〔14.12.26.日経新聞:国際1面〕
【台北=山下和成】11月末の台北市長選挙で当選した無党派候補の医師、柯文哲氏(55)が25日に市長に就任した。任期は4年。与党・国民党の伝統的な地盤である台北市で、同党の系列でない市長が誕生するのは20年ぶりだ。今回の統一地方選では既成政党への不信感の受け皿として台風の目となった。台湾でこのまま無党派層が増えれば、2016年の総統選などに影響しそうだ。
柯氏の政治姿勢は台湾独立を志向する最大野党・民進党に近い。市長選では同党の支持を受けた。1992年に中国と台湾が「一つの中国」という原則で一致したとされる「92年コンセンサス」に関し疑問を呈するなど、これまでに踏み込んだ発言も目立つ。首都機能を持つ台北市の市長は権限が大きく、柯氏の言動が中台関係に影響を及ぼす可能性もある。
柯氏は台北市政府での就任演説で「行政を開放して全市民を参画させる」と強調した。市民の推薦やインターネット投票による公開選出形式で、局長などの幹部を選ぶ方針も打ち出した。「行政の情報を公開し、市民に政策や予算の提案権を与える」とも語った。
市の職員には「官僚的な気風を排除してほしい」と求めた。さらに「政党や市長に対してでなく、市民に全力でサービスを提供してほしい」と呼びかけた。25日には統一地方選で当選した台北市長を含む全22県市の首長らが一斉に就任した。
柯氏は台湾大学付属病院の外科医。率直な物言いが人気を集め若者を中心に「柯文哲現象」と呼ばれるブームを起こした。市長選では政治経験の無さによる柔軟性や庶民性をアピール。国民党候補の連勝文氏を破った。
【台北=山下和成】11月末の台北市長選挙で当選した無党派候補の医師、柯文哲氏(55)が25日に市長に就任した。任期は4年。与党・国民党の伝統的な地盤である台北市で、同党の系列でない市長が誕生するのは20年ぶりだ。今回の統一地方選では既成政党への不信感の受け皿として台風の目となった。台湾でこのまま無党派層が増えれば、2016年の総統選などに影響しそうだ。
柯氏の政治姿勢は台湾独立を志向する最大野党・民進党に近い。市長選では同党の支持を受けた。1992年に中国と台湾が「一つの中国」という原則で一致したとされる「92年コンセンサス」に関し疑問を呈するなど、これまでに踏み込んだ発言も目立つ。首都機能を持つ台北市の市長は権限が大きく、柯氏の言動が中台関係に影響を及ぼす可能性もある。
柯氏は台北市政府での就任演説で「行政を開放して全市民を参画させる」と強調した。市民の推薦やインターネット投票による公開選出形式で、局長などの幹部を選ぶ方針も打ち出した。「行政の情報を公開し、市民に政策や予算の提案権を与える」とも語った。
市の職員には「官僚的な気風を排除してほしい」と求めた。さらに「政党や市長に対してでなく、市民に全力でサービスを提供してほしい」と呼びかけた。25日には統一地方選で当選した台北市長を含む全22県市の首長らが一斉に就任した。
柯氏は台湾大学付属病院の外科医。率直な物言いが人気を集め若者を中心に「柯文哲現象」と呼ばれるブームを起こした。市長選では政治経験の無さによる柔軟性や庶民性をアピール。国民党候補の連勝文氏を破った。