〔15.3.27.日経新聞:投資情報面〕
2014年の新規株式公開(IPO)77社中、上場後の株価上昇率でトップに立つのがFFRIだ。サイバーセキュリティー対策ソフトの開発を手掛ける。14年9月の東証マザーズ上場時の公開価格は362.5円(株式分割考慮後)だったが、その2.8倍で初値を付け、足元の株価はさらに初値の5倍の水準だ。
14年11月に「サイバーセキュリティ基本法」が成立するなど、日本でもサイバー攻撃に対する関心が高まっている流れに乗った。売り上げ規模は10億円以下と小粒だが、日本では数少ない基礎研究から製品化まで手掛ける企業とされる。
強みが自社開発の「ヒューリスティック検知技術」。従来のセキュリティーソフトは過去のウイルスの記録と照合して判定するため、新種ウイルスや新手の攻撃に弱かった。この技術を使えば未知のウイルスやハッキングに対応できるという。
20年に東京五輪を控え、日本に対するサイバー攻撃の増加が予想され企業や自治体だけでなく個人のセキュリティー意識も高まりそう。自らも技術者で海外のセキュリティー会社勤務を経て起業した鵜飼裕司社長は「スピード感を持って事業展開する」と宣言する。
とはいえ足元の利益は1億1900万円(15年3月期の予想税引き利益)程度。PER(株価収益率)は300倍超で期待先行色は強い。1月に6990円の高値を付けた後の上値は重く、足元は2割低い水準だ。
「カギを握るのは個人向け事業の成否」(いちよし経済研究所の藤田要副主任研究員)との見方が多い。官公庁や電力大手など手堅い取引先を持つが、パイの大きい個人向け進出も図る。昨年12月に携帯販売大手と組み、スマートフォンアプリの安全性を診断できるサービスを始めている。
2014年の新規株式公開(IPO)77社中、上場後の株価上昇率でトップに立つのがFFRIだ。サイバーセキュリティー対策ソフトの開発を手掛ける。14年9月の東証マザーズ上場時の公開価格は362.5円(株式分割考慮後)だったが、その2.8倍で初値を付け、足元の株価はさらに初値の5倍の水準だ。
14年11月に「サイバーセキュリティ基本法」が成立するなど、日本でもサイバー攻撃に対する関心が高まっている流れに乗った。売り上げ規模は10億円以下と小粒だが、日本では数少ない基礎研究から製品化まで手掛ける企業とされる。
強みが自社開発の「ヒューリスティック検知技術」。従来のセキュリティーソフトは過去のウイルスの記録と照合して判定するため、新種ウイルスや新手の攻撃に弱かった。この技術を使えば未知のウイルスやハッキングに対応できるという。
20年に東京五輪を控え、日本に対するサイバー攻撃の増加が予想され企業や自治体だけでなく個人のセキュリティー意識も高まりそう。自らも技術者で海外のセキュリティー会社勤務を経て起業した鵜飼裕司社長は「スピード感を持って事業展開する」と宣言する。
とはいえ足元の利益は1億1900万円(15年3月期の予想税引き利益)程度。PER(株価収益率)は300倍超で期待先行色は強い。1月に6990円の高値を付けた後の上値は重く、足元は2割低い水準だ。
「カギを握るのは個人向け事業の成否」(いちよし経済研究所の藤田要副主任研究員)との見方が多い。官公庁や電力大手など手堅い取引先を持つが、パイの大きい個人向け進出も図る。昨年12月に携帯販売大手と組み、スマートフォンアプリの安全性を診断できるサービスを始めている。