
――乱取りを許す上杉政虎(のちの上杉謙信)。
大河ドラマ「風林火山」で、川中島へ出陣した武田信玄(市川亀治郎)のもとに、
乱取りを許した政虎(Gackt)の知らせが入ってきました。
謙信の戦いは“義戦”と呼ばれますが、時は乱世。
厳しい時代を生き抜かなければなりません。
謙信も決して無関係ではありませんでした。
中世は小氷期の時代と言われ、
数多くの自然災害に見舞われていました。
ゆえに作物は実らず、飢饉が襲います。
そして追い打ちをかけるように流行るのは悪疫。
戦国武将が他国へ侵略するということは、
野望と言うより新たな食糧獲得のためでした。
天下統一という考えはその先のことです。
侵略した土地で繰り広げられる乱取り。
牛馬や物はもちろんのほか、人間さえも略奪します。
略奪された人間は、奴隷として売買の対象となりました。
義に厚いとされる謙信も、この乱取りと決して無関係ではありません。
むしろ、幾たびも関東へ出兵したのは、
救援要請もさることながら、出稼ぎのためだったとも言われています。
栗原修氏は、謙信の軍勢が農兵隊で組織されていることと、
関東出陣が端境期に多いことに着目。
この当時、越後では二毛作ができず、
端境期である早春から初夏にかけて飢えに苦しむ人々が多かったそうです。
農謙信軍は冬に関東へ出陣し、
春・夏に帰国するというパターンを繰り返します。
(永禄七年の冬のほかは、毎年冬に関東に出て合戦し、春になると帰国するというパターンをくり返している。『新潟県史』より)
すなわち、死亡者が集中する時期に他国へ進軍するということは、
農兵たちの出稼ぎのためだったのかもしれません。
義に厚いと言われる謙信といえど、
戦国を生き抜くには乱取りは避けて通れないことでした。
永禄6年(1563)2月、謙信は武州騎西城(埼玉県騎西)を攻めます。
松山城陥落に立腹し、その怒りを騎西城に向けた戦いです。
城に籠もった男女3千余りが、撫切りとなったと伝えられる騎西城攻防戦。
ゆえに、聞いたところによると騎西町では、
「越後の者とだけは結婚してはならない」と言われてきたそうです。
これは城攻めの凄まじさのほかに、
目を覆うような乱取りがあったのかもしれません。
義将“上杉謙信”。
仏道に深く帰依しながらも、
武人として生きることを余儀なくされた武将です。
謙信の目に乱世はどのように映っていたのでしょう。
“義”の言葉の裏側には、乱世の闇が深く横たわっています。
大河ドラマ「風林火山」で、川中島へ出陣した武田信玄(市川亀治郎)のもとに、
乱取りを許した政虎(Gackt)の知らせが入ってきました。
謙信の戦いは“義戦”と呼ばれますが、時は乱世。
厳しい時代を生き抜かなければなりません。
謙信も決して無関係ではありませんでした。
中世は小氷期の時代と言われ、
数多くの自然災害に見舞われていました。
ゆえに作物は実らず、飢饉が襲います。
そして追い打ちをかけるように流行るのは悪疫。
戦国武将が他国へ侵略するということは、
野望と言うより新たな食糧獲得のためでした。
天下統一という考えはその先のことです。
侵略した土地で繰り広げられる乱取り。
牛馬や物はもちろんのほか、人間さえも略奪します。
略奪された人間は、奴隷として売買の対象となりました。
義に厚いとされる謙信も、この乱取りと決して無関係ではありません。
むしろ、幾たびも関東へ出兵したのは、
救援要請もさることながら、出稼ぎのためだったとも言われています。
栗原修氏は、謙信の軍勢が農兵隊で組織されていることと、
関東出陣が端境期に多いことに着目。
この当時、越後では二毛作ができず、
端境期である早春から初夏にかけて飢えに苦しむ人々が多かったそうです。
農謙信軍は冬に関東へ出陣し、
春・夏に帰国するというパターンを繰り返します。
(永禄七年の冬のほかは、毎年冬に関東に出て合戦し、春になると帰国するというパターンをくり返している。『新潟県史』より)
すなわち、死亡者が集中する時期に他国へ進軍するということは、
農兵たちの出稼ぎのためだったのかもしれません。
義に厚いと言われる謙信といえど、
戦国を生き抜くには乱取りは避けて通れないことでした。
永禄6年(1563)2月、謙信は武州騎西城(埼玉県騎西)を攻めます。
松山城陥落に立腹し、その怒りを騎西城に向けた戦いです。
城に籠もった男女3千余りが、撫切りとなったと伝えられる騎西城攻防戦。
ゆえに、聞いたところによると騎西町では、
「越後の者とだけは結婚してはならない」と言われてきたそうです。
これは城攻めの凄まじさのほかに、
目を覆うような乱取りがあったのかもしれません。
義将“上杉謙信”。
仏道に深く帰依しながらも、
武人として生きることを余儀なくされた武将です。
謙信の目に乱世はどのように映っていたのでしょう。
“義”の言葉の裏側には、乱世の闇が深く横たわっています。
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