(日経9/11:社会1面)
関東地方の記録的豪雨は10日、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊、大規模浸水を引き起こした。国土交通省によると、鬼怒川下流部の堤防整備は河川法に基づき、10年に1度の大雨にも耐えられるよう一部地区で増強工事に着手していた。決壊した地域の堤防整備は用地買収の段階だった。
鬼怒川の堤防が決壊し、住宅街に流れ込む濁流(10日、茨城県常総市)
常総市で約140メートルにわたって決壊した堤防は土を積み上げたもの。高さ3~4メートル、幅は堤防の上部が約4メートル、下部が16~20メートルだった。拡幅して高さ5~6メートルにかさ上げする計画で、昨年度から用地買収を進めていた。
国交省は鬼怒川の堤防が決壊した被害想定を複数地点でしており、2005年には今回決壊した場所から約750メートル南で決壊した場合、周辺約30平方キロメートルが浸水すると想定していた。
鬼怒川では1938年9月に台風の大雨で堤防が決壊。ほかの河川の氾濫も含め、関東で300人以上の死傷者が出た。49年8月にも台風で栃木県旧氏家町(現さくら市)の堤防が決壊した。
国交省によると、河川の堤防整備は流域人口や被害想定により、200年に1度の大雨を想定したスーパー堤防、30~50年に1度の大雨を想定した堤防など地域に応じて進められている。
堤防決壊で流域が大きな被害を受けるケースは各地で発生している。
2012年7月には福岡県南部で梅雨前線による集中豪雨が発生し、有明海にそそぐ矢部川で堤防が決壊した。
04年7月には新潟、福島両県で梅雨前線による豪雨が降り、信濃川水系などの多くの河川が決壊、死者16人を出した。同10月には兵庫県豊岡市の円山川で堤防が壊れ、2万戸超の床上・床下浸水、死者18人、行方不明者2人を出した。
関東地方の記録的豪雨は10日、茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊、大規模浸水を引き起こした。国土交通省によると、鬼怒川下流部の堤防整備は河川法に基づき、10年に1度の大雨にも耐えられるよう一部地区で増強工事に着手していた。決壊した地域の堤防整備は用地買収の段階だった。
鬼怒川の堤防が決壊し、住宅街に流れ込む濁流(10日、茨城県常総市)
常総市で約140メートルにわたって決壊した堤防は土を積み上げたもの。高さ3~4メートル、幅は堤防の上部が約4メートル、下部が16~20メートルだった。拡幅して高さ5~6メートルにかさ上げする計画で、昨年度から用地買収を進めていた。
国交省は鬼怒川の堤防が決壊した被害想定を複数地点でしており、2005年には今回決壊した場所から約750メートル南で決壊した場合、周辺約30平方キロメートルが浸水すると想定していた。
鬼怒川では1938年9月に台風の大雨で堤防が決壊。ほかの河川の氾濫も含め、関東で300人以上の死傷者が出た。49年8月にも台風で栃木県旧氏家町(現さくら市)の堤防が決壊した。
国交省によると、河川の堤防整備は流域人口や被害想定により、200年に1度の大雨を想定したスーパー堤防、30~50年に1度の大雨を想定した堤防など地域に応じて進められている。
堤防決壊で流域が大きな被害を受けるケースは各地で発生している。
2012年7月には福岡県南部で梅雨前線による集中豪雨が発生し、有明海にそそぐ矢部川で堤防が決壊した。
04年7月には新潟、福島両県で梅雨前線による豪雨が降り、信濃川水系などの多くの河川が決壊、死者16人を出した。同10月には兵庫県豊岡市の円山川で堤防が壊れ、2万戸超の床上・床下浸水、死者18人、行方不明者2人を出した。