大黒さんの金魚鉢

黒金町の住人の独り言は“One”

One voice , one mission , one family

現代の経営(われわれの事業は何か)

2015年04月13日 | 読書
統一地方選挙が行われました。
結果はさておき、静岡県内も全国的にも投票率は低く、政治に対する関心がますます低くなっています。
これを有権者だけの問題だと捨て置くことはできないと思います。
今日のテーマは「顧客」です。
企業が、顧客が求めているものを市場に提供しなければ、客離れが起きるのは必然です。
しかも田舎だからかもしれませんが、商店からの訪問販売も電話勧誘も1社を除いてどこも来ませんでした。
今日のテーマは、私たち自らが考える問題です。
新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

事業は何かを決めるのは、生産者ではなく顧客である。
社名や定款ではない。
顧客が製品やサービスを購入して、自らを満足させる欲求が何であるかが事業を決める。

したがって「われわれの事業は何か」という問いに対する答えは、事業の外部、すなわち顧客や市場の立場から事業を見ることによってのみ得られる。
「われわれの事業は何か」という問いを発し、正しく答えることこそ、トップマネジメントの第一の責務である。
この問いを怠るとき、直ちに事業の急速な衰退がやってくる。

「われわれの事業は何か」を知るための第一歩は、「顧客は誰か」という問いを発することである。
「現実の顧客は誰か」「潜在的な顧客は誰か」「顧客はどこにいるか」「顧客はいかに買うか」「顧客はいかに到達するか」を問うことである。

最後に「顧客は何を価値あるものとするか」「製品を買うとき何を求めているか」という最も難しい問いがある。
顧客が価値とするものは、あまりに複雑であって、彼らにしか答えられないものである。
憶測しようとしてはならない。
常に顧客のところへ行って答えを求める作業を系統的に行わなければならない。

現代の経営(利益の機能)

2015年04月09日 | 読書
私たちの事業はNPOなどと同様に非営利の事業です。
行政は税金によって運営され、企業は市場から利益を生み出して活動します。
私たちの活動資金は、会費や善意の寄付(カンパ)によってまかなわれます。
そのことを可とするのはまさに私たちの事業が人々に“共感”を与えられるか否かにかかっています。
これは労働組合も同様で、組合員の共感を得るような活動がなければ、運動は衰退していきます。


新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

利益の第一の機能は、仕事ぶりを判定するための尺度である。
第二の機能は、未来に焦点を合わせるということである。
企業にとって第一の責任は、存続することである。
未来のリスクを賄うための利益、事業の存続を可能とし、富を生み出す資源の能力を維持するための最低限度の利益をあげることは、企業にとって絶対の条件である。

事業のマネジメントとは何か。
それはマーケティングとイノベーションによって顧客を創造する活動である。
そのためにも第一には事業のマネジメントは起業家的でなければならない。
官僚的、管理的、さらには政策立案的な仕事であってはならない。
第二には、環境適応的ではなく創造的な仕事でなければならないということである。
第三には、業績によって評価される意識的な活動でなければならないということである。
このことは具体的には、事業は実現可能なことを行うだけでなく、実現が望ましいことについて自ら目標を設定しなければならないということである。

しかしそれらのためには、マネジメント自らが自らの企業がいかなる事業を行っているか、いかなる事業を行うべきかについて、意思決定を行っておく必要がある。

現代の経営(生産性のコンセプト)

2015年04月08日 | 読書
統一地方選も政令市市長選もまったく盛り上がりをみせません。
これまでは最前線においてでしか関わりませんでしたが、ちょっと距離を置くだけで感じ方がまるきり変わります。
候補者があいもかわらず「あれをやります。これもやります」と叫ぶたびに、有権者の心は冷めていきます。
国と地方の借金が1千兆円を超えたことは多くの有権者が知るところです。
財源無きところでは公的福祉サービスも広がることがないことは半ば承知しています。
だからといって介護保険や生活保護の利用基準を厳しくしたりすることを理解せよとはなりません。
選挙制度を通信簿のようなものとしてみたらどうなるでしょうか?
60点以上を合格点として候補者全員を採点投票するのです。
ネット選挙を導入すれば可能でしょう。
全員合格もあり、その場合は総原資を議員数で割って議員報酬を決めればいいんじゃないのかな。
全員不合格なら首長も議会も不要ということです…こんなになったら楽しいでしょうね。

