〔15.2.21.日経新聞:投資情報面〕
医師にカテーテル手術の研修を行い、拡販につなげる(神奈川県内の研修施設)
テルモの2015年3月期の連結営業利益は前期比7%増の700億円近くとなり、過去最高を更新する見通しだ。2%減の640億円だった従来予想から一転、増益になる。円安を追い風に、心臓血管などの手術に使うカテーテル(医療用細管)が海外で伸びる。競争が激しい注射器などホスピタル部門の収益立て直しも寄与し、08年3月期の最高益(669億円)を7年ぶりに上回る。
売上高は4%増の4880億円とする従来予想を上回る公算が大きい。けん引役はカテーテルなど心臓血管部門だ。これまでは相対的に単価の安い診断用カテーテルが主力だったが、より単価の高いカテーテル手術用の器具の販売が伸びる。
日本で一般的なカテーテル手術の手法が、欧米にも広がっていることが背景にある。患者の身体的な負担が少なく、日本で実績があるテルモ製品を採用する医療機関が海外で増えている。
円安も追い風となる。今期は想定為替レートを1ドル=100円に設定するが、4~12月期の期中平均は約107円。心臓血管部門は輸出も多く、期末までこの水準が続くと、営業利益を20億円程度押し上げる計算だ。
期初時点では今期は営業減益の計画だった。国内で医療機器の公定価格が引き下げられ、米国では工場の管理体制強化に伴うコスト負担が重いと見込んでいた。それ以上に海外の収益が好調で、最高益を更新できる。
これまでの最高益だった08年3月期との違いは海外で稼ぐ力が一段と高まった点だ。7年前は50%弱だった海外売上高比率が今期には約62%まで高まる見通しだ。
注射器などの汎用品を含むホスピタル部門も、収益が改善する。前期は一部製品の販売不振で同部門は減益だったが、今期は海外への生産移管や顧客の絞り込みなどの成果が出ている。利益率の高い血糖測定器、医薬品の生産受託も好調だ。
血液システム部門も自動製剤システムなどが海外で伸びている。今期は主要3部門がそろって増益となる可能性がある。
医師にカテーテル手術の研修を行い、拡販につなげる(神奈川県内の研修施設)
テルモの2015年3月期の連結営業利益は前期比7%増の700億円近くとなり、過去最高を更新する見通しだ。2%減の640億円だった従来予想から一転、増益になる。円安を追い風に、心臓血管などの手術に使うカテーテル(医療用細管)が海外で伸びる。競争が激しい注射器などホスピタル部門の収益立て直しも寄与し、08年3月期の最高益(669億円)を7年ぶりに上回る。
売上高は4%増の4880億円とする従来予想を上回る公算が大きい。けん引役はカテーテルなど心臓血管部門だ。これまでは相対的に単価の安い診断用カテーテルが主力だったが、より単価の高いカテーテル手術用の器具の販売が伸びる。
日本で一般的なカテーテル手術の手法が、欧米にも広がっていることが背景にある。患者の身体的な負担が少なく、日本で実績があるテルモ製品を採用する医療機関が海外で増えている。
円安も追い風となる。今期は想定為替レートを1ドル=100円に設定するが、4~12月期の期中平均は約107円。心臓血管部門は輸出も多く、期末までこの水準が続くと、営業利益を20億円程度押し上げる計算だ。
期初時点では今期は営業減益の計画だった。国内で医療機器の公定価格が引き下げられ、米国では工場の管理体制強化に伴うコスト負担が重いと見込んでいた。それ以上に海外の収益が好調で、最高益を更新できる。
これまでの最高益だった08年3月期との違いは海外で稼ぐ力が一段と高まった点だ。7年前は50%弱だった海外売上高比率が今期には約62%まで高まる見通しだ。
注射器などの汎用品を含むホスピタル部門も、収益が改善する。前期は一部製品の販売不振で同部門は減益だったが、今期は海外への生産移管や顧客の絞り込みなどの成果が出ている。利益率の高い血糖測定器、医薬品の生産受託も好調だ。
血液システム部門も自動製剤システムなどが海外で伸びている。今期は主要3部門がそろって増益となる可能性がある。