会社の上司や役員と親しげに会話する同僚を見て、
「親しそうでいいな~」 とうらやましく思う人は多いのではないでしょうか。
あるいは、親しげに会話できる自分自身をふりかえり、
「他の社員よりも親しくしている」 と優越感を感じる人もいるのではないでしょうか。
いわゆる「タメ口」を利くのは論外ですが、
「です・ます調」の会話でも、語尾や抑揚、選択する語彙などによって、
はたから見る親密度というものは大きく違ってきます。
それでは、親密度が高いように見える人は、
その上司や役員に可愛がられ、昇進・昇格も早いかというと、
必ずしもそうではないようです。
長い間、会社で人事の浮沈を見ていると、
「正しく尊敬語を使い、正しく相手と一線を画せること」が、
「親しさ」以上に、評価されるために必要であることがわかります。
特に、同程度の能力の部下が二人いるような場合は、
その違いがはっきりと評価に表れるようです。
正しく「尊敬語を使い、相手と一線を画す」 というのは、
「上司や役員にごまをする」 ということではありません。
「上役としてのプライドを傷つけない」ということです。
ビジネスの場においてはしばしば、
上司や役員の言うことに賛同し、同調しているよりも、
反感を持たれずに反論し、意見を言えることのほうが評価されます。
したがってそれは、上役に「異議を唱えつつ評価される術(すべ)」でもあるのです。
「丁寧語」は誰でも自然と使っています。
しかし、「尊敬語」は意識しなければ身につかず、なかなか使えません。
長い時間がたつと、そこに違いが現れてくるのです。
みなさんの会社では、
喫煙室で役員と一緒にタバコを吸っている社員ばかりが出世していますか?
つまりはそういうことです。
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