日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

シリア内戦、混乱に拍車 ロシア空爆、イランも政権側に部隊 米支援の反体制派は劣勢

2015年10月05日 | 中東
(日経10/5:国際面)
 【カイロ=押野真也】ロシアがアサド政権支援のため空爆に踏み切ったことで、内戦が続くシリア国内の混乱に拍車がかかってきた。イランも同政権を支える狙いで精鋭部隊を投入しているもようだ。アサド大統領の退陣を求める米国は強く反発するが、米国が助ける「穏健派」の反体制派は弱体化。「アサド後」を担う有力な勢力も見当たらず、欧州に多数の難民を送り出す主因でもあるシリア情勢を安定させる道は見通せていない。

 ロシア軍は4日もシリア領内を空爆した。標的は過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)だとしている。ロシア国防省は4日、前日からの24時間でシリア北西部のイドリブ県やISが掌握している北部ラッカ県の10カ所の軍事関連の拠点を破壊したと発表。今後、空爆の規模を拡大する方針を示した。

 ISはシリアでアサド政権と対立している。

 イランもアサド政権を支える姿勢を鮮明にしている。イスラム教シーア派が主導するイランはアサド政権の指導部の中枢もシーア派の一派ととらえ、地中海へのルートを確保するうえでの友好国とみなしているためだ。

 イランは精鋭部隊の革命防衛隊のほか、事実上の傘下にあるレバノンの武装組織「ヒズボラ」の兵士をシリアに派遣しているとみられている。取材に応じたシリア反体制派の「穏健派」とされる「自由シリア軍(FSA)」の幹部は「革命防衛隊とヒズボラは戦闘の前線に参加し、アサド政権の中心的な戦力だといえる」と指摘している。

 ロイター通信によると、アサド大統領は4日放送されたイランのテレビとの会見で「シリア、ロシア、イラン、イラクによる協調はうまくいく可能性が高く、そうでなければ(中東)地域全体が破壊される」と述べた。

 シリアにはアサド政権と敵対する複数の反体制派勢力が存在する。このうち、米国やアラブ諸国はFSAなどの「穏健派」に武器を供与。米軍は穏健派の戦闘員にトルコで軍事訓練を施し、シリアに再派遣している。だが、反体制派のなかで穏健派は、IS、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」などの過激派に比べ劣勢だとされる。

 米軍によると、9月下旬、米軍がトルコで訓練した54人の戦闘員がシリアでヌスラ戦線と戦い、武器などを奪われた。米国は年3000~5000人の戦闘員を育成する計画だが、これまで訓練を実施したのは200人以下とされる。

 FSA、IS、ヌスラ戦線などは基本的に対立する関係にあるが、それぞれの組織を渡り歩く戦闘員も多い。FSA幹部は「湾岸諸国が(穏健派の)反体制派に与える武器の一部がヌスラ戦線に渡っている」と明かす。

 ヌスラ戦線なども一般市民の虐殺やテロ行為に関与。アサド政権は反体制運動が始まった2011年以降、多くの自国民を殺害した。FSAも一般市民を虐殺した可能性がささやかれる。

 米紙ニューヨーク・タイムズは「シリアに穏健な組織などない」と指摘。アハラム政治戦略研究センター(エジプト)のエマド・ガッド研究員は「シリアでは、どの勢力が国民や世界にとって有害か、という観点で排除の優先順位をつけることが適切な対応だ」と話す。


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