野村信託が遺言信託 来春参入 野村証券の顧客向け

〔14.12.08.日経新聞：金融面〕

野村ホールディングス傘下の野村信託銀行は2015年４月から、グループの野村証券の顧客向けに、遺言書の作成や執行などを取り扱う遺言信託業務に参入する。グループ一体で相続関連のサービスを強化し、相続資金を取り込む。

　野村信託銀は遺言信託の開始に当たって、専門部署を立ち上げるほか、人員も増やす。顧客の保有する株式や投資信託を換金せずに相続するサービスも強化する。契約手数料などは今後詰める。

　野村証券は現在、遺言信託を提携する三菱ＵＦＪ信託銀行と三井住友信託銀行に委託している。来年４月以降は野村信託銀も加え、顧客が３行から選べるようにする。

　野村は14年10月末で100兆2000億円ある顧客資産残高を、20年３月までに150兆円に増やす計画だ。高齢の顧客は今後大幅に増える見通しで、資金流出への対応も必要になっている。相続関連では昨年、証券口座を活用した生前贈与の仕組みも導入した。