〔14.12.15.日経新聞:総合・政治2面〕
安倍晋三首相(自民党総裁)は衆院選で大勝した前回並みの勢力を維持し、党内基盤を一段と固めた。来年秋の党総裁選で再選して長期政権を敷く足場を築いた形だ。政権奪還した2012年衆院選、衆参両院のねじれを解消した13年参院選、そして今回と3連勝に導いた首相に対抗できる党内勢力は今のところ見当たらない。第2次安倍政権の途中で封印した憲法改正も視野に入ってくる。
自民党の派閥領袖ら有力議員の多くは閣僚や党役員に就いている。首相は15年9月に党総裁の任期切れを迎えるが、党内には、衆院選後に発足する第3次安倍政権が高い支持率を維持すれば再選されるとの見方が強い。
自民、公明両党が衆院の3分の2を超える317以上の議席を維持したため、今後も参院で否決された法案を与党が衆院で再可決・成立させることができる。
参院でも16年夏の参院選で改憲勢力の議席が3分の2に届けば、国会が改憲案を発議し国民投票で是非を問える環境が整う。首相は14日夜、ニッポン放送の番組で、憲法改正について「私の大きな目標であり信念だ」と述べた。今後、国民的な理解を得ていくことへの意欲も示した。
与党が勝利しても、総裁選まで政権運営が順調に進む保証はない。年が明ければ原発再稼働、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障法制の整備・国会審議など世論の賛否が割れる重要課題が相次ぐ。足踏みが続く景気や国民生活に影響を及ぼす急激な円安といった安倍政権が支持を集めてきた経済に不透明感が強まっており、首相が気を抜く余裕はない。
安倍晋三首相(自民党総裁)は衆院選で大勝した前回並みの勢力を維持し、党内基盤を一段と固めた。来年秋の党総裁選で再選して長期政権を敷く足場を築いた形だ。政権奪還した2012年衆院選、衆参両院のねじれを解消した13年参院選、そして今回と3連勝に導いた首相に対抗できる党内勢力は今のところ見当たらない。第2次安倍政権の途中で封印した憲法改正も視野に入ってくる。
自民党の派閥領袖ら有力議員の多くは閣僚や党役員に就いている。首相は15年9月に党総裁の任期切れを迎えるが、党内には、衆院選後に発足する第3次安倍政権が高い支持率を維持すれば再選されるとの見方が強い。
自民、公明両党が衆院の3分の2を超える317以上の議席を維持したため、今後も参院で否決された法案を与党が衆院で再可決・成立させることができる。
参院でも16年夏の参院選で改憲勢力の議席が3分の2に届けば、国会が改憲案を発議し国民投票で是非を問える環境が整う。首相は14日夜、ニッポン放送の番組で、憲法改正について「私の大きな目標であり信念だ」と述べた。今後、国民的な理解を得ていくことへの意欲も示した。
与党が勝利しても、総裁選まで政権運営が順調に進む保証はない。年が明ければ原発再稼働、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障法制の整備・国会審議など世論の賛否が割れる重要課題が相次ぐ。足踏みが続く景気や国民生活に影響を及ぼす急激な円安といった安倍政権が支持を集めてきた経済に不透明感が強まっており、首相が気を抜く余裕はない。