クズラのブログ

日頃の農作業や社会活動、そして両親の介護などを綴ります(22年1月記)

イノシシ対策の講演を聴きました

2012-03-04 | 冬期湛水田
 3月2日、「平成23年度 イノシシ対策講演会」(岡山市農林水産課主催、瀬戸公民館)に参加し、岡山市の桑原課長、島根県鳥獣専門指導員の堂山宗一郎さん、岡山市の奥村主任の各講演を聴きました。

 堂山さんの講演「イノシシを知って被害対策を考える」を聴いて印象に残ったことはつぎのようなものでした。(音声デ-タ

 イノシシは、本来は昼行性で、人がいないところでは昼間に出る。

 イノシシは学習能力が高いので、一度食べ物がある場所を覚えると、繰り返しやってくる。

 イノシシは高さ1m近い跳躍力があるが、最初は鼻で柵などを触りながら歩き廻り、切れ目があるとそこから入り、下部に隙間があるともぐり込み、弱い部分があると押し倒して入る。それがないときには跳び越えて入る。柵に奥行きがあるもの、柵の手前に歩きにくいところがある場合には入りにくい。

 柵は周り全面を囲い、隙間を作らない。イノシシは、川側の垂直なブロックでも足が掛かれば登ってくる。防護柵は、外側に少し反らすといい。

 イノシシは増え続けている。その原因は、人に慣れたことと、無意識に餌付けしていることなので、獲るだけの対策では減らない。

 草が伸びた耕作放棄地は、イノシシが隠れて人間の様子を観察することのできる場所になる。耕作放棄地の隣の田畑が荒らされているケースが多い。耕作放棄地の草を田畑(防護柵)に接するところから1~2m刈るだけでも、イノシシは入りにくくなる。
 荒れた竹林も隠れ場所になるので、竹を間引く。
 イノシシを見かけたら、クラクションなどで驚かす。

 道路の法面や畦の緑の草(秋に草刈りすれば冬に緑の草が生える)、ヒコバエ、野菜くずや果樹くず、生ごみ、墓の供物も無意識の餌付けになる。被害に遭うことも餌付けになる。

 畑の外側に好きでない作物(トウガラシ、ピーマン、ニラなど)を植えるのも有効です。

 柵の内側の作物は、柵から1mの間隔をとると、イノシシが入りにくい。

 電気柵は、地面から20cmと40cm(と60cm)が有効。碍子(がいし)は、田んぼの外に向いているのがいい(イノシシは縦棒から触るから)。冬場に電気柵を片づけないと、慣れて怖がらなくなる。