歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

タイでの工場訪問(1)

2007-12-06 00:37:49 | 海外ものづくり事情
 先週のタイ出張の模様の一部を何回かに分けて紹介します。

 日系の金型メーカーです。主にアルミ材の押し出し成形金型を作っています。







 この会社は経営者の方のお話が実に興味深かったです。
 タイでは工業団地に進出したからといって、電力の安定供給が約束されているわけではないから気を付けるように、とのことでした。中国のように絶対的な量が不足しているということはないのですが、お話によると、とにかくタイという国は計画性のない国で、工業団地でも進出企業の増加を見込んで十分な電力供給のための設備をあらかじめ用意しておくということがないそうです。
 進出企業が増えるたびに細い電線をつないでいく、そんなその場しのぎで対応するのがタイ流で、近隣で大型工場が稼働し始めると急に電圧が低下することが冗談抜きで起こるというから企業はたまったものではありません。そしてどうにも立ち行かなくなると、ようやく大容量の太い電線が設置されるのだとか。
 このお話を経営者の方はバンコクの渋滞となぞらえてお話をされました。かつてバンコクの渋滞のひどさはあまりにも有名でしたが、政府は抜本的な対策を取ろうとはせず、その場しのぎの対応でお茶を濁し続けてきました。そして、交通がにっちもさっちも行かなくなって初めて高架鉄道と地下鉄が建設されるようになった、というのがバンコクの交通インフラ整備の実状です。電力供給もそれと同じですよ、とのこと。
 バンコクの町では電線が蜘蛛の巣のようにたくさんの細い線で張り巡らされている(こちら)理由がよくわかりました。

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