新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社


マーケティングとイノベーションと生産性に関わる仕事ぶりの結果が利益である。
利益の第一の機能は、仕事ぶりを判定するための尺度である。

生産性とは、最小の努力で最大の成果を得るための生産要素間のバランスのことである。
ある意味製造業においては、生産性の向上は肉体労働によってしか実現されない。
逆にそれは肉体労働をなくす努力、肉体労働を他のものに置き換える努力によってもたらされる。
こうして肉体労働を代替したものの一つが、資本財すなわち機械設備の力だった。
しかしそれは、筋肉から頭脳労働への代替による生産性向上の一部に過ぎない。

われわれは肉体労働だけが唯一の生産的活動であるとの生産性のコンセプトではなく、産出と業績をもたらすすべての活動を包含する生産性のコンセプトを必要とする。
たとえば二つの種類の間接費がある。
一つは生産的な間接費であって、肉体労働や設備に関わるコストを代替するものとしての、経営管理者や専門職に関わるコストである。
もう一つは、組織内の摩擦によって発生し、かつ自ら摩擦を発生させ、生産性に何ら寄与せず、むしろ生産性を阻害する人たちに関するコストである。

生産性の尺度を必要としているのは、個々の企業のマネジメントだけではない。
国民経済が必要としている。
今日、生産性の尺度の欠落は経済統計における最大の欠陥である。
この欠落が不況を予期し、不況に備え、不況と闘うための経済政策の効果を著しく弱めている。


マーケティングとイノベーションと生産性に関わる仕事ぶりの結果が利益である。
利益の第一の機能は、仕事ぶりを判定するための尺度である。
国民経済における尺度とはなんであろうか。
1千兆円を超える借金は何を物語るのであろうか。


現代の経営(マーケティングとイノベーション)

2015年04月06日 | 読書

新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社


企業の目的が顧客の創造であることから、企業には二つの基本的な機能が存在する。
すなわち、マーケティングとイノベーションである。
この二つの機能こそ起業家的機能である。

マーケティングは企業に特有の機能である。
財やサービスのマーケティングを通して自らの目的を達成する組織は、すべて企業である。
逆に、マーケティングが欠落した組織やそれが偶発的に行われるだけの組織は企業ではないし、企業のようにマネジメントすることもできない。

しかし、マーケティングだけでは企業は成立しない。
静的な経済の中では企業は存在し得ない。
企業とは、成長、拡大、変化のための機関である。

したがって、第二の起業家的機能がイノベーションである。
すなわち、より優れ、より経済的な財やサービスを創造することである。
企業は、単に経済的な財やサービスを供給するだけでは十分でない。
より優れたものを創造し供給しなければならない。
企業にとって、より大きなものに成長することは必ずしも必要ではない。
しかし、常により優れたものに成長する必要はある。

私のなかで生まれたイメージ図です。
私の思いは、助け合い支え合える(信頼)社会をつくりたい、安心して暮らせる社会をつくりたい、ワクワクした気持ち(感動)で生きる人生を送りたい、という心です。
そんなことを考える仲間とつながると、あれもやりたい、これもやりたい、という新たな仕事やアイデアがいくつもいくつも湧いてきます。
こんなささいなところにもマーケティングとイノベーションが存在します。

現代の経営(事業とは何か)

2015年04月01日 | 読書
10年ほど前のこと、「連合評価員会最終報告」を最初に読んだときはショックでした。
そこにはこう書かれてありました。
『外部から評価するとすれば、労働組合運動が国民の共感を呼ぶ運動になっているのか、という疑問を強く抱かざるを得ない』
言い換えれば、労働組合運動は社会から認められていないぞ!という強い警告です。
労働組合運動も労働者自主福祉運動も、企業ではないが事業体の一種です。
ドラッカーのいう意味をよく噛み締めましょう。

新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
クリエーター情報なし
ダイヤモンド社

事業のマネジメントとは何か。
事業のマネジメントには何が必要か。
機関としてのマネジメントは何を行うべきか。
マネジメントをいかに行うべきか。

事業とは何か。
第一には、企業は人が創造し、人がマネジメントするということである。
企業は人以外の力がマネジメントするものではない。

第二には、事業は利益の観点からは定義も説明もできないということである。
もちろん、利益が重要でないということではない。
利益は、企業や事業の目的ではなく条件なのである。

企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。
企業の目的は、それぞれの企業の外にある。
企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。
企業の目的として有効な定義は一つしかない。
すなわち、顧客の創造である。

企業が何かを決定するのは顧客である。
顧客が企業の土台として企業の存在を支える。
顧客だけが雇用を創出する。
社会が企業に資源を託しているのは、その顧客に財とサービスを供給させるためである。