
サンパウロのリベルダージ地区は日本人にとって居心地が良い場所です。今では韓国系、中国系移民も多くこの地区に流入していますが、もともと日系移民によって作られたこの街は非常に日本色が強く、日本食レストラン、日本語書籍を扱う本屋や日本風の土産物店などが立ち並び活況を見せています。中でもラーメン好きな日本人として注目しないわけにはいかないのが、写真のラーメン屋「あすか」です。


「あすか」は麺は自家製、メニューはラーメンと餃子のみという、こだわりのラーメン屋です。訪れたときには店の外に長い行列ができており、30分近く待たされました。私はとんこつ醤油ラーメンと餃子を食べてきましたが、味は上品に仕上がっており、確かにこれは日本のラーメンであると断言できるものでした。こちらのラーメンは日本人、日系人のみならず非日系のブラジル人からも人気を集めており、店の中には器用に箸を使う非日系のブラジル人たちの姿も多く見られます。彼らと一緒にラーメンを啜っていると、サンパウロが多国籍文化の都市であることを実感します。

「あすか」の店主の伊藤武さんです。2000年に開業するまではブラジル横河電機の社長を務めていたという異色のキャリアの持ち主です(詳しくはこちら)。開業されたきっかけは、ブラジルが好きだということと、当時はサンパウロにはラーメン屋がなかったので本格的なラーメンを作ることで地元のラーメン好きな人たちを喜ばせたいという思いがあったとのことで、この5年間は値上げもせずにラーメンを作り続けています。日本から遠く離れたサンパウロでラーメン屋を開業したという伊藤さんの歩まれた道は、かなり特異な例かもしれませんが、サラリーマンの退職後の「第二の人生」の1つのあり方として考えさせるものがあります。
まさに人生いたるところ青山あり、です。
勇気がわいてきます。
日本人が多いバンコクなどでは割とこういった人生を選ぶ人がいらっしゃるようなのですが、サンパウロではそんなにいないでしょうね。
そうですね勇気がわいてきます。