日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

テレ朝、KDDIとスマホ動画提携 「当たる番組」共同制作、視聴ビッグデータを駆使

2015年08月21日 | コンテンツ・商標
(日経8/21:企業総合面)
 テレビ朝日は20日、KDDIとスマートフォン(スマホ)向けの動画配信事業で提携すると発表した。KDDIが持つ動画視聴者の属性や嗜好などのビッグデータをもとに、視聴者の関心を引く「見られる番組」を共同制作する。地上波番組とセットで制作するのがミソで、テレ朝は本丸のテレビのテコ入れ効果も期待できる。「一挙両得」の思惑もありそうだ。

 動画配信を手掛ける通信大手の視聴データを番組の企画・制作に活用する仕組みは国内で初めて。「(地上波テレビだけでなく)インターネット上で存在感を示すことが大事だ」。20日、都内で開いた両社の共同記者会見でテレ朝の角南源五常務はこう強調した。

 テレ朝は、KDDIから動画配信サービス「ビデオパス」の利用者約100万人の視聴や検索履歴のほか、出演者や監督など作品ごとの分析データの提供を受ける。これをもとにドラマやバラエティーなど様々な番組を制作する。内容は相互に関連させながら、地上波テレビ向けとビデオパス向けに別の作品を作る。



 第1弾はプロデューサーの秋元康氏が企画し、アイドルグループAKB48のメンバーが主演するドラマ。10月にまず地上波で放送し、連動した内容の作品をビデオパスで配信する。両方をあわせて見る楽しみ方を視聴者に提供する。

 動画配信では9月から世界最大手の米ネットフリックスが日本でサービスを始める。放映済みの番組を集めて量で勝負するだけでなく、見たがる番組を自ら作って提供するスタイルは、実はネットフリックス流だ。

 同社は世界6500万人の会員の視聴や作品データを細かく分析し、利用者にあった作品を推奨する機能を強みとしている。政治ドラマ「ハウス・オブ・カード」を100億円以上を投じて制作し、ヒットさせるなど独自番組でも実績がある。

 テレ朝は番組の制作費やビデオパスへの提供料などの詳細を明らかにしていない。ただ同社は提携をテコに「配信事業者として一定の地位を確立したい」(角南氏)としており、ビデオパスの利用者の増加に応じて一定の収入をKDDIから受け取るもようだ。

 NHK放送文化研究所の2015年の調べではテレビ視聴時間が初めて短くなった。10~20歳代の6割超が週1回以上スマホで動画を視聴しているというデータもある。

 動画配信事業拡大は放送各社の課題だが、テレビのコンテンツも強化しなければじり貧になりかねない。フジテレビジョンがネットフリックスに独自番組を先行配信するなどの動きもあるが、テレ朝は提携でネットとテレビ両方の問題に対応する手掛かりを得た形だ。

 一方、KDDIもネットフリックスが日本に上陸するなか、競争激化に備えてビデオパスの内容充実を図る必要がある。NTTドコモなどが運営する動画配信サービス「dTV」(会員数約450万人)にも水をあけられている。KDDIの高橋誠・取締役執行役員専務は「動画の作り手と顧客がやりとりし、コンテンツの質を高める化学反応を起こしたい」と話す。

 テレ朝は番組共同制作のほか、最新ドラマを放送終了後すぐにビデオパスで配信する。22日からドラマ「民王」の配信を始める。放送大手と通信大手の新手の連携。相乗効果を狙った挑戦が始まる。  (細川倫太郎)


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