くろたり庵/Kurotari's blog~since 2009

総務系サラリーマンの世に出ない言葉

あなたならどうする?

2013-10-08 22:49:32 | 総務のお仕事(反社対応)
衣料品店「しまむら」の販売店員にクレームをつけ、
土下座させた写真をツイッターに投稿した43歳の女が、
強要罪の容疑で逮捕されたと報道されました。

「しつこく土下座を要求することは、
 強要罪になる可能性があるので、応じる必要はありません。
 相手の言うとおりにすることが『誠意』ではないのです」

クレーム対応の講習会などでは、
講師の弁護士などから、頻繁にそう聞いていましたが、
まさか、本当に強要罪が適用されて逮捕されるとはびっくりです。

この報道を知って、日本の司法に心強さを感じた、
悪質クレーマー相手の総務担当者も多かったのではないでしょうか。

「たとえ会社に非がある場合でも、
 現代社会において土下座を要求することは、
 社会通念上、行き過ぎた要求だとみなされる可能性が高い」

弁護士はそう言うものの、
実際に逮捕にまで至った例は、これまで聞いたことがありません。
今回の事件は、「商品に穴が開いていた」という商品の欠陥に対して、
販売店員に土下座させ、さらにその写真をインターネットに掲載し、
販売店員の実名を公開して中傷したことなどから、
明らかに「行き過ぎた行為」とみなされたのでしょう。

ただ、悲しいかな、
このようなクレーマーは絶対に自分の非を認めようとしません。
なぜなら、「商品に欠陥があった」という相手の非が発端となっているため、
ただこの一点のみにこだわって、「正義は我にあり」と信じているからです。
いわゆる「『罪』と『罰』のバランス」といった思慮深さは頭の中にないのです。

事件の内容から考えると、
おそらく被害者と加害者の間に示談が成立すれば、
不起訴処分になる可能性が高いと思われます。
たぶん今頃、加害者の弁護士や親族が被害者に接触し、
示談金を払って被害届を取り下げるよう奔走しているのではないでしょうか。

一方で被害者の心理として、
相手が常軌を逸した悪質なクレーマーだけに、
「『絶対に起訴して罰してもらう!』 などと示談を断固拒否し、
 罰金程度の懲罰で終わって、相手から逆恨みされるのも怖い」
というのも自然で正常な思いでしょう。

自分が被害者だったら、
示談に応じるかどうか考えてしまいます。
あなたなら、どうしますか?



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