クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

“のめっちょ”に刺さると痛い? ―はにゅう萌え(145)―

2013年08月23日 | はにゅう萌え
「のめっちょに気を付けやっせ、ほぉ」

ぼくの叔父はむかし大工だった。
うちに仕事場があって、弟子と一緒に仕事をしていたのを覚えている。
その仕事場に行くとおがくずがたくさんあって、
木の香りがしたものだ。

幼い頃に考えていた将来の夢が「大工」だったのは、
おそらく叔父の影響だったのだろう。
算数への苦手意識で夢をやめ、
叔父の仕事場もすでになくなったが、
木材と木の香り、大工道具は一つの原風景になっている。

ところで、叔父の仕事場で上記の言葉を聞いた記憶はない。
祖母の言葉を勝手に想像しているだけだ。

そもそも、“のめっちょ”の単語を聞いた覚えがない。
のめっちょ。
言葉の響きだけでは何のことかよくわからない。

実は、「棘」や「先端の尖ったもの」を意味している。
上記の言葉を訳すと、「棘に気を付けて、ほら」となる。

実際ぼくは、よく手に棘が刺さっていたのを記憶している。
木材が多かったせいか、
おみやげに“のめっちょ”をもらってきたのだ。

その、のめっちょ抜きが痛いこと、痛いこと……。
おそらく、幼い子どもの手には激痛だったのだろう。
木材は好きだったが、のめっちょは嫌いだった。
大工の夢を見なくなったのも、
もしかするとのめっちょの影響もあるのかもしれない。

かわいい響きのくせして、肌に刺さると痛い。
用心が必要である。

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4 コメント

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Unknown (hiro)
2013-08-23 09:19:03
いつもブログ拝見しております。
うちの亡くなった祖母がよく「のめっちょ」を使っていたお陰で?自分も小さいころ使っていました。
でも、他に知っている人はあまりいなかった様に記憶しています。記憶違いかも?
何か懐かしくなりコメント致しました。
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ほぉ (treasure)
2013-08-23 19:05:55
ほぉ だったんですね。私には ほーん に聞こえてました。南中の数学の先生が、語尾に ほぉ をつけてました。他のクラスの生徒もほーん に聞こえたらしく、先生の前で真似して、ほーん ほーん言ってたら、ほーん じゃねんだ ほーん と返し、大爆笑になったと聞きました。伝説です。
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hiroさんへ (クニ)
2013-08-24 23:29:37
コメントありがとうございます。
生「のめっちょ」を聞いていたのですね。
しかもご自身も使っていたという。
残念ながらぼくは一度も聞いたことがなく、
使ったこともありません。
死語になりつつあるのかもしれませんが、
いつか耳にできる日を楽しみにしています。
返信する
treasureさんへ (クニ)
2013-08-24 23:48:55
むかし懐かしい訛りの思い出ですね。
「ほぉ」とか「ほーん」など、いくつか種類があると思います。
ある人は、子どもに訛ってほしくなくて、言葉にかなり気を遣っているそうですが、
学校へ通うようになったら、だんだん訛ってきているそうです(笑)
先生や友だちの影響は大きいですね。
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