見出し画像

森の空想ブログ

黒の余韻4

下記の武石憲太郎さんと並んで描いた作品。湯布院の古い温泉場湯平で開催された漂泊の俳人種田山頭火にちなんだ美術展にて。山頭火はこの町の人情にふれ、「しぐるるや人の情けに涙ぐむ」という句を残した。木賃宿に投宿した山頭火は、川原で旅の衣を洗濯し、読書をしていたところ、折から、「しぐれ」がきた。慌てて川原に走ると、洗濯物は、宿の娘がすでに取り込んでくれていた。というエピソード。ちなみに、この町へ来る途中では「ほいとうと呼ばれる村のしぐれかな」という句を作るほど、放浪の旅人や物乞いには冷淡な視線を浴びせた当時のこと。山頭火に宿の娘の心遣いが心にしみたのである。湯平には、この美術展を契機に「時雨館」という空家を改装した三坪ほどの美術館が開館した。山頭火が訪れた初冬の町
を、しぐれが通りすぎてゆく。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事