日本株と投資信託のお役立ちノート

株や投信の運用に役立つ記事を探します。
(主に日経,ロイター,WSJから引用。賞味期限の短い記事は今後省きます)

5401 新日鉄住金,小倉の高炉休止 18年度末メド/設備投資は2015年度から年1千億円増&採用も大幅増

2015年03月04日 | 12.鉄鋼
〔15.3.4.日経新聞:1面〕
 新日鉄住金は3日、2018年度末をメドに八幡製鉄所小倉地区(北九州市)の高炉1基を休止すると発表した。15年度末をメドに君津製鉄所(千葉県君津市)の高炉1基も休止予定で、同社の国内高炉は12基に減る。アジアでは中国の鉄鋼大手などが増産に動く一方で需要は伸び悩む。当面は需給緩和が続くと見ており、中核設備の高炉を休止して生産効率を高める。(関連記事企業1面に)

 同日発表した15年度から3カ年の中期経営計画に盛り込んだ。高炉は鉄鉱石とコークスから溶けた鉄を取り出す製鉄所の中核設備。小倉地区は主に自動車部品に使う棒鋼や線材を生産している。休止する高炉は13年度の粗鋼生産量が同社全体の3%弱と最も小さい。

 高炉休止後は近接する八幡製鉄所戸畑地区の高炉の生産量を約10%高めて小倉地区に供給する。同地区の従業員の雇用は他部門への転属などで確保したい考え。同社は12年の新日本製鉄と住友金属工業の統合以降、設備集約などを進めてきたが、厳しい競争環境から合理化を加速する。

〔企業1面〕
▽新日鉄住金、設備投資1000億円上積み 国内来年度から採用2倍、生産底上げ アジア大手に対抗
 
休止を発表した新日鉄住金の八幡製鉄所小倉地区の高炉設備

 新日鉄住金は国内の設備投資を2015年度から年1千億円積み増す。大型設備の更新を加速するほか、従業員の採用も14年度の約2倍に増やす。経営統合から2年半で収益は急回復し、時価総額は世界トップとなったが、アジアの鉄鋼大手の追い上げに対抗するにはもう一段の生産性向上が必要。14年に名古屋製鉄所(愛知県東海市)でトラブルが相次いだこともあり、設備と人の両面から生産の質を底上げする。(1面参照)

 同社は12年の統合を受けて15年度を目標とする中期経営計画を進めてきたが、1年前倒しして15年度から3カ年の新中計に移行する。記者会見した進藤孝生社長は、「統合が順調に進み、(現中計の)目標はおおむね達成したが、国内での製造面の実力をさらに強化するという視点から策定した」と説明した。

 同社はこれまで、国内の生産設備の補修や刷新に年間3500億円程度を投じてきた。しかし、石炭を焼き固めてコークスを製造するコークス炉では稼働後40年が過ぎ生産性が低下し始めたものもある。17年度まではこうした設備の更新投資を積み増し、生産性を改善する。

 従業員の採用も大幅に増やす。1970年代までに大量採用してきた従業員が定年退職を迎えることもあり、今後3年間は年1300人程度と、足元の年約700人から倍増させる。

 新日鉄住金は新興国の経済成長や自動車メーカーの海外生産拡大に合わせ、アジアや北米に相次いで鋼材の生産拠点を設けている。ただ、高級鋼材の中間原料は今後も国内製鉄所から輸出する方針で、国内の粗鋼生産能力は5000万トン規模を維持する。

 同社の15年3月期見込みの連結の売上高経常利益率は7.3%で、13年3月期の1.7%から大きく改善した。為替の円高修正に加えて、統合後の旧2社資産の圧縮も当初計画を上回る規模で進んだことなどが大きい。さらに、新中計では設備更新による生産性向上などで18年3月期に10%以上に高める方針だ。

 国内2位のJFEホールディングスは15年3月期に5.7%の売上高経常利益率を見込む。世界最大手の欧州アルセロール・ミタルの売上高営業利益率は14年12月期に3.8%、韓国ポスコが同5%台だったのと比べても新日鉄住金の水準は高い。

 しかし、アジアを中心とする鉄鋼の需給緩和は深刻さを増す。宝鋼集団などアジア鉄鋼大手の技術力も向上しており、従来は競合が激しくなかった自動車向けなどの高級鋼でも今後はぶつかり合う可能性がある。新中計には「業界他社が出し得ない統合効果」(進藤社長)を出しながらも、さらなる収益改善が必要という危機感がうかがえる。

 同社は同日、統合発表時の住友金属工業社長だった友野宏副会長が4月1日付で取締役相談役に退く人事も発表した。旧2社の融合を目指す統合の段階は越え、新たな成長を描く段階に入った。 

※ブログ主補記:記事タイトルにカッコ書きですが、ネガティブな1面の記事に対し、企業1面の記事はポジティブな記事でしたので、標題に追記しました。 

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