絵本の力 河合隼雄 松居直 柳田邦男
自分にとっての絵本の思い出は、母親から読んでもらった記憶はなく、自分の子どもに読んでやったという記憶しかない。 親の好みで選んだもので、『ゆきおんば』、『みよちゃんの田舎旅行?』この二つをよく読んでやっていた。 子どもたちは覚えているのだろうか? もう20年以上昔になるか、川の字に敷いた布団の中で子どもたちが私の声にじっと耳を傾けて聞いていたひと時を懐かしく思い起こすことが出来る。
さてこの本を読んでいくつか紹介されていた絵本の中で
『くまよ』 星野道夫さん著の中で 広大なアラスカの原野の中で親子のくまの写真 そこに添えられた『気がついたんだ おれたちに 同じ時間が 流れていることに』という言葉。実に深遠な言葉である。
絵本というのは本当に少ない言葉や絵の数、標準的にいえば、十数枚から二十枚ちょっとというぐらいの絵の数、そこに添えられたほんのわずかな言葉で、なにか一番大切なこと、人生について、命について、生きることについて、喜びや感動について、それがズンズンと伝わってくる表現ができる。とある。
その他 読んでみたい作品に バンサンという作家 「愛のある懐かしさ、あるいは懐かしい無条件の愛」について表現されている。
絵本とは、じんせいに3回の出会いが在るという。最初は幼少期で親から読んでもらい時期。ついで親として子どもに読んでやる時期。そして、老年期になり、孫に読んでやる時期と。そしてこれらからは、知識ではなく感性を、そしてゆとりと、癒しを授かるのであろう。