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月山      森 敦

2016年03月03日 18時45分24秒 | Books

 

     月山          森 敦

 1月末に 山形県 酒田市と 鶴岡市に行ってきた。お目当ては 酒田では 土門拳写真美術館と 即身仏の拝観。 鶴岡では羽黒山の国宝五重塔、藤沢周平記念館。 吹雪にならないかと心配しつつ、もしかして運が良ければ月山を頂とする出羽三山を望めないかと思っていましたが、そこまでは虫が良すぎるというか、吹雪は無かったものの山は 厚い雲に隠れていました。

  月山を勧めてくれたのは、いつも訪問しているブログの方のコメントからです。  楢山節講 の世界に似ている。主人公は良くわからないが、出羽山の奥の寺に逗留することになり、そこの寺男と一冬を過ごす事になる。今から30~40年くらい昔の情景である。この一冬の間に、そこの土地の人々との交流が描かれてある。この土地の冬は、まさに 地吹雪ならびに吹雪に囲まれた世界になる。場面は寺ゆえ、そこに集ってくる人々も、寺に縁がある人たちで、おのずと死の暗さと また生の発露に覆われている。 街には無い、地道にこの吹雪に閉ざされた世界で人々は助け合い、寄り添いながらさしたる欲も無く生活している。    文章は全てこの土地の方言にしたがって書かれていて、なおさら山奥の風習の雰囲気が感じられる。   吹雪で行き倒れになった人をミイラにするといった下りは、驚きと然もありなんとも思える。しかしこれもこの厳しく貧しい山奥での懸命に活きてゆくすべなのであろう。