日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

ファナック一時14%安 「中国関連株」で売り膨らむ 自社株買い不発で失望も

2015年07月30日 | 15.機械
(日経7/30:投資情報1面)
 29日の株式市場でファナック株が一時、前日比14%安と急落した。中国でのスマートフォン(スマホ)関連需要の減速で28日、2016年3月期の業績予想を下方修正したのが嫌気された。中国景気の影響を受けやすい「中国関連株」としての評価が定着し、下げをきつくした面がある。現地の景気回復が見通しにくい中、上値の重い展開を予想する声が多い。

 ファナック株は前日比11%安の2万700円で取引を終えた。売買代金は903億円と東証1部で首位だ。中国の設備投資減速の影響が拡大するとの懸念から、同じ機械株のSMC(5%安)やキーエンス(4%安)にも売りは波及した。

 28日に今期の連結純利益を前期比23%減の1595億円と従来予想から300億円以上引き下げた。震源は中国のスマホ関連だ。スマホの金属ケースを加工する「ロボドリル」や工作機械の頭脳にあたる数値制御(NC)装置が落ち込む。稲葉善治社長は28日の投資家向け電話会議で「現地の工作機械向けNC受注が足元でなくなった」と話した。

 今春に配当と自社株買いを通じて純利益の8割を株主に還元する方針を発表。4月に上場来高値(2万8575円)をつけるなど「還元」が年前半の株高を演出した。

(写真:「ロボドリル」の受注が落ち込む)


 還元期待の強さが、かえって株価下落を増幅した面がある。というのも稲葉社長はかねて自社株買いについて「割安な時期に実施する」としてきた。「下方修正など悪材料と同時に自社株買い発表があるのでは」との思惑が市場で醸成されてきたが、今回は「不発」におわり「失望売りを招いた」(大手証券)。

 全体の利益に占める中国のウエートはかなり高く、中国景気の減速を示す材料が出るたびに売られやすくなっている。

 もっとも会社計画は保守的との見方もある。28日の電話会議で稲葉社長は米アップルのスマホ新製品投入による「特需」の可能性を示唆した。これは計画に織り込まれていない。中国懸念から「6~7月でかなり株は売り込まれてきた。これ以上の調整は考えにくい」(ゴールドマン・サックス証券の諫山裕一郎氏)との声がある。  (関口慶太)


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