〔15.4.16.ロイター〕
〔東証〕小反発,売り一巡後に切り返す,ドル上昇が支え [東京16日]
日経平均
終値 19885.77 +16.01
寄り付き 19862.48
安値/高値 19742.12─19894.35
TOPIX
終値 1599.42 +10.61
寄り付き 1589.63
安値/高値 1582.34─1599.42
東証出来高(万株) 254007
東証売買代金(億円) 28158.78
東京株式市場で日経平均は小反発。一時1ドル119円割れとなったドル安/円高進行が重しとなったほか、海外短期筋による先物売り観測などを受け、日経平均は取引時間中で4月8日以来、約1週間ぶりの安値を付ける場面があった。もっとも日銀によるETF(上場投資信託)買い入れ期待なども根強く、ドル/円の戻りと共に大引けにかけて切り返
し、小幅高で引けた。
前場中ごろには「日経平均先物が直近下値の1万9840円を割り込んだことで、海外の短期筋が先物売りに動いているとの観測が出ている」(大手証券トレーダー)との声が聞かれ、日経平均は一時127円安となった。ソニー や7&iHD
などが年初来高値を付けた後に下げに転じるなど、利益確定売りも優勢だった。
一方、メガバンクへの買いが目立ち、指数を支えたほか、原油価格の上昇を受け、石油関連株が総じて堅調だった。みずほ証券・投資情報部長の倉持靖彦氏は「これまで上昇していた医薬品や食品、小売が押される一方、出遅れていた石油関連や素材が買われている。日米決算を前に手控えムードが広がる中で、リターンリバーサルの動き」との見方を示した。
個別銘柄では、シャープ が年初来高値を更新。16日、策定中の再建計画について主力取引行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行と最終合意する見通しとなったと伝わり、関心が向かった。もっとも市場では「直近の貸株市場がタイトになっており、きょうの上昇はロングというよりショートカバーが主体」(国内ヘッジファンド)との声が出ていた。
半面、OBC が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げた。目標株価は3710円(前回3320円)に引き上げたが、現株価には大幅な株主還元拡大期待が織り込まれているとし
、期待剥落により株価パフォーマンスが相対的に下位になる可能性があるとしている。
東証1部騰落数は、値上がり1064銘柄に対し、値下がりが680銘柄、変わらずが136銘柄だった。 (杉山容俊)
〔為替〕ドル119円前半で底堅い,売り一巡で買戻し [東京16日]
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 119.35/37 1.0676/80 127.43/47
正午現在 119.13/15 1.0694/98 127.41/45
午前9時現在 119.14/16 1.0674/78 127.18/22
NY午後5時 119.13/15 1.0683/85 127.23/27
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べてドル高/円安の119円前半。ドル売りが一巡し、午後はドルが買い戻される展開となった。さえない米経済指標が続いて地合いの弱さが意識される一方、中長期の視点から押し目買いの好機との見方も根強く、ドル/円の底堅さも確認されている。
午前はドル売りが強まり、午前11時前に118.79円まで下落したが、午後3時にかけては買い戻され、一時119.41円まで上昇した。午後1時過ぎの比較的勢いがあった上げについては「取引が薄い中、機関投資家などから大きめの買いが入ったのではないか」(国内金融機関)との声が出ていた。
1─2月分の米経済指標はさえない数字が相次いだが、市場では、悪天候による一時的なものとの受け止めからドル高基調が続いてきた。ところが、持ち直しが期待されてきた3月分でも、雇用統計や小売売上高といった主要指標が低調となり「米景気の伸び悩みが一時的でないリスクが高まってきた」(別の国内金融機関)という。
きょうは米国で3月住宅着工件数や4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数などの経済指標が発表されるほか、ゴールドマン・サックス、シティグループなどの大手企業決算、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長をはじめとする要人発言などイベントが盛りだくさん。「このところ何かきっかけがあればドル売りの流れとなっている」(外為どっとコム総合研究所の石川久美子氏)として、経済指標が弱い内容となった場合は、ドル売りで反応する可能性があるという。
