森の空想ブログ

晩秋の街に神楽囃子が響いた 都市空間の中の神楽③ [2014宮崎神楽紀行<2>]

「西米良/神楽と昔語り」と題した企画の第三弾、「村所神楽」が宮崎アートセンター前の太陽の広場で開催された。時節柄、クリスマス飾りの星形や華やかな装飾などともに神楽の「結界」を示す御幣が飾られ、大型のハイビジョンではムーミン谷の何とやらというPRが流されているというなんとも賑やかな会場となったが、この異空間の中で、神楽が始まると凛とした空気が晩秋の街に漂った。行き交う人が足を止め、見入っている。ビールを飲みながら、くつろいでいる人もいる。村所神楽に通い続けている常連の顔も見える。
本来、山深い村の「神事」として、あるいは「秘儀」としてひそかに伝えられてきた神楽が、いま新しい時代の到来を告げている。「宮崎の神楽を一括して世界文化遺産登録へ」という活動もそのひとつである。宮崎県内に分厚い分布をみせる神楽は、芸能史、古代史、地域文化史など多くのジャンルの謎を解く鍵を秘めたすぐれた文化遺産である。さまざまなかたちで、発信し、交流の機会を持つことで、神楽に親しみ、神楽の現場へと足を運び、理解を深める人も増えてくるだろう。
今回の企画は、県の助成を受けた西米良神楽のステージだということだったが、この「空間」には可能性が秘められている、県レベルでの取り組みとして、今後、会場の設営や参加の神楽座、テーマなどを絞り込んで行なえば、「街の神楽」として定着する絶好のスペースとなるのではないか、という提案をする人がいた。ビールのカップを片手の立ち話だったが、これもこの「場」が発したメッセージと受け止めるべきだろう。


・「清山」。清澄な神迎えの舞。


・「神水」。若者による勇壮な剣の舞。陣中で舞われた戦勝祈願の舞という。村所神楽は、南北朝時代、南朝と菊池氏の落人によって伝えられたという。


・高校生が笛と太鼓で参加。中学生が「天任」の舞で参加。若い伝承者たちが凛々しい。


・「一人剣(ひとりつるぎ)」。神楽後半の花形舞。


・「手力男命」の豪快な舞。短い時間だったが、村所神楽の魅力が伝わる構成であった。

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