消費増税の素案が決定しました。
ここでもまた、食料品など生活必需品への軽減税率は見送られ、
単一税率を維持することが決められました。
不思議に思うのは、なぜ増税の「YES」か「NO]かを争うだけで、
生活必需品への軽減税率などが真剣に議論されないかということです。
素案では、低所得者への給付つき税額控除の検討を盛り込んでいますが、
どうして一旦徴集してから返すという、手間のかかることばかり考えるのでしょう。
しかも、もともと自分たちが納付した税金を返してもらうだけなのに、
「給付」などという、上から目線の恩着せがましい言い方をする道理がわかりません。
また、低所得者にとっては、後で「給付」されるよりも、
最初から徴集されないことのほうが、はるかに生活も助かります。
政府は、食料品などへの軽減税率の導入は、かえって手間がかかると言います。
しかし、消費税などを導入する国々の多くではすでに実施されていることです。
新たに全国民に対して社会保障番号制度を構築し、
低所得者へ「給付」を行なうこと以上に手間がかかることだとは思えません。
食品への消費税率を据え置くと、税収は当初の予定から1兆円近く減るそうです。
国民が最もお金を使うのが食料品などの生活必需品です。
これに対する税率を据え置けば、消費税率アップの効果は大きく減退するから、
「税金は取れるときに取っておいて、低所得者へ戻すのは最小限にすればいい」
「社会保障番号制度を導入するいいきかっけになる」
という本音がみえみえです。
先日、あるテレビ番組で、有名な大企業の社長が消費増税について、
「議員定数の削減だとか、公務員人件費を削減してからでないと、
増税には反対だという人がいるが、そういう人は経営者としては失格だ。
会社の経営危機に、一番むずかしいことを真っ先にできないようでは、
会社は潰れるだけだ」
というようなことを言っていました。
生き馬の目も抜くような弱肉強食の資本主義経済の世界では、
経営に貢献できない社員は切り捨ててでも、
会社を存続させることが優れた経営者なのかもしれません。
しかし、それをそのまま政治の世界に例えるのはいかがなものでしょうか。
会社(国)の経営を立て直すためには、
経営に貢献しない社員(低所得者や生活弱者)は犠牲にしてもやむをえない。
そう言っているような気がしてなりません。
その社長の理屈でいくと、どうやら私は経営者には向いていないようです。
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