日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

6503 三菱電機・柵山正樹社長 円安進行、新興国で値下げ

2015年01月23日 | 16.電気機器
〔15.1.23.日経新聞:投資情報面〕
  「安定」「守り」のイメージが強かった三菱電機が、M&A(合併・買収)などで攻めの投資に打って出る。電機業界の中では一足早く事業再編に動き、ファクトリーオートメーション(FA)を軸に稼ぐ基盤を整えながら財務の改善も進めた。2021年3月期までに売上高5兆円、営業利益率8%以上を目指す。得意の中国以外の新興国をどう攻略するのか。柵山正樹社長に聞いた。

 ――昨年11月に公表した事業戦略は「もう一段高いレベル」での「質のよい成長」を掲げました。

 「総資産に対する借入金比率は10%まで下がり、当面の目標である15%をクリアした。リーマン・ショック後に優先的に負債を減らしてきたおかげだ。これで計算上、新たに2000億円の借り入れ余力が生まれる。成長を加速させる中では当然、M&Aも選択肢に入ってくる」

 「今までは自社の事業を磨いてきたが、今後は技術や販売網など自社に足りないパーツをM&Aで補う戦略を強化する。ファンド主導でリストラ・合理化を済ませた案件などに関心があり、探している最中だ。失敗した場合に会社が傾くリスクがあるような案件は排除するが、基本的に金額ありきではない。1兆円規模は無理でも、必要なら2000億円の枠にこだわらず資金を投じていく」

 ――独シーメンスなど世界の重電大手との競争も見据えてのことですか。

 「とりわけインドやインドネシアといった新興国では、まずローエンド(低機能・低価格)分野の製品で顧客網を築き、将来的に採算が良いハイエンド(高機能・高価格)の需要を着実に取り込む手法が大事だ。12年にインドでFA機器の企業を買収したのも、そうした考えからだ」

 「新興国ビジネスは円安で状況が変わってきた面もある。円高時は価格競争で不利だったが、今は一部製品で値下げしてシェアを取りにいける」

 ――15年3月期は7年ぶりの営業最高益を見込んでいます。円安や原油安など事業環境の変動も大きくなっていますが、どう対処しますか。

 「円安は製品を輸出する際の採算改善につながる。原油安は工場の電力コストの低減に結びつく。いずれも収益に追い風で、今期の業績については予想(営業利益2750億円)から上振れる余地が出てきた。ただし欧州リスクなど不安定な要素も多く、先行きには不透明感が強い」

 「FAを含む産業メカトロニクス事業は、営業利益で今期予想の1240億円から21年3月期に2000億円規模へ引き上げたい。全体の営業利益は4000億円超が目標だから、FAなどでほぼ半分を稼ぎ出す構造になる。M&Aなどで新興国を中心に規模を拡大し、収益性を高める。電力などのインフラ関連や家電も含めてバランスの良い成長を目指したい」

(聞き手は伊原健作)

<市場の声>M&Aテコに成長銘柄へ変身

 日立製作所、東芝を含む重電3社で金融危機後に最終赤字にならなかったのは三菱電機だけだ。前期の自己資本利益率(ROE)は2ケタ、自己資本比率も40%超と優等生ぶりが目立つ。

 一方で昨年の株価上昇率は10%弱で2社に及ばず、予想PER(株価収益率)も15倍強と日立の17倍などを下回る。実力の割に投資家の成長期待が膨らみにくいのが「弱点」。今回の戦略転換は、安定銘柄から成長銘柄への変身をアピールする格好の機会になる。 

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