(日経10/10:マーケット総合1面)
ファナックの株価が9日、一時前日比5%高まで上昇した。終値は4%高の2万0775円だった。この日は機械や商社、非鉄など中国関連銘柄が軒並み買われた。目立った買い材料はなかったが、ファナックもこうした物色の流れに乗ったようだ。9月29日の年初来安値からの上昇率は16%にのぼる。
夏場以降、機械株は中国景気の減速懸念から大きく下げており、ファナックも4月に付けた年初来高値(2万8575円)をなお約3割下回っている。最近の急騰は売り込まれた反動の側面が強い。
2016年3月期の連結純利益は前期比23%減の1595億円にとどまる見通し。スマートフォンの金属ケースを削る小型加工機械「ロボドリル」の需要縮小などが背景だ。業績に逆風が吹く半面、純利益の最大8割を株主に配分する方針を示しているのは株価の下支えになっている。現状で総還元利回りは3%を超える計算になり、「機械株の中で割安感が強まっている」(バークレイズ証券の境田邦夫ディレクター)との声は少なくない。
今後の焦点は、世界のスマートフォンや半導体、自動車などの生産動向だ。世界景気減速による低迷が長引けば、ロボットやファクトリーオートメーション機器の需要回復が遅れ、株価の上値が重くなる懸念はくすぶる。
ファナックの株価が9日、一時前日比5%高まで上昇した。終値は4%高の2万0775円だった。この日は機械や商社、非鉄など中国関連銘柄が軒並み買われた。目立った買い材料はなかったが、ファナックもこうした物色の流れに乗ったようだ。9月29日の年初来安値からの上昇率は16%にのぼる。
夏場以降、機械株は中国景気の減速懸念から大きく下げており、ファナックも4月に付けた年初来高値(2万8575円)をなお約3割下回っている。最近の急騰は売り込まれた反動の側面が強い。
2016年3月期の連結純利益は前期比23%減の1595億円にとどまる見通し。スマートフォンの金属ケースを削る小型加工機械「ロボドリル」の需要縮小などが背景だ。業績に逆風が吹く半面、純利益の最大8割を株主に配分する方針を示しているのは株価の下支えになっている。現状で総還元利回りは3%を超える計算になり、「機械株の中で割安感が強まっている」(バークレイズ証券の境田邦夫ディレクター)との声は少なくない。
今後の焦点は、世界のスマートフォンや半導体、自動車などの生産動向だ。世界景気減速による低迷が長引けば、ロボットやファクトリーオートメーション機器の需要回復が遅れ、株価の上値が重くなる懸念はくすぶる。