日本株と投資信託のお役立ちノート

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(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

食品効能表示、幅広く 「肝臓の働き助けます」「目の健康サポート」審査不要の新制度

2015年03月04日 | 4.食料品
〔15.3.4.日経新聞:総合2面〕


 健康に与える効能について、事業者が科学的根拠を届け出れば表示できる「機能性表示食品制度」が4月から始まる。政府が3日、閣議決定した。国の審査は不要で食品全般が対象となる。事業者が消費者庁に表示内容などを届け出てから60日後には販売できるため、今夏にも新制度の食品が店頭に並ぶ見通しだ。

 食品表示制度は現在、国の審査や許可が必要な特定保健用食品(トクホ)と、国の許可は不要な栄養機能食品がある。

 新制度は第3の制度となる。申請から許可まで2年前後かかる場合もあるトクホに比べて費用や時間の負担が軽くなる。表示の表現も特定の栄養素の説明に限られる栄養機能食品より広がる。

 対象はサプリメントや加工食品のほか、生鮮食品など食品全般で、アルコール類は除く。

 トクホも食品全般を対象とするが、これまでに生鮮食品で許可された事例は無い。新制度により効能をうたった生鮮食品が販売される可能性がある。

 表示できる効能は健康の増進や維持の範囲。成分を表示した上で「肝臓の働きを助けます」「目の健康をサポートします」などと、体の特定の部位を挙げることも可能だ。一方で「高血圧の人に」「肉体改造」など、健康の維持・増進の範囲を超えたり、病気の治療・予防をうたったりする表現は認めない。

 事業者が新制度の食品を販売するには、表示の科学的根拠となる臨床研究の結果や論文などを、消費者庁に提出する必要がある。販売後に問題があれば食品の回収や罰則を科すこともある。

 事業者は健康被害の情報収集体制を構築する必要があるほか、食品のパッケージに「消費者庁長官による個別審査を受けたものではない」とする表示や事業者の連絡先、摂取にあたっての注意事項を記載しなければならない。

▽事業者「多様な商品に広げる」 消費者「リスクわかる体制を」

 新しい食品表示制度をめぐり、事業者の間では期待が高まる一方、消費者団体からは「消費者がリスクを負わされかねない」と指摘する声もある。

 日本水産は「特定保健用食品(トクホ)よりも開発費を抑えられる。多様な加工食品に広げられる」と歓迎。商品開発の社内横断組織「機能性食品推進部」を1日付で立ち上げており、9月にも新制度に基づく商品を発表する。

 カゴメはトクホでは認証例がない生鮮品に期待をかける。抗酸化作用に優れるリコピンを多く含んだ生鮮トマトは「美容に効く」などとうたえる。ただ「農産物は栽培した物によって成分の量にばらつきがあり、証明が難しい」(食品大手)との見方もある。

 新制度の潜在的な市場規模は10兆円に上るともいわれている。ドラッグストアの最大手、マツモトキヨシホールディングスは「健康に気を使う客に薦める商品の選択肢が増える」とする一方、「管理栄養士らの知識を高める教育も必要」とみる。

 現状では一般の健康食品は効能を店頭販促で紹介できない。新制度は「効能のある部位ごとに商品を集めた売り場を作ることができる」(日本チェーンドラッグストア協会の宗像守事務総長)。

 一方、主婦連合会の山根香織会長は「根拠が不十分で効能だけをうたう商品が販売され、消費者がリスクを負わされる可能性もある」と懸念。「過剰摂取や他の成分との飲み合わせのリスクなどを、消費者が把握できる体制を構築する必要がある」と指摘する。  

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