日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

ビール2強、再編へ動き 首位インベブ、SABに買収打診 世界シェア3割視野に

2015年09月17日 | 企業:M&A・合併・事業承継
(日経9/17:総合2面)
 【ジュネーブ=原克彦】「バドワイザー」などのブランドを持つビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI、ベルギー)が2位の英SABミラーに買収を打診した。両社が16日、声明で発表した。米国などの独占禁止当局の審査を通って買収が実現すれば、世界のビール販売量の約3割を占める巨大連合が誕生する。大型M&A(合併・買収)を繰り返してきたビール業界の再編は最終段階を迎える。

 
ABインベブが提示する買い付け価格が焦点に(ベルギーの本社)=ロイター

 SABミラーは声明で「ABIから当社に買収を提案する意向を伝えられた」と発表。正式な提案はまだ受け取っていないという。ABIも「SABミラーの取締役会に両社の統合について接触した」との声明を出した。

 今後はABIが提示する買い付け価格と、SAB経営陣の賛否表明が焦点になる。

 ABIがすべての株式を買い付ければ、買収額は600億ポンド(約11兆円)を超える見通しだ。2社の2014年度の売上高は単純合算で約692億ドル(約8兆3千億円)で、食品メーカーでは米ペプシコを抜き最大手のネスレに迫る。時価総額の合計は2540億ドル前後でネスレを上回る。

 買収実現には米国や欧州連合(EU)など各国・地域の独占禁止当局の許可が必要になる。SABミラーが買収に同意すれば、出資する米ミラー・クアーズの株式を手放すとの見方が有力だ。中国でもSABミラーが最大手に49%を出資し、ABIが3位のため、工場などの売却を求められる可能性がある。

 ABIは08年にベルギーのインベブが米アンハイザー・ブッシュを買収して発足し、当時、首位を争っていたSABミラーを引き離した。SABは「フォスターズ」や「ペローニ」などを持つ。統合すれば世界シェアは30%を超え、現在3位のハイネケン(オランダ)の3倍超になる。

 ABIはブラジル企業も母体になっていることから、新興市場では特に南米に強い。SABミラーは南アフリカ発祥の企業でアフリカ市場の開拓で先行している。このため2社は南半球では相性が良い。

 欧州株式市場ではかねてABIがSABミラーの買収に動くとの観測があり、昨年にはABIが10兆円以上の資金調達を準備しているとも報じられた。

 一方でSABミラーは昨秋にハイネケンに買収を提案したが、ハイネケンの創業家に断られていた。


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