエストに応えた先月30日。

 

私は二十歳の12月、所属していた研究会の仲間とここを歩いた。
それ以来の再訪を孫娘と楽しむ。

「人生はトシ相応のタカラがゆく手行く手に埋められてある」
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