<午前はドル売り>
朝方のドル/円は日経平均株価がマイナス圏で寄り付いたことを受け、119.15付近から一時118.90円まで下押しされた。仲値公示にかけては輸入企業のドル買いが見られたものの「取引はそれほど活発にはならなかった」(国内金融機関)という。
一方、ユーロ/ドルはこれまで米欧の金融政策の方向性の違いから売り込まれてきただけに、ドルが低調となる中で反発基調を強めた。朝方にはストップロスを巻き込みながら1.0675ドル付近から一時1.0748ドルまで上昇する場面があった。
ドル/円は仲値を挟み、日足の一目均衡表の雲の下限となる118.95円付近で一進一退となった。この水準を大きく割り込むようなら下げ足が速まりそうだとして「短期筋が現行水準で押し目買いを入れるかどうか躊躇(ちゅうちょ)している」(国内金融機関)との声が出ており、やや下支えが薄くなってきたとの観測が出ていた。
株価が下げ幅を拡大すると、ドル/円も118.79円まで下押しされたが、その後
は株価の戻りが鈍い中でドル/円は反発しており、正午前には119円台を回復した。
<ドル5月から上昇か、足元は押し目買い好機との見方>
日欧が緩和政策を進めている上、資源価格の下落の影響が出やすい新興国通貨には手を出しづらいとして、野村証券のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は中長期の観点から「ドル以外に買えるものがない」と指摘。5月以降はドル高/円安が加速しやすいとして「向こう2週間はドル買いポジションを仕込む好機」と話していた。
目先ではドル安/円高の地合いになる可能性は残っている。22日発表の貿易統計では貿易収支の改善が見込まれるほか、30日の日銀金融政策決定会合では根強い早期追加緩和への期待がはく落する可能性もある。
ただ、池田氏は、前回の雇用統計でカバーされた範囲以降では、失業保険関連などで持ち直しがあり、5月に入って発表される4月分の米雇用統計は強い数字になりそうだと見ている。そうなれば「すでに低くなった市場期待に比べ、米経済は意外に強いとの受け止めに変わってくるのではないか」という。
(為替マーケットチーム)
〔東証〕小反発,売り一巡後に切り返す,ドル上昇が支え [東京16日]
日経平均
終値 19885.77 +16.01
寄り付き 19862.48
安値/高値 19742.12─19894.35
TOPIX
終値 1599.42 +10.61
寄り付き 1589.63
安値/高値 1582.34─1599.42
東証出来高(万株) 254007
東証売買代金(億円) 28158.78
東京株式市場で日経平均は小反発。一時1ドル119円割れとなったドル安/円高進行が重しとなったほか、海外短期筋による先物売り観測などを受け、日経平均は取引時間中で4月8日以来、約1週間ぶりの安値を付ける場面があった。もっとも日銀によるETF(上場投資信託)買い入れ期待なども根強く、ドル/円の戻りと共に大引けにかけて切り返
し、小幅高で引けた。
前場中ごろには「日経平均先物が直近下値の1万9840円を割り込んだことで、海外の短期筋が先物売りに動いているとの観測が出ている」(大手証券トレーダー)との声が聞かれ、日経平均は一時127円安となった。ソニー や7&iHD
などが年初来高値を付けた後に下げに転じるなど、利益確定売りも優勢だった。
一方、メガバンクへの買いが目立ち、指数を支えたほか、原油価格の上昇を受け、石油関連株が総じて堅調だった。みずほ証券・投資情報部長の倉持靖彦氏は「これまで上昇していた医薬品や食品、小売が押される一方、出遅れていた石油関連や素材が買われている。日米決算を前に手控えムードが広がる中で、リターンリバーサルの動き」との見方を示した。
個別銘柄では、シャープ が年初来高値を更新。16日、策定中の再建計画について主力取引行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行と最終合意する見通しとなったと伝わり、関心が向かった。もっとも市場では「直近の貸株市場がタイトになっており、きょうの上昇はロングというよりショートカバーが主体」(国内ヘッジファンド)との声が出ていた。
半面、OBC が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を「ニュートラル」から「アンダーウエート」に引き下げた。目標株価は3710円(前回3320円)に引き上げたが、現株価には大幅な株主還元拡大期待が織り込まれているとし
