日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

3メガ銀、海外で存在感 資源開発・インフラ融資、過去最大 国内低金利で軸足

2014年12月29日 | 28.銀行業
〔14.12.29.日経新聞:金融面〕
 

 3メガバンクがインフラ整備や資源開発などの大型事業向け融資(プロジェクトファイナンス)を急拡大させている。2014年に3メガバンクが主幹事で組成した案件は前年比19%増の313億ドル(約3兆7000億円)と過去最大を記録した。超低金利が長引くなかで、各行は利ざやの大きい海外事業への融資に軸足を移している。ただ足元の原油安が資源開発の需要減を招く恐れもあり、厳格な与信管理が求められそうだ。

 トムソン・ロイターによると、14年の世界のプロジェクトファイナンス組成額(22日時点)は8%増の2217億ドル。地域別ではシェールガスなど資源開発が盛り上がる米州が45%増と好調で、アジア太平洋や欧州などの落ち込みを補った。

 けん引するのは3メガバンクだ。個別行の主幹事案件の組成額では三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループが激しい首位争いを演じ、みずほフィナンシャルグループも4位。世界全体の組成額に占める3メガバンクのシェアは14.1%と1.3ポイント上昇し、過去最高を更新した。

 3メガバンクの存在感が高まったのは日本企業が主導する海外の大型案件が増えたためだ。

 三井物産や三菱商事が参画する米液化天然ガス(LNG)輸出事業「キャメロン」(組成額78億ドル)や、丸紅などによる豪ロイヒル鉄鉱山開発事業(72億ドル)、日立製作所による英高速鉄道事業「IEP」(37億ドル)への各融資案件には、3メガバンクがそろって参加した。

 3メガバンクが独自に獲得した案件も目立つ。三井住友はシンガポールでカジノが入る統合型リゾート「マリーナベイ・サンズ」の借り換えを手がけた。三菱UFJは伊藤忠商事が参画するトルコ製油所建設事業、みずほは関西電力などによるインドネシア水力発電事業に融資した。

 三井住友銀行プロジェクトファイナンス営業部長のラジーブ・カナン氏は「アジアを中心に資源やインフラの需要は根強く、プロジェクトファイナンスの市場規模は2020年までに倍増する」と予測する。

 日銀の追加金融緩和で国内の貸出金利回りが一段と低下するなか、各行は相対的に厚い利ざやが見込まれる海外事業への融資を一段と増やす構えだ。融資を通じて海外企業との接点を増やし、外貨預金獲得やスワップ取引など新たなビジネスにつなげる狙いもある。

 ただリーマン・ショック後に業務を縮小した欧州の銀行が再び市場シェアを高め、融資案件の獲得競争は激しくなっている。足元では原油安で資源開発プロジェクトや産油国のインフラ整備などの資金需要が鈍る可能性も浮上している。融資の焦げ付きを避けるため、与信管理能力の強化も必要になる。 

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