kyon's日誌

つれづれに・・・

「阿蘭陀西鶴」

2016年12月27日 | 日記
朝井まかて・著

井原西鶴の生涯を娘の目線で書かれている。
ちょっと想像してたより面白かった。
西鶴って、今でいうところの人気作家?プロデューサー?
最初は俳諧人だったというのは知らずにいた(苦笑)しかしまぁ・・・一種の天才でもあったんだろうね~・・・
恵まれなかったのは経済的に儲けにはならないという・・・あの時代。。。
今様の人気作家やプロデューサーは著作権があるから案外お金持ちになるのにねぇ・・・
セカセカ書き続けても、何度、版を重ねても最初の一回の原稿料しか入らない・・・何だか気の毒な・・・貧しさや家計は火の車状態で凌ぐのよねぇ・・・しかもカミさんに先立たれ、二人の息子は養子に出し・・・盲目の娘と共に・・・可哀想になるような話かというと、何だかそうでもない。最初はそりが合わないと思っていた娘と自分勝手でマイペース傾きに見える・・・実は天才の父との話である。
最初はね、ワタシも西鶴も随分に自分勝手な男やなぁと思ってた・・・娘の目線と同じ感覚だったね(笑)まぁ・・段々にそうではない部分も沢山見えて来る・・・時代が違うとこんなにも違うのかぁ・・・なんて思ったりもする(苦笑)
しかし、最後のあたりの借金取りが居なくなるまでの父娘の会話が実に面白い・・・洒落っ気が小気味いい。それで全部理に合わないようなことも許される気になる。
表紙にもあるように、お父さんのお蔭で面白い人生やったと思えるようになる娘の成長も何だか微笑ましい。
今年最後の読書になろうが、ええ話しやったなぁ~・・・と、何だかワタシまで関西弁風(笑)
これで残りの今年という多忙を少し乗り切れそうだ・・・な~んてね(^^ゞ
ま、お調子者のワタシの頓馬な考えは、天才とはかけ離れて単純だ。。。(笑)
これが庶民の底力なのかもねぇ・・・と感心もしたのでした。
著者のまかて氏・・筆がまるで西鶴のように流暢に流れる・・・関西弁の軽さがそうさせたのかな・・・ワタシまで影響を受けてしまったわぃな(笑)

今の時代、庶民の底力を引き出すような鷹揚さも深刻さを軽く引き受ける器も存在し無いのは、カナシイことねぇ・・・
コメント
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