、期待剥落により株価パフォーマンスが相対的に下位になる可能性があるとしている。
東証1部騰落数は、値上がり1064銘柄に対し、値下がりが680銘柄、変わらずが136銘柄だった。 (杉山容俊)
〔為替〕ドル119円前半で底堅い,売り一巡で買戻し [東京16日]
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 119.35/37 1.0676/80 127.43/47
正午現在 119.13/15 1.0694/98 127.41/45
午前9時現在 119.14/16 1.0674/78 127.18/22
NY午後5時 119.13/15 1.0683/85 127.23/27
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べてドル高/円安の119円前半。ドル売りが一巡し、午後はドルが買い戻される展開となった。さえない米経済指標が続いて地合いの弱さが意識される一方、中長期の視点から押し目買いの好機との見方も根強く、ドル/円の底堅さも確認されている。
午前はドル売りが強まり、午前11時前に118.79円まで下落したが、午後3時にかけては買い戻され、一時119.41円まで上昇した。午後1時過ぎの比較的勢いがあった上げについては「取引が薄い中、機関投資家などから大きめの買いが入ったのではないか」(国内金融機関)との声が出ていた。
1─2月分の米経済指標はさえない数字が相次いだが、市場では、悪天候による一時的なものとの受け止めからドル高基調が続いてきた。ところが、持ち直しが期待されてきた3月分でも、雇用統計や小売売上高といった主要指標が低調となり「米景気の伸び悩みが一時的でないリスクが高まってきた」(別の国内金融機関)という。
きょうは米国で3月住宅着工件数や4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数などの経済指標が発表されるほか、ゴールドマン・サックス、シティグループなどの大手企業決算、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長をはじめとする要人発言などイベントが盛りだくさん。「このところ何かきっかけがあればドル売りの流れとなっている」(外為どっとコム総合研究所の石川久美子氏)として、経済指標が弱い内容となった場合は、ドル売りで反応する可能性があるという。
<午前はドル売り>
朝方のドル/円は日経平均株価がマイナス圏で寄り付いたことを受け、119.15付近から一時118.90円まで下押しされた。仲値公示にかけては輸入企業のドル買いが見られたものの「取引はそれほど活発にはならなかった」(国内金融機関)という。
一方、ユーロ/ドルはこれまで米欧の金融政策の方向性の違いから売り込まれてきただけに、ドルが低調となる中で反発基調を強めた。朝方にはストップロスを巻き込みながら1.0675ドル付近から一時1.0748ドルまで上昇する場面があった。
ドル/円は仲値を挟み、日足の一目均衡表の雲の下限となる118.95円付近で一進一退となった。この水準を大きく割り込むようなら下げ足が速まりそうだとして「短期筋が現行水準で押し目買いを入れるかどうか躊躇(ちゅうちょ)している」(国内金融機関)との声が出ており、やや下支えが薄くなってきたとの観測が出ていた。
株価が下げ幅を拡大すると、ドル/円も118.79円まで下押しされたが、その後
は株価の戻りが鈍い中でドル/円は反発しており、正午前には119円台を回復した。
<ドル5月から上昇か、足元は押し目買い好機との見方>
日欧が緩和政策を進めている上、資源価格の下落の影響が出やすい新興国通貨には手を出しづらいとして、野村証券のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は中長期の観点から「ドル以外に買えるものがない」と指摘。5月以降はドル高/円安が加速しやすいとして「向こう2週間はドル買いポジションを仕込む好機」と話していた。
目先ではドル安/円高の地合いになる可能性は残っている。22日発表の貿易統計では貿易収支の改善が見込まれるほか、30日の日銀金融政策決定会合では根強い早期追加緩和への期待がはく落する可能性もある。
ただ、池田氏は、前回の雇用統計でカバーされた範囲以降では、失業保険関連などで持ち直しがあり、5月に入って発表される4月分の米雇用統計は強い数字になりそうだと見ている。そうなれば「すでに低くなった市場期待に比べ、米経済は意外に強いとの受け止めに変わってくるのではないか」という。
(為替マーケットチーム)