沿岸警備協力 日本に要請へ インドネシア大統領

〔15.3.22.日経新聞：１面〕
　【ボゴール（インドネシア）＝渡辺禎央】22日から訪日するインドネシアのジョコ・ウィドド大統領は21日、日本経済新聞の取材に応じ、沿岸警備など防衛分野での協力を日本政府に呼びかける方針を明らかにした。経済で築いてきた深い関係を安全保障分野にも拡大し、アジア太平洋の安定と成長持続に向けて新たな関係の構築を探る。（関連記事国際面に）

　首都ジャカルタ近郊ボゴールの大統領宮殿で取材に応じたジョコ氏は「海洋での防衛能力向上を急いでいる」と説明。自国と同様、海に囲まれた「日本の技術と経験を取り入れたい」と語った。巡視艇の購入や生産協力といった連携を視野に入れている。

　貿易や投資での日本との関係には「販売市場としてだけでなく、輸出基地として（インドネシアを）活用してほしい」と強調。自動車など付加価値の高い分野のメーカーが輸出用の工場をつくることに期待を示した。

　ジョコ氏にはゴーベル貿易相や有力経営者らが同行し、25日まで日本に滞在する。安倍晋三首相らと会談するほか、天皇、皇后両陛下にも会見する。訪日後に中国を訪問する予定。