旧栗橋町(現久喜市)の夏祭りは“八坂神社”の祭りだ。
天王さまとも呼ぶ。
八坂神社は利根川に架かる利根大橋のそばに鎮座している。
この神社に足を運び、まず目に付くのは神使だ。
神社というと、本殿前の“狛犬”が参拝者を出迎えるのが多い。
が、八坂神社の場合は“コイ”になっている。
魚のコイだ。
それが2体、本殿前におわしている。
狛犬のようないかめしさはない。
このコイは霊験あらたかなもので、無病息災に効くという。
コイに触れ、自分の体をなでるよい。
そのほかに家内安全、商売繁盛、縁結び、
学業成就といった幸も運んでくれるそうだ。
なぜ、神使がコイなのだろうか。
これは八坂神社の創建に由来する。
旧栗橋町は利根川沿いに位置し、しばしば大水に襲われていた。
近くに横たわる宝治戸池は、
大水によって決壊したおっぽり(落堀)と言われる。
慶長年中のことだ。
降り続いた雨によって利根川は満水状態となり、
村人は堤が決壊しないようその補強工事に追われていた。
するとそのときだった。
神輿とおぼしきものが悠々と流れてくることに気付く。
村人たちは覚えず目を見張った。
神輿の周囲を泳ぐコイとカメに視線を釘づけにされた。
1匹や2匹どころではない。
あまたのコイとカメが神輿を囲むように泳いでいたという。
これは霊験あらたかな神輿に違いない。
村人たちは神輿を引き上げ神として祀る。
これが八坂神社の興りとなった。
元は牛頭天王社と名乗ったが、明治期となって現在名に変わった。
ゆえに、八坂神社の神使はコイというわけだ。
利根川沿いの地域ならではの逸話と言える。
漂着したものを祀り、神社となるパターンは多い。
現在は色々な幸をもたらしてくれる八坂神社だが、
以前は疫病退散に最も効いていたのかもしれない。
コイは貴重なたんぱく源でもある。
釣り上げたコイはキャッチアンドリリースはせず、
おいしくいただいていた。
しかし、八坂神社の氏子にとってコイは尊い神使。
食することには抵抗があったのだろう。
とはいえ、貴重なたんぱく源。
そのため八坂神社の祭り月にコイを食すのを避けた。
以前は6月が祭り月だったため、
年齢性別を問わず、氏子たちは誰もコイを食さなかったという。
八坂神社(埼玉県久喜市)
天王さまとも呼ぶ。
八坂神社は利根川に架かる利根大橋のそばに鎮座している。
この神社に足を運び、まず目に付くのは神使だ。
神社というと、本殿前の“狛犬”が参拝者を出迎えるのが多い。
が、八坂神社の場合は“コイ”になっている。
魚のコイだ。
それが2体、本殿前におわしている。
狛犬のようないかめしさはない。
このコイは霊験あらたかなもので、無病息災に効くという。
コイに触れ、自分の体をなでるよい。
そのほかに家内安全、商売繁盛、縁結び、
学業成就といった幸も運んでくれるそうだ。
なぜ、神使がコイなのだろうか。
これは八坂神社の創建に由来する。
旧栗橋町は利根川沿いに位置し、しばしば大水に襲われていた。
近くに横たわる宝治戸池は、
大水によって決壊したおっぽり(落堀)と言われる。
慶長年中のことだ。
降り続いた雨によって利根川は満水状態となり、
村人は堤が決壊しないようその補強工事に追われていた。
するとそのときだった。
神輿とおぼしきものが悠々と流れてくることに気付く。
村人たちは覚えず目を見張った。
神輿の周囲を泳ぐコイとカメに視線を釘づけにされた。
1匹や2匹どころではない。
あまたのコイとカメが神輿を囲むように泳いでいたという。
これは霊験あらたかな神輿に違いない。
村人たちは神輿を引き上げ神として祀る。
これが八坂神社の興りとなった。
元は牛頭天王社と名乗ったが、明治期となって現在名に変わった。
ゆえに、八坂神社の神使はコイというわけだ。
利根川沿いの地域ならではの逸話と言える。
漂着したものを祀り、神社となるパターンは多い。
現在は色々な幸をもたらしてくれる八坂神社だが、
以前は疫病退散に最も効いていたのかもしれない。
コイは貴重なたんぱく源でもある。
釣り上げたコイはキャッチアンドリリースはせず、
おいしくいただいていた。
しかし、八坂神社の氏子にとってコイは尊い神使。
食することには抵抗があったのだろう。
とはいえ、貴重なたんぱく源。
そのため八坂神社の祭り月にコイを食すのを避けた。
以前は6月が祭り月だったため、
年齢性別を問わず、氏子たちは誰もコイを食さなかったという。
八坂神社(埼玉県久喜市